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戸田恵梨香が、変人だが天才の刑事を演じる異色ドラマ「SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜」

2024.10.25(金)

■戸田恵梨香演じる公安刑事と特殊能力の持ち主=SPECホルダーらとの戦い

戸田恵梨香がIQ201の天才だが変人の当麻紗綾役を演じ、加瀬亮とW主演を務めた、2010年のドラマ「SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜」が、日本映画専門チャンネルで11月23日(土・祝)に放送される。今作は公安部公安第五課未詳事件特別対策係(通称:未詳)を舞台に、難事件を捜査する物語。「ケイゾク」や「TRICK」シリーズなど独特の世界観を描く、堤幸彦監督ならではの"堤ワールド"全開の人気作だ。

タッグを組む瀬文(加瀬亮)と当麻(戸田恵梨香)
タッグを組む瀬文(加瀬亮)と当麻(戸田恵梨香)

物語の舞台となる"未詳"とは、野々村光太郎係長(竜雷太)の言葉を借りれば、「超能力での殺人など、科学で解明できない事件を扱う部署」。特殊部隊での任務中に遭遇した不可解な現象によって部下を負傷させた疑いをかけられ、異動を命じられた瀬文焚流(せぶみ・たける/加瀬)に言わせれば、"何もすることがない左遷先"だ。ところが部署には次々とおかしな怪事件が持ち込まれ、京大理学部出身の天才である当麻と武闘派の瀬文は、特殊能力の持ち主=SPECホルダーと対峙していくことになる。

このSPECホルダーひとりひとりのキャラクターも濃く、そこも人気だ。予言をする時になぜかレモンを食べるドレッドヘアの占い師・冷泉俊明(田中哲司)や、見た目は無垢な少年だが、時を止める能力を持つ少年・一十一(にのまえ・じゅういち/神木隆之介)、誠実そうな顔をして病を処方する医師・海野亮太(安田顕)、ゴシック風ファッションで人の心を読み取るサトリ(真野恵里菜)など、大きな特徴を持つキャラクターが多い。ほかにも上川隆也、山内圭哉、奥貫薫など実力派俳優陣がSPECホルダーを演じており、見応えも十分だ。

■当時22歳の戸田恵梨香が風変わりだが天才の当麻役で新境地を開拓

今作最大の魅力は、戸田恵梨香演じる当麻紗綾だ。それまでマドンナ的な役どころを多く演じてきた戸田が、髪はボサボサで、餃子を食べた箸で本をめくるようなガサツなキャラクターを演じ、新境地を切り拓いたと言われている。当麻は見た目や行動だけでなく、性格もトンガっており、冒頭から「それがビチクソ警察野郎たちのファッキンな掟なんで」と英語で言い放つ場面も。だが、捜査では優れた能力を発揮。事件の要素を書道で一つ一つ書き出し、それをまとめて細かく破って宙に舞わせることで、ジグソーパズルのように事件を組み立てて犯人を割り出す。

その相棒を務めるのは、無表情で生真面目な軍人マニアの瀬文。隙だらけの当麻にツッコミを入れるなど、対照的なキャラクターだ。この瀬文を、映画「ハチミツとクローバー」の文化系男子から「アウトレイジ」のインテリヤクザまでなんでもござれの加瀬亮が演じ、冷たく見えるが芯の熱いキャラクターに仕立てた。頭脳派の当麻と武闘派の瀬文は一見マッチしないが、それぞれの"思い"が融合し、ベストパートナーとなっていく。

そして、当麻と瀬文は、SPECホルダーを追ううちに二つの組織に辿り着く。SPECホルダーを統括する組織と、SPECホルダーを狙う組織だ。しかもそのうちの一つは警察内部にあるらしい。さらに当麻の近くにもSPECホルダーが潜んでおり、彼女を窮地に追いやっていく。前半はコメディ要素が強く、俳優陣からも楽しんでいるであろう雰囲気が伝わってくるが、徐々に緊迫感が高まり、最終回ではボルテージが最高潮に。戸田恵梨香、加瀬亮らが作り上げた当麻と瀬文が、そしてこの「SPEC」の世界がどんな結末にたどり着くのか、ぜひ見届けてほしい。

文=及川静

放送情報【スカパー!】

SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜(全10話)
放送日時:11月23日(土・祝)14:00~
※11月23(土・祝)・24日(日)連日14:00~「SPEC」シリーズを一挙放送
放送チャンネル:日本映画専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります