マイケル・ファスベンダーのアンドロイドがはまり役!新たな恐怖与える「エイリアン・コヴェナント」
2025.2.13(木)
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SFホラー映画の金字塔「エイリアン」シリーズの前日譚に当たるのが「エイリアン・コヴェナント」だ。2012年に公開された「プロメテウス」と、1979年公開の第一作「エイリアン」をつなぐ重要な役割を担っており、エイリアンがいかにして誕生したかを描いている。
「エイリアン・コヴェナント」は、2093年を描いた「プロメテウス」から11年後の2104年が舞台。人類移住計画を託され、地球と極めて近い自然環境の星に降り立った宇宙船コヴェナント号のクルーたちが、その地に生息していた謎の生命体に襲撃され、壊滅の危機に陥っていくという物語だ。
未知の生物誕生のカギを握っていたのがアンドロイドの存在。本作では、前作「プロメテウス」から続いてウェイランド・コーポレーションから派遣されたアンドロイド・デヴィッド(マイケル・ファスベンダー)と、新型アンドロイドのウォルター(マイケル・ファスベンダー)が登場する。
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©2017 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.
今までのシリーズとは恐怖の与え方が異なるというのが最初の印象。序盤は旧来のエイリアンシリーズ同様、未知の怪物が襲いかかってくる恐怖を存分に感じられるが、後半はむしろAI(アンドロイド)の恐ろしさのほうが際立ってくる。言うなれば、本作の主人公は黒幕であるデヴィッド。前作にあたる「プロメテウス」でもエリザベス・ショウ(ノオミ・ラパス)に特別な感情を抱き、そして変わっていってしまう様子も描かれていたが、「エイリアン・コヴェナント」ではさらにその思考が飛躍している。
デヴィッドは生物の「創造主」となることを求め、エイリアンという種を秘密裏に育てている。人間であれば紛うことなきサイコパスなのだが、アンドロイドなのでそのツッコミはお門違い。AIが暴走し、屈折した思考にたどり着いてしまったと考えるとなんとか納得できる。
何を考えているかわからない人間というのは不気味だが、マイケル・ファスベンダーが演じていることによって「アンドロイド」という非現実的なものからの気味の悪さを存分に感じることができる。
ファスベンダーはとにかく顔の造形が美しい。ヒゲをたくわえていると男らしさもあるのだが、こと前日譚シリーズの2作品においては中性的なイメージが際立つ。それにより、"人間臭さ"を極限まで消し(シワはあるのだが)、一方で機械の無機質さを増しているように感じた。デヴィッドの行動は人間にとっては害そのものだが、攻撃的な言葉を口にすることはない。それでも、十二分に恐怖の渦に引き込んでくるのだから、ファスベンダーとアンドロイドの相性は抜群なのだろう。
そして、本作でファスベンダーはデヴィッドだけではなく、ウォルターも演じている。知性の面ではデヴィッドより単純化されているが、容姿は同一。後半は2人が戦ったり対峙する場面もあるが、作中で生まれるある特徴を除けば見分けるのはほとんど不可能だ。正直、混乱してしまうシーンもあるのだが、それがある種伏線としてラストシーンにつながってくる。
デヴィッドがウォルターに成り代わってジャネット・ダニエルズ(キャサリン・ウォーターストン)に微笑みかけるシーンは恐ろしいが、セクシーさすら感じられる秀逸なラストに。後味の悪さが尾を引くが、だからこそ頭に強烈に刻まれ、『ヴァルハラ城への神々の入場』のピアノ音楽は忘れられない。
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©2017 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.
エイリアンシリーズとは少々趣向が異なるが、それでも存分にスリルを味わえる本作。マイケル・ファスベンダーの魅力も発揮されており、前日譚シリーズとして一挙に楽しみたいところだ。
文=まっつ
放送情報
エイリアン:コヴェナント [R15+]
放送日時:
<字幕>2025年2月22日(土) 21:00~、2月28日(金)21:00~ ほか
<吹替>2025年2月28日(金)12:30~ ほか
チャンネル:ザ・シネマ
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