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原菜乃華と萩原利久の熱演を今だからこそもう一度!映画「ミステリと言う勿れ」

2024.10.29(火)

菅田将暉を主役に据えて2022年に放送され、2022年日本民間放送連盟賞・番組部門 テレビドラマ【優秀賞】など数々の賞を受賞したドラマ「ミステリと言う勿れ」。天然パーマがトレードマークで、変わり者だが抜群の推理力を持つ主人公・久能整が難事件を解決していくという内容で、翌年には特別編、また劇場版も制作されるほどの人気を誇った。

中でも劇場版は、子役時代から活躍している原菜乃華、萩原利久ら若手実力派俳優の熱演も注目を集めた。今後さらなる飛躍をするであろう原と萩原の力量を再認識するべく、ここでは映画「ミステリと言う勿れ」の2人にスポットを当ててみたい。

■運命に翻弄される心の重みを原菜乃華が好演

映画「ミステリと言う勿れ」に出演した原菜乃華と松下洸平
映画「ミステリと言う勿れ」に出演した原菜乃華と松下洸平

(C)田村由美/小学館 (C)2023 フジテレビジョン 小学館 TopCoat 東宝 FNS27社

原は現在、活動の舞台が急拡大中で、映画「すずめの戸締まり」(2022年公開)では声優に初挑戦。また、来年放送のNHK連続テレビ小説「あんぱん」にも出演が決まっているなど、今後の活動に注目したい女優だ。

そんな原が本作で演じたのは、物語で重要な役割を果たす女子高生・狩集汐路。広島に広大な敷地を持つ狩集家の4人の遺産相続者の1人だ。狩集家の遺産相続時には、必ず争いが起こって死人が出るということで、汐路は自分の身を守るため、そして相続にまつわる謎を解くために久能を引っ張り込む。

最初に久能の前に現れた時から、汐路には緊張感が漂っている。久能に協力を頼む時の揺るぎない眼差しとしっかりした口調には真剣さが宿っているし、相続の時に死人が出る話をして「きっと殺し合ったんだよ」と語った時は、逆らえない運命を前にしているかのような絶妙な表情を見せる。また、過去の出来事によって汐路が抱えてしまった心の闇を久能が明らかにした時には、心を失ったような表情で呆然とし、狩集一族に課せられた運命を語る時は、悲しみを湛えた瞳で絶叫する。

汐路の初恋の相手である弁護士・車坂朝晴(松下洸平)との会話では底抜けに明るく、川に落ちて帰ってきた久能には「ざまぁ!」と憎まれ口を叩くような、活発な女子高生らしい一面を見せながらも、相続に関しては心の闇を感じさせる汐路を、原は非常に印象深く演じている。それも原の演技力があってこそだし、本作で第47回日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞したのも納得の力量だ。

■やんちゃだが根は素直な相続者・波々壁新音を演じた萩原利久

(C)田村由美/小学館 (C)2023 フジテレビジョン 小学館 TopCoat 東宝 FNS27社

本作のもう1人の注目の若手俳優は、萩原利久。2008年にデビューしてから着実にキャリアを積み、2021年放送のドラマ「美しい彼」でブレイク。来年公開予定の俳優・北村匠海の初監督作品「世界征服やめた」や、「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」では主演も決まっていて、今後ますます飛躍していきそうな勢いだ。

萩原が本作で演じるのは、4人の相続人のうちの1人、波々壁新音。やんちゃですぐ感情を表に出す性格で、祖父の遺言状が読み上げられた家族会議では、部外者の久能をヤンキーさながらに威嚇する。しかし根は真面目で、汐路が抱える闇が明らかになった時には、真摯で、素直で、非常に優しい面も見せてくれる。

(C)田村由美/小学館 (C)2023 フジテレビジョン 小学館 TopCoat 東宝 FNS27社

心に闇を抱えた汐路、専業主婦の赤峰ゆら(柴咲コウ)、常に冷静な狩集理紀之助(町田啓太)という4人の相続人の中にあって、時にはっちゃけつつも優しい新音の存在が、4人のバランスを上手く取っていると言えるし、その役割を十二分に果たした萩原の力量もさすがと言えるだろう。

相続の条件として出された謎に迫るに従い、過去に起こった事件の真相と、狩集家に隠された過去の因縁も徐々に明らかになっていく。果たしてこの相続問題で死者は出るのか、遺産は誰が受け継ぐのか。練り込まれた物語と、原や萩原の演技にどっぷり浸りながら、最後まで楽しんでほしい作品だ。

文=堀慎二郎

放送情報【スカパー!】

映画「ミステリと言う勿れ」
放送日時:2024年11月23日(土)21:00~
チャンネル:映画・チャンネルNECO
※放送スケジュールは変更になる場合がございます