雨宮天が10周年のアニバーサリーツアーを完走!涙声でファンに感謝を届ける
2024.7.15(月)
「七つの大罪」「この素晴らしい世界に祝福を!」「彼女、お借りします」などで知られる声優・雨宮天。今年8月でアーティスト活動も10周年を迎える雨宮によるライブツアー「LAWSON presents 雨宮天 Live Tour 2024 "Ten to Bluer Sky"」の千秋楽が、6月23日に東京・立川ステージガーデンで開催された。
アーティストデビュー10周年を飾る4thアルバム「Ten to Bluer」を引っ提げての今回のツアー。カードや椅子、階段など、アルバムのジャケットにも用いられたモチーフを取り入れたステージの中央に設置された階段の最上部に雨宮が登場すると、「青き民」と呼ばれるファン達が青いペンライトを掲げ、大きな声援を送る。キラキラと光る銀色のトップスと黒のフレアパンツの衣装で、10年間歌い続けてきたデビュー曲「Skyreach」を力強く歌い上げ、続く「JACKPOT JOKER」では一転し、小悪魔的なキャンディボイスを披露。楽曲ごとに異なる世界観を声で表現するという、雨宮だからこそ可能なエンターテイメントで会場を魅了した。
「今日はみんなで最高の一日を作っていこう!」と呼び掛け、観客にコールとクラップを求めてのロックンロール「BLUE BLUES」の後は、この日最初のMCへ。「千秋楽といえど、10周年のお祭りだし、みんなとの大事な時間でもあるので、雑談もいっぱいしていきたいなと思います」と切り出した雨宮は、「私は公園が大好きな赤ちゃんなので」と自己紹介をしてから、会場から程近い国営昭和記念公園を友人と訪れた際のエピソードを紹介。花をみて俳句を詠んだり、紅葉狩りやお団子を食べたりと有意義に過ごしたと笑顔で語った。
「私にとってこの10年の中でも大きな挑戦であり、そしてみんなの大好きな曲を歌いたいと思います」と告げてから、彼女がヒロイン・氷室菖蒲を演じたTVアニメ「理系が恋に落ちたので証明してみた。」のオープニングテーマ「PARADOX」と、同アニメ2期オープニングテーマ「Love-Evidence」を続けて披露。「the Game of Life」では、パワフルな歌声と共にダンサーとキレのあるパフォーマンスを、雨宮が作詞作曲を手がけた「情熱のテ・アモ」では大人っぽい表情を見せ、アーティスト・雨宮天の底知れぬ才能と表現力を感じさせた。
その後のバラードコーナーには、4thアルバムのジャケットでも印象的だったボリューミーなオーガンジーのロングスカートと白いトップスの衣装で登場。「月灯り」「羽根輪舞」を歌い上げた。彼女が作詞作曲したドラマチックなナンバー「火花」では、タイトルを連想させるフリルが印象的な真紅のロンググローブをまとい、ビッグバンドジャズテイストの「irodori」では間奏部で雨宮がスカートを取り去って、白のショートパンツ姿へと早変わり。そして「風燭のイデア」では、イントロでダンサーが雨宮に和服テイストの衣装とジャケットを身につけさせ、次々と変わる衣装の演出で会場を沸かせた。
疾走感溢れるロックナンバー「Fireheart」や、セクシーでスリリングな歌謡ロック「VIPER」など、多彩なサウンドをパワフルに歌い上げた後、雨宮は青いペンライトを掲げる観客に向かい、「みんなが作ってくれた青い光と共に、さらに青く突き進んでいく。その決意を込めて、残ってるものを全部出して歌います」と宣言してから、ドラマチックなロックナンバー「衝天」を絶唱。会場をこの日一番の熱気で包み、ステージを後にした。
客席から沸き上がるアンコールの声に応え、ツアーTシャツとグレーのワイドパンツに着替えて再びステージに現れた雨宮。会場の隅から隅まで感謝の気持ちを届けるように、客席に向かって大きく手を振りながら笑顔で「チョ・イ・ス」を歌い、「mellow moment」では、観客からのクラップと温かい歌声に思わず声を詰まらせる場面も。
そして、「私は声優というお仕事が年々すごく好きになっていって。今も昔もずっと一番憧れの職業。そんな私がアーティスト活動を始めることになった時に、歌でも演じたいなと思ったんですよね。曲という舞台があって、歌詞というセリフでいろんなキャラクターをアーティスト活動でも演じたいなという風に思っていて。それをずっと続けてきて、こうやって10年目を迎えられたんですけど、私の演じたいという気持ちがあって、その時々で演じてみんなに届けて、それをみんなが受け取ってくれたから、私はアーティスト活動でもこうやって大好きな声優が、大好きなお芝居ができているなと思います」と、涙声で感謝を伝えると、客席から大きな拍手が彼女に送られた。続けて「とても言葉では伝えきれないたくさんの気持ちを、次の曲に込めて歌いたいと思います。最後の曲です。大切な君へ」と告げてから、"青き民"に向けて雨宮が作詞作曲した「Dear Blue」を万感の想いを込めて歌い上げ、アニバーサリーツアーに幕を下ろした。
取材・文=中村実香
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