長澤まさみのコメディエンヌぶりが光る初の刑事モノ「都市伝説の女」に再注目
2024.8.19(月)
数々のドラマや映画で主演を務め、今では国民的女優の1人に数えられる長澤まさみ。今年も7月12日に公開された映画「キングダム 大将軍の帰還」の楊端和役をはじめ、三谷幸喜が5年ぶりに脚本・監督を務めることでも話題の映画「スオミの話をしよう」(9月13日(金)公開予定)にもヒロインのスオミ役で出演予定など、話題作への出演が続く。これも、長澤の演技力が多くの映画監督から高く評価される証左といえるだろう。
そんな彼女の代表作の1つが、ヒロインのダー子を演じたコンフィデンスマンJPシリーズだ。2018年4月期の月9ドラマからスタートした本シリーズは、その後、映画やスピンオフドラマなどが次々と制作されるなど、大人気コンテンツとなっている。
時に変顔も辞さないダー子で見せた七色の演技はコメディエンヌとしての確かな才能の賜物であるが、以前にもそのポテンシャルを垣間見せていた作品がある。
それが、2012年にテレビ朝日で放送された金曜ナイトドラマ「都市伝説の女」だ。
■長澤初の刑事役はいろんな意味で規格外
都市伝説に魅了された女刑事が美貌とマニアックな視点を生かして、都市伝説絡みの事件を解決していく1話完結のミステリー&コメディーとなる「都市伝説の女」。また、本作は長澤が初の刑事役に挑んだ作品でもある。
長澤が演じる音無月子は、警視庁捜査一課丹内班に配属された新人刑事。都市伝説に関する幅広い知識を持つ筋金入りの都市伝説オタクで、性格はいたってマイペースだ。
様々な事件に都市伝説が絡んでいるという考えを持ち、それが否定されると捜査方針に逆らってでも捜査を進めてしまう悪いクセがある。例えば、第2話の大邸宅で起きた殺人事件。発見された被害者の帯留めを見た音無は世界的に有名な"呪いのホープダイヤモンド"だと断言するも、丹内市生(竹中直人)はアリバイのない3兄弟と家政婦を含めた5人の中に犯人がいるとにらむ。納得できない音無は、同僚の勝浦洋人(溝端淳平)を巻き込んで勝手に捜査を展開していくといった具合だ。
またその捜査方法は破天荒そのもの。「利用できるものは利用する」というモットーから、自らの美貌を武器にしたお色気捜査もお手の物。ちなみに勝浦はそんな音無の美貌に魅了され利用される、悲しき被害者の1人でもある。
コメディエンヌという長澤の新しい一面を引き出した「都市伝説の女」。今や大女優となった彼女の魅力を語る上で、必ず見てほしい作品だ。
文=安藤康之
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