アプリのバックグラウンド更新とは?オンにするメリットとデメリット
2024.9.24(火)
あなたもこんな経験はありませんか?スマホのアプリを快適に使っていたのに、突然動作が遅くなったり、電池の減りが早くなったりと、思わぬトラブルに頭を悩ませたことはないでしょうか。
最近では、多くのアプリが私たちの生活に欠かせない存在となっていますが、その裏側でアプリが原因となり、思わぬ問題が発生しているのです。
本記事では、アプリのバックグラウンド更新のオン・オフが、アプリの動作やスマホの性能にどのような影響を与えるのか、また、どう活用すればいいのかを詳しく解説します。
目次
アプリのバックグラウンド更新とは、アプリを直接操作していない間も、アプリが最新の情報やデータを更新できるようにすることです。
たとえば、iPhoneの画面上で別のアプリに切り替えたり、ホーム画面に戻ったりした場合、それまで操作していたアプリはバックグラウンドで動作し続けます。
この時、アプリはフォアグラウンド(ユーザーから見える範囲)ではなく、バックグラウンド(ユーザーから見えない範囲)で実行されている状態となります。
バックグラウンド更新の代表的な例が、地図アプリです。地図アプリは、直接操作していない間も、バックグラウンドで位置情報を常に更新し続けます。
アプリのバックグラウンド更新をオンにすることで得られるメリットは、次のとおりです。
自動更新が可能であれば、アプリの最新バージョンを常に利用できます。つまり、アプリを開けばすぐに新機能や改善点、バグ修正などが適用されたアプリが利用できるということです。
また、SNSアプリなどでは、新着メッセージや通知をリアルタイムで受け取ることができます。
重要な情報やニュースを見逃したくない場合は、更新をオンにしておくのがおすすめです。
多くのアプリはクラウドサーバーにデータを保存しており、バックグラウンド更新をオンにしておくことで自動的にデータの同期が行われます。
万が一、スマートフォン本体が故障や紛失した場合でも、最新のデータを復旧できる可能性が高くなります。
先ほどは、2つのメリットを紹介しました。
一方で、いくつかのデメリットが存在します。
バックグラウンド更新を有効にすると、アプリが常にサーバーと通信を行うため、モバイルデータの通信量が消費されます。
複数のアプリがバックグラウンドで更新を行うと、月間のデータ使用量が大きく増えることがあります。
アプリが定期的にデータを取得し続けると、電力を消費します。
結果、バッテリーの消耗が激しくなり、スマートフォンの寿命が短くなることがあります。
バックグラウンドで多くのアプリが動作していると、システムリソースが消費され、スマートフォンの動作が遅くなることがあります。
とくに古いデバイスやメモリの少ない端末では、パフォーマンスに影響を及ぼすことがあります。
アプリのバックグラウンド更新を制限すると、一部のアプリでは機能が制限され、ユーザーエクスペリエンスが低下する可能性があります。
とくに問題が生じる可能性が高いアプリには以下のようなものがあります。
アプリカテゴリ | アプリの例 | バックグラウンド更新制限時の問題 |
キャリアアプリ |
・My au
|
・通信量や請求情報のリアルタイム更新が遅れる
|
連絡アプリ | ・Gmail | ・新着メッセージやメールの通知が遅れる |
位置情報アプリ | ・Googleマップ | ・リアルタイムの交通情報更新が遅れる |
位置情報アプリは、正確な情報を提供するために、バックグラウンドでの定期的な更新が不可欠です。
これらのアプリについては、バッテリー消費やデータ使用量とのバランスを考慮しつつ、可能な限りバックグラウンド更新を有効にしておくことがおすすめです。
最後に、AndroidとiPhoneそれぞれのアプリのバックグラウンド更新設定方法についてご紹介します。
- 「設定」→「アプリ」を開く
- データ使用量を確認し、不要なバックグラウンド動作を特定
- 問題のあるアプリをタップし、「強制停止」を実行
- 「バックグラウンドデータの使用を許可」を必要に応じてオン・オフする
- 「設定」→「一般」→「Appのバックグラウンド更新」を開く
- 一覧から個別にアプリを選択するか、一括で設定する
- オフ: 常に手動更新
- Wi-Fi: Wi-Fi接続時のみ更新
- Wi-Fiとモバイルデータ通信: 常時自動更新
本記事では、アプリのバックグラウンド更新について解説しました。
バックグラウンド更新をオンにすることで、アプリの最新情報が常に受け取れたり、データの自動同期と保護が可能になったりするというメリットがあります。
一方で、データ通信量やバッテリー消費の増加、スマートフォンの動作の重さなどのデメリットも存在します。
バックグラウンド更新を制限することで、これらのデメリットを軽減できる場合もありますが、アプリの機能が制限されたり、ユーザーエクスペリエンスが低下したりする可能性もあります。
バックグラウンド更新の設定は、個人の使用環境や優先度に応じて柔軟に調整することが大切です。
TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock