藤井聡太竜王・名人や現役最年少棋士・藤本渚五段が歴代記録まであと1歩。史上最高レベルの勝率1位争いとなった2023年度
2024.4.5(金)
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昨年の記事で紹介した将棋界における年度の最高勝率。1967年度に中原誠五段(当時)が記録した0.8545(47勝8敗)が史上最高記録だったが、2023年度はその記録に迫る棋士が二人も現れた。その戦いぶりを振り返ってみよう。
一人はやはりというべきか、前の記事でも記録更新の可能性があると名を挙げた藤井聡太竜王・名人。本来は予選を多く戦う若手棋士が記録しやすい高勝率を、すべてのタイトル戦、そして一般棋戦決勝を戦った上で出したのだから恐るべきことだ。
2023年度の藤井の勝率は0.8519(46勝8敗)となった。先述した中原の記録には惜しくも届かなかったが、歴代2位だった2011年度の中村太地五段(当時)の0.8511(40勝7敗)を抜いて2番目の記録となった。9月以降のタイトル戦での対局は負けなしだったものの、銀河戦、朝日杯、NHK杯といずれも決勝で後手番となり敗れたのが痛かった。2月の朝日杯、NHK杯の敗戦で記録更新の可能性がなくなっていた。だが、最高のステージでこの記録を出したのだから、来年度以降も記録更新の可能性は十分にあるだろう。
なお、全冠制覇を成し遂げた1995年度の羽生善治七冠(当時)の勝率は0.8364(46勝9敗)。こちらも素晴らしい記録だったが、藤井は八冠かつ勝率も上回った。今期で歴代トップ10のうち、藤井の記録が5年分入り半分を占めることになった。
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⒞囲碁・将棋チャンネル
もう一人は現役最年少棋士の藤本渚五段。四段になったのは2022年の10月のため、2023年度が実質的な初年度となった。そこからは大活躍で加古川青流戦で優勝、順位戦でもC級1組へ昇級、王位リーグや王座戦本戦にも入って奮闘中だ。勝率は0.8500(51勝9敗)。痛かったのは新人王戦の決勝三番勝負第3局で、勝ちに近付いた局面からの大逆転負けだった。結果的にはこの1敗で新人王を逃すだけでなく、最高勝率も逃している。3月まで可能性はあったが、王位リーグで佐々木大地七段に敗れて記録更新の目がなくなった。
藤本の今2023年度の記録は①中原誠②藤井聡太③中村太地に次ぐ歴代4位の記録。年度の勝率としては藤井がわずかに上をいき、2023年度の勝率1位賞は藤井となった。戦うステージが上がっていく2024年度以降はより勝つのが大変になっていく。この成績で勝率1位賞を取れなかったのは不運というほかない。勝率は厳しくとも上位に行くことは間違いないので、次はタイトル挑戦に期待したいところだ。
文=渡部壮大
放送情報【スカパー!】
連日一挙放送 藤井聡太特集
放送日時:4月16日(火)~4月30日(火)10:00~
放送チャンネル:囲碁・将棋チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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