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当時25歳の松嶋菜々子が研修医を熱演!江口洋介演じる指導医と織りなす人間ドラマにも注目の「救命病棟24時」

2024.8.6(火)

江口洋介と松嶋菜々子という1990年代の芸能界を牽引した大スターが共演を果たしたドラマが、1999年放送の「救命病棟24時」だ。

当時25歳の松嶋菜々子が研修医を演じた
当時25歳の松嶋菜々子が研修医を演じた

物語の舞台は、大都市のど真ん中にある大病院の救命救急センター。命を巡るドラマが連日連夜繰り広げられている「いのちの戦場」で、研修医として働くことになった小島楓(松嶋)。クリスマスイブの夕方、偶然通りがかった工事現場で起きた事故の被害者に付きそう形で、楓は救急車に乗って職場に初出勤することに。そんな彼女に冷たく当たる救命医師・進藤一生(江口)が、自分の指導医になると知った楓は戸惑いを覚える。しかし、彼女の不安をよそに、センターには次から次へとさまざまな患者が運ばれてくる...。

当時25歳の松嶋が演じたのは、医者としては新米かつ半人前の研修医・楓。互いに仕事で立て込んでいても励まし合える関係の恋人もいて、公私ともに充実している女性を、ナチュラルメイクとシンプルなファッションで体現している。

そして江口が演じているのが、クールで現実主義な天才医師・進藤一生だ。初めての救急車同乗で混乱する楓に進藤が、「医師免許持っているだけで役立たずの研修医なんかしゃしゃり出てくるな」と一蹴するという強烈な初登場シーンで、江口は強く鋭い声だけで救急医という仕事の過酷さを表現。本作が骨太の医療ドラマだということを視聴者に鮮やかに印象づけた。

楓に「救急車をタクシー代わりに出勤した研修医」というレッテルを貼った進藤と、「すぐに罵倒してくる、冷たく放任主義の指導医」と進藤に反感を抱く楓。初対面から反発し合う2人の関係は、その後、親子心中に巻き込まれた幼い女の子に父の死を告げなければならないという過酷な状況に置かれ、涙を流してしまう楓を進藤が「お前は救命救急医失格だ」と冷たく突き放したことで、最悪の状態となる。このシーンでは、徹底した無表情を貫く進藤と、声を荒らげ、涙を流しながら感情的に進藤に歯向かう楓という対比を、息の合った演技で江口と松嶋が見事に作り上げている。

しかし、楓の高校時代の同級生・良子(鈴木砂羽)が、自宅のバスルームで手首を切って意識を失っているところを楓が発見し、進藤に電話で助けを求めたことから、2人の関係は一転する。友人の死を目前に泣きじゃくる楓に、進藤が「お前は医者だろ」と声をかけた瞬間、楓は研修医である自分の立場を自覚し、状況を的確に報告し、心臓マッサージを始める。この場面で描かれる楓の覚醒を、松嶋は文字通り熱演。そして、無事に救命救急センターで治療を受けることができた良子のカルテ一式を楓に渡し、「お前の担当患者だ」と、医師として認めているという態度を示す進藤。彼らの間柄が「互いに認め合う先輩と後輩」に変化したことを、穏やかな微笑みひとつで表現した江口の演技力にも圧倒されるはずだ。

楓に憧れを抱く新人看護師の桜井ゆき(須藤理彩)や、落合雅人(沢村一樹)、堺慎一(杉本哲太)といった先輩医師など、楓と進藤を取り巻く個性豊かな登場人物が織りなす物語や、進藤が抱える大きな問題が少しずつ明かされていくなど、重厚さを増していくストーリー展開からも目が離せなくなるはず。

2024年2月に、24年ぶりとなる地上波再放送が実施され、ドラマファンの間で大きな話題を呼んだ本作。第5弾までシリーズが制作されるなど、圧倒的な人気を誇った医療系ヒューマンドラマの魅力を、松嶋菜々子と江口洋介の演技の掛け合いにも注目しながら、ぜひその目で確かめてほしい。

文=中村実香

放送情報【スカパー!】

救命病棟24時 第1シリーズ
放送日時:2024年8月21日(水)12:10~
チャンネル:フジテレビTWO ドラマ・アニメ
※放送スケジュールは変更になる場合がございます