織田裕二が自分の信念を貫く主人公を熱く演じる!「連続ドラマW 株価暴落」
2024.11.15(金)
WOWOWの連続ドラマ「北方謙三『水滸伝』」に主演することが決定している織田裕二。幅広い役を演じてきた織田が銀行員役に初挑戦したのが2014年に放映されたWOWOWの連続ドラマ「株価暴落」だ。
原作は池井戸潤の小説。織田自身、WOWOWとのコラボレーションドラマ「下町ロケット」や「空飛ぶタイヤ」を見ていたこともあり、池井戸作品に出演することを楽しみにしていたという。織田が演じているのはメガバンク、白水銀行の審査部審査役の板東洋史。銀行の取引先である大手スーパー、一風堂を巡って板東と激しく対立する企画部副部長の二戸哲也を高嶋政伸が演じている。
池井戸潤といえば「半沢直樹」、「花咲舞が黙ってない」など銀行を舞台とした作品のドラマ化が知られるが、本作は織田演じる主人公が「間違ったことは間違っていると言う」という信念を持ちながらも正義を貫くことで犠牲になる人たちがいる現実を踏まえて葛藤するシリアスタッチの金融サスペンス作。会長(竜雷太)のワンマン体制が災いし、経営危機に陥っている一風堂の店舗が何者かによって爆破される事件が起こり、銀行は株の下落を懸念。事件当日、防犯カメラに映っていた不審な青年・犬鳴黄を瀬戸康史が演じている。銀行の闇に触れ、時に刑事のように動き、難題に立ち向かう主人公になりきった織田の抑えた演技が渋い。
■織田と高嶋の火花を散らす演技も見どころ
多額の融資を受けながらも一風堂の再建計画が進まない中で爆破テロが起こり、銀行の打撃を避けるためにも追加融資をすべきだと強く主張する二戸(高嶋)と企業努力がないなら、さらに銀行の傷口を広げることになりかねないという板東(織田)は激しい対立を繰り広げる。そんな中、3年前に一風堂の蒲田店をオープンするに当たって商店街の反対運動が激化し、リーダーだった文具店の店主が自殺したという過去を知った板東は部下を伴い、白水銀行の蒲田支店を訪ね、商店街の人から当時の話を聞き出していく。過去を掘り返す板東の動きを疎ましく思い、憎しみを露わにする二戸と怒りを抑えて冷静に自分の意見を述べる板東。織田と高嶋が向かい合い、無言でバチバチに火花を散らすバトル演技は迫力たっぷりである。
■追い詰められる板東。銀行の闇とテロの真犯人の意図とは?
味方である融資部の田丸に"ネクタイを緩めている方が似合う銀行員は珍しい"と言われる板東だが、そのスタイルは置かれた立場の息苦しさを象徴していると言ってもいいかもしれない。一風堂の追加融資に首を縦に振らないことで二戸からは嫌がらせをされ、警視庁捜査一課の野猿(板尾創路)から黄(瀬戸)にまつわることなどで何度も話を聞かれ、一風堂の経営体制に疑問を抱いている財務部長、友部(石黒賢)からは相談を受け、板東は自身の信念と渦巻く人間関係の間で葛藤する。過去に大規模なリストラをしたことで恨みも買っている一風堂のテロ事件の犯人は警察に追われる黄なのか?二戸はなぜ、そんなに執拗に一風堂再建にこだわるのか?苦悩のヒーローを演じた織田の内面の熱さが伝わる表情、最終話までわからない物語の顛末がじっくり味わえるドラマだ。
文=山本弘子
放送情報【スカパー!】
連続ドラマW 株価暴落 #1~5(全5話)
放送日時:11月22日(金)21:00~
放送チャンネル:WOWOWプラス 映画・ドラマ・スポーツ・音楽
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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