最新作も韓国で大ヒット! マ・ドンソクがコワモテ刑事を熱演する「犯罪都市」シリーズ
2023.7.24(月)

■庶民派のスーパーヒーロー、マ・ソクトが悪党をなぎ倒す!
ハリウッドにマーベルがあるように、韓国にはマ・ドンソクがいる。そんな、ちょっとありえない比較をしたくなるほど、現在の韓国映画界において彼の存在感は圧倒的だ。唯一無二の体格と親しみやすい笑顔で観客を引きつけるマ・ドンソクは俳優としてだけではなく、プロデューサーとしても力を発揮。特に2017年に第1作が発表されて以降、第3作まで作られている「犯罪都市」シリーズは、「観客の劇場離れ」が深刻な問題となっているコロナ禍後にあっても変わらず支持を集めている。

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2004年にソウルで実際に起きた事件をモチーフにした「犯罪都市」は、暴力組織同士の抗争が続く都市の警察に所属する刑事マ・ソクト(マ・ドンソク)と、中国から新たに乗り込んできた犯罪組織のリーダー、チャン・チェン(ユン・ゲサン)との対決を描く。見どころは「悪い奴は殴られないと!」が口癖のソクトが見せるパワフルでスピーディなアクション。丸太のように太い腕だけで悪党たちをなぎ倒していく姿は、爽快そのものだ。この作品がその後、シリーズものとして確固たる人気を得ていったのも、庶民的でありながらも無敵のスーパーヒーロー、マ・ソクトを生み出したことが大きな理由だろう。

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マ・ソクトを演じているマ・ドンソクは2004年の「風の伝説」でスクリーンデビューして以来、主に腕っぷしの強い暴力団員または刑事といった役柄を演じてきた。アクションやサスペンスが多い韓国映画の中に数多く登場する「体格がよくて怖い人」の一人だったが、出演作品の数が増えるにしたがって、その類まれな個性が輝き始める。「隣人-The Neighbors-」(2012年)や「グッバイ・シングル」(2016年)といった作品で外見とのギャップを生かした意外性のあるキャラクターで観客を驚かせた後、記録的なヒットとなった「新感染 ファイナル・エクスプレス」(2016年)では、謎のウイルスに感染した乗客たちが次々とゾンビ化していくなか、人々を腕一本で守る男を好演。その勇姿は日本のファンをも魅了し、映画雑誌「映画秘宝」の恒例企画「ベスト&トホホ10」のベスト・ガイ部門の第1位にも選ばれた。腕力は並外れているものの、身重の妻には頭が上がらないという設定も愛らしく、この作品以降、韓国では「マ+ラブリー」を略した「マブリー」という愛称が定着している。こうした成功を受けてマ・ドンソクは「映画界に入った頃からの夢だった」という製作にも関わるようになっていく。
「犯罪都市」シリーズのもう一つの魅力は、マ・ソクトの前に立ちはだかる強烈な悪役たちだ。「犯罪都市」では、アイドルグループgod出身で「マルモイ ことばあつめ」(2019年)などでは善良なキャラクターに扮してきたユン・ゲサンが、残酷な行為を楽しむような悪党チャン・チェンを鬼気迫る演技で見せた。また、彼の右腕であるソンラクを印象的に演じたチン・ソンギュが青龍賞で助演男優賞を受賞するなど、助演俳優たちの活躍も目立った。
■スケールも悪役もパワーアップした興奮必至の第2作!

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2022年5月に韓国で封切られた第2弾「犯罪都市 THE ROUNDUP」は、前作から4年後が舞台。ベトナムで逮捕されたある事件の容疑者を引き取りに上司と共に現地に向かったソクトが、そこで凶悪犯罪を重ねていた韓国人カン・ヘサン(ソン・ソック)と遭遇。さらに韓国へと移動したヘサンを追って帰国し、同僚たちと共に彼を追い詰める。

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前作でおなじみとなった刑事ソクトがベトナムでも大暴れするだけでなく、上司でありながら彼に頭が上がらないイルマンとの軽妙なやりとりで笑わせ、同僚とのチームワークも抜群。容疑者から証言を引き出すため監視カメラを隠した「真実の部屋」で行う尋問など、前作に登場した設定も引き継がれ、シリーズものとしての楽しさがたっぷりと詰まっている。さらに、チャン・チェンをも上回る残忍さを発揮するカン・ヘサンを、公開時に放送されていたドラマ「私の解放日誌」で時の人となっていたソン・ソックが演じたことも人気に拍車をかけた。アクションシーンの撮影を工夫してレイティングを「青少年(18歳未満)観覧不可」から「15歳観覧可」へと変更し、観客層を広げたこの作品は、2019年5月に封切られた「パラサイト 半地下の家族」以来の観客動員1000万人を達成した。

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さらに、今年5月に韓国で公開された「犯罪都市3」の観客数も7月1日に1000万人を突破。1と2のホームグラウンドだったクムチョン署を離れ、ソウル広域捜査隊の所属となったマ・ソクトが、新たな仲間たちと共に麻薬に関連する捜査を開始する。注目の悪役は2人に増え、麻薬の密輸を行うチュ・ソンチョルを「野球少女」(2020年)のイ・ジュニョク、日本からやってくる組織暴力団員リッキーを青木崇高が演じている。
「犯罪都市3」の成功に合わせ自身のインスタグラムに感謝の言葉を記したマ・ドンソクは、「8年前、小さな部屋で、現実的に作れるのかどうかもわからないこの映画の企画を始めました」と、シリーズの出発点を回想。彼の思いが込められた「犯罪都市」シリーズはすでに「〜4」の撮影を終えており、現在は「〜5」と「〜6」のシナリオを開発中であることを思うと、なんとも感慨深い。次々と作られていく続編を観る前に、まずは伝説のキャラクター、マ・ソクトの誕生から楽しんでみてほしい。
文=佐藤結
佐藤結●映画ライター。韓国映画やドキュメンタリーを中心に執筆。「キネマ旬報」「韓流ぴあ」「月刊TVnavi」などの雑誌や劇場用パンフレットに寄稿している。共著に「韓国映画で学ぶ韓国の社会と歴史」(キネマ旬報社)、「作家主義 韓国映画」(A PEOPLE)などがある。
放送情報
犯罪都市
放送日時:2023年8月11日(金・祝)19:45~
犯罪都市 THE ROUNDUP
放送日時:2023年8月11日(金・祝)22:00~、26日(土)9:30~
チャンネル:スターチャンネル1
犯罪都市 THE ROUNDUP[吹]
放送日時:2023年8月7日(月)21:00~、20日(日)9:45~
チャンネル:スターチャンネル3
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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