平岡祐太&桜井玲香が「絵画のような映画」と語る作曲家・菅野祐悟が監督の映画『REQUIEM〜 ある作曲家の物語〜』
2025.3.3(月)

NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」や、連続テレビ小説「半分、青い。」、「名探偵コナン」など数々の映画やドラマで音楽を手がけてきた作曲家・菅野祐悟が監督を務める映画『REQUIEM〜 ある作曲家の物語〜』が2月28日(金)に公開される。本作は菅野の監督第2作で、若き天才作曲家の愛と苦悩を美しい映像で描いた音楽ドラマ。
作曲家として活躍する城島匠は、10年前に難病で他界した親友・神野慎吾の幻影に悩まされていた。城島は生前の神野から、彼の死後に10年かけてレクイエム(鎮魂歌)を作曲してほしいと頼まれていた。取材をきっかけに出会った雑誌編集長・向井紗枝はそんな城島の心に寄り添おうとするが、城島が信頼していたアシスタント・姫野光一の不祥事が発覚し、城島はますます追い詰められていく―。
作曲家・城島を平岡祐太が務め、雑誌編集長・向井を桜井玲香、城島のアシスタント・姫野をボーイズグループ「7ORDER」の安井謙太郎、亡き親友・神野をフリースタイルピアニストのけいちゃんが演じた。
今回は主演の平岡祐太と桜井玲香にインタビュー。演じるうえで意識したことや撮影中のエピソードなどを語ってもらった。
――脚本を読んだときのご感想をいただけますでしょうか
平岡「アート作品であるということと、1人の天才ピアニストの苦悩ということにすごく惹かれて、挑戦してみたいなと思いました」
桜井「菅野さんがつくる映画ということで、すごく興味がありました。イメージがしづらかったので少し難しいなと思ったのですが、『こんな雰囲気でやりたい』というのも聞いていたので、これは監督を信じて、監督にのっかって作る作品だな、という印象でした」

――監督の音楽は今まで聞かれたことはありましたか
平岡「僕が以前出演したドラマ『キイナ〜不可能犯罪捜査官〜』の音楽のご担当が菅野さんだったので、僕は菅野さんを一方的に知っていました。本作では、僕が携帯電話で話しているシーンで『こんなBGMが乗っかってくるんだ』と驚きました」
――平岡さんの役は、菅野さんを彷彿とさせるような役どころだとお見受けしたのですが、ご自身の役柄についてどのように受け取られましたか。演じた役との共通点などはありますか?
平岡「僕自身の趣味がDTMで作曲なんです。作曲は自分自身が全ての世界観を作る作業になるのですが、菅野さんの場合、数千曲とか出していらっしゃるんですよね。おそらくその中でもそれをヒットさせたり、人の心に残るような曲を作っていくというのは自分自身との葛藤もすごくあるんだろうなと想像しました」
――桜井さんはご自身の役柄についてどのように受け取られましたか?
桜井「演じた向井は、現代の働く女性のあり方に葛藤を感じている女性で、私自身もバリバリ働いてるのですごく共感するものがありました。『こういうところで悩んで踏ん張って大変だよな』と理解しやすかったです」
――演じられる上で意識されたことはありますか?
平岡「最初は、はっきりとした演技をしようと思っていたのですが、どちらかというと演技ではない、日常会話のような雰囲気を大事にされていたような気がして、あえてちゃんと喋ろうと思わなかったんです。普段演技をするときは、割と強く伝えようとしたりするのですが、今回そういうのが排除できたらいいなと考えていました。監督を観察していると、ポケットに手を突っ込んでいるところや下を向いて前髪を触りながら小さい声でお話していたところが菅野さんを象徴するような仕草な気がして。その菅野さんの癖を本作に取り入れられたらいいなと思っていました」
――映画を見ていて平岡さんが途中から菅野さんに見えてきました(笑)
平岡「菅野さんにも『あれ、僕の真似してるの?』と言われました(笑)」
――桜井さんは意識したことはありましたか?
桜井「菅野さんの理想の女性像のようなものがあった気がして、『かわいらしくいてください』と言われたので、なるべく菅野さんの理想が崩れないように、かわいらしくいよう、と心がけました」

――平岡さんと桜井さん、お互いの印象はいかがですか
平岡「きっちりしていそうだなという印象だったのですが、実際は違うらしいんですよ(笑)。あと、ミュージカルにも出演していらっしゃるので、安定したお芝居をされる印象です。僕がブレていても、それを全てきちっとしてくれるような、そういう安定感のある女優さんだと感じました」
桜井「平岡さんはずっと現場でピアノを弾かれていたので驚きました。普段も弾かれるんですよね?」
平岡「でも今回のジャズっぽい曲はなかなか弾かないんです。昔は『スイングガールズ』というジャズバンドの映画に出演したのですが、最近はジャズに全然触れていなかったので難しかったです。弾けたらかっこいいですよね」
桜井「素敵でしたよ。待ち時間もずっとピアノに触れられていて、神野と2人で学生時代の曲も弾かれていたとき、すごく綺麗な曲で感動しました」

――撮影時に印象に残ったエピソードはございますか
平岡「現場で壁の穴だけを撮っているときがあって、それを僕は遠くから見ていて『何を撮っているんだろう?』と思っていたんです。現場ではそういう何を撮っているのかわからない不思議なシーンがたくさんあったのですが、完成した映画を観ると、そのシーンがしっかり世界観の中に落としてあってすごく面白かったです」
桜井「印象に残っているのが、安井さんのダンスの無茶ぶりですかね」
平岡「2人で変なことをしていたら使われてました(笑)。あと、けいちゃんさんはシルエットからして天才的な感じがしましたね。『やっぱり天才ピアニストってシルエットから違うんだ』と。独自のスタイルがあって驚かされました」
――読者の方へメッセージをお願いします
平岡「視覚的にも技術的にも今までに見たことのないアート作品になっていると思います。菅野さんが奏でる旋律をぜひ体感しに来てもらえたらなと思います」
桜井「唯一無二な映画だと思いますし、何回も見ることのできる映画だとも思います。じっくり見るのもいいですし、家の中でなにげなく流しているだけでも音楽も素敵で、色彩もすごく良いので楽しめると思います」
平岡「絵画を飾っているような感じですよね」
桜井「はい、本当にそんな感じです!ぜひ、見ていただきたいです」
文=HOMINIS編集部
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