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鈴木亮平、賀来賢人らが抜群のチームワークで過酷な撮影に臨んだ劇場版「TOKYO MER~走る緊急救命室~」

2023.12.23(土)

ごく普通の社会科教師が、廃部寸前の弱小野球部と共に"下剋上"を目指すさまを描き出したTBS日曜劇場「下剋上球児」が最終回を迎えたばかりの俳優・鈴木亮平。そんな鈴木が、ドラマ「半沢直樹」「VIVANT」など、注目のドラマを続々と輩出するTBS日曜劇場枠で初主演を果たしたのが2年前のこと。それが2021年7月期のTBS日曜劇場枠で放送された「TOKYO MER~走る緊急救命室~」だった。

"けっして死者をひとりも出さない"ことを信条に、危険極まりない重大事故・災害・事件の現場に駆けつける救急救命のプロフェッショナルチーム「TOKYO MER」のメンバーたちの命がけの姿が大きな話題を集め、ドラマは高視聴率を記録。コンテントアジア賞でベストアジアドラマ部門最優秀賞を受賞するなど国内外で高い評価を受けた。
そんな心優しきチーフドクターを演じる一方で、同ドラマが放送中の8月には、バイオレンスアクション映画「孤狼の血 LEVEL2」で最凶で残虐な暴力団組長を怪演した鈴木。その振り幅の広さも観客の度肝を抜いた。

ドラマの好評を受けて、2023年4月には劇場版「TOKYO MER~走る緊急救命室~」を公開。動員340万人、興収45億円を突破する大ヒットを記録した同作が早くも1月にWOWOWにて放送される。劇場版で描かれるのは横浜ランドマークタワーにて起こった爆発事件で、地上70階に取り残された193名を救うために「TOKYO MER」のメンバーたちが駆けつける。しかし危険を顧みずに救助活動を行おうとする喜多見(鈴木)たちに対し、厚生労働大臣が新設した「YOKOHAMA MER」の医師・鴨居友(杏)は安全な場所で待つべきだと反論、意見が対立する...。

鈴木亮平が主演を務める「劇場版 TOKYO MER」
鈴木亮平が主演を務める「劇場版 TOKYO MER」

(C)2023『劇場版 TOKYO MER』製作委員会

バスの横転事故や鉄骨落下事故、トンネル事故など、テレビドラマとは思えないほどのスケールで描かれたドラマ版の撮影を振り返ったキャスト陣は、インタビューなどで口々に「過酷だった」と語っていた。しかし、撮影が過酷であるがゆえに、スタッフ陣、キャスト陣のチームワーク、団結力は強固なものになった。そんな中で、映画版の撮影はドラマ版のクランクアップからおよそ1年後に行われたが、そのブランクを感じさせないくらいのチームワークの良さがスクリーンに映し出されている。

「コロナ禍で未知のウイルスに挑むすべての医療従事者へのリスペクトとエール」を送るべく企画が立ち上がった本シリーズ。その時点で、「劇場版を作れるくらいのスケールの大きなドラマ」という共通認識が確認されていたということもあり、本ドラマが映画化されるのは必然だったように思える。
そんなドラマシリーズを映画化するにあたり、どのように描くべきかと悩んでいたという松木彩監督に対して、鈴木は「(撮り方は)ドラマ版と変えない方がいいと思います」と進言したという。そしてその言葉を受けて、松木監督も「すべてのシーンにワクワクするポイントをつくる」というテーマをもとに、「テレビシリーズと撮り方は変えない」というスタンスで挑むことを決意した。

本作は横浜フィルムコミッションによる撮影支援のほか、横浜市消防局が全面協力。スケールの大きな映像に寄与している。また、劇中には、炎に包まれるビルの非常階段で、取り残された人々を救出に向かう「TOKYO MER」チームの死闘が胸を打つ。このシーンは、実際の横浜ランドマークタワーの非常階段を使用することはできないため、倉庫の階段を非常階段に見立てて撮影がされた。だが、真夏に行われたというこのシーンの撮影は、クーラーもなく、実際の炎が燃えさかる中で実施。俳優だけでなく、カメラマンや照明などのスタッフも灼熱の階段を何往復もするという過酷な状況だった。

同シーンは、今年春に横浜で行われた同作の完成報告会見の場で、キャスト陣から「これまでの仕事で一番大変だった」と語られるほどに壮絶、かつ迫力のシーンだった。だが鈴木自身は「僕は大変であればあるほど楽しいんです。これぞ『MER』という感じでしたね」と涼しい顔をしていたのが印象的だった。まさにストイックな俳優・鈴木ならではのエピソードだと言える。

文=壬生智裕

放送情報【スカパー!】

劇場版「TOKYO MER~走る緊急救命室~」
放送日時:2024年1月6日(土)20:00~
チャンネル:WOWOWシネマ

放送日時:2024年1月7日(日)10:00~
チャンネル:WOWOWプライム
※放送スケジュールは変更になる場合がございます