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姉から「女子の本音」を教わる弟は杉野遥亮のはまり役!ナチュラルな末っ子キャラに癒やされる「僕の姉ちゃん」

2023.12.19(火)

「僕の姉ちゃん」(ファミリー劇場)
「僕の姉ちゃん」(ファミリー劇場)

人気俳優・杉野遥亮の実年齢は現在28歳。しかし、なぜかいまだに「末っ子キャラ」のイメージが強い。例えば映画「東京リベンジャーズ」シリーズでは自分より年下の今田美桜の弟役を演じているし、2023年の大河ドラマ「どうする家康」でも海千山千のベテラン武将が多い三河家臣団の中で若手である榊原康政を演じていた。

そんな杉野の弟キャライメージを決定づけたのが黒木華との共演作「僕の姉ちゃん」。女性誌に連載された益田ミリの漫画を女性監督の吉田善子がドラマ化し、2022年に初放送された1話約30分の連続ドラマだ。

「僕の姉ちゃん」で共演する杉野遥亮と黒木華
「僕の姉ちゃん」で共演する杉野遥亮と黒木華

(C)テレビ東京

神奈川県の江ノ電鵠沼駅近くにある白井家の姉・ちはる(黒木)と弟の順平(杉野)は、両親が海外赴任でいない間、2人だけの生活を送ることに。姉弟といっても7歳ほど年が離れており、姉のちはるは30代のキャリアある会社員で、仕事でも中堅どころになっているし、ユーモラスなトークもできる。それに対して順平は冷凍食品メーカーの新入社員で、まだまだ半人前。そんな2人が、住み慣れた自宅ではリラックスしながら、日々の暮らしや人生について語り合う。

(C)テレビ東京

自然と姉が弟にアドバイスをする流れになり、特に女性心理や男女の機微に疎い弟をからかいつつも、これまではあまりしなかった恋愛の話などもするようになる。弟には会社に気になる同期の女性がいて、姉にも何人かデートをする男性が現れるが、2人ともなかなか安定した関係を築ける相手には巡り会えずにいるというのもリアルだ。

順平は、そもそも原作漫画の段階で「こんな弟がいたら癒やされそう」というイメージで描かれたキャラクターで、とても素直な性格だ。姉がビールを飲みながら「取引先にいけすかない女がおる」と仕事の愚痴を言ったり、「女がデートに本気かどうかは、指のムダ毛を処理しているかで分かる」と赤裸々トークをしたり、「"妻"にはなっても"嫁"にはならん」と言ったりするのにも、逃げたりせず律儀に付き合う。23歳ぐらいの男性が女性に抱いていそうな幻想を、姉から容赦なく打ち砕かれていく様が笑いを誘う。しかし、順平は、そんな姉との暮らしをひそかに気に入っているのだ。

(C)テレビ東京

杉野はそんな順平をリアルにいそうな青年として、わざとらしくなくナチュラルに演じている。辛辣な批評家のような姉の発言に思わず笑ってしまう表情はとても自然だ。昔のホームドラマのように姉と弟で食卓を囲む場面が毎話あるが、演劇界でも高い演技力を認められている黒木を相手に、セリフを交わし、ちゃんと芝居を成立させられるのも、なかなかできることではない。
一方、思いを寄せる同期の女性と映画デートをしたりカフェに行ったりするシーンでは、繊細な演技を見せる。考えていることが分かりやすい順平を演じる表情は実年齢より若く見え、とてもキュートだ。

2023年はゴールデン・プライム帯の連続ドラマで初主演となる「ばらかもん」、草なぎ剛との共演作「罠の戦争」などに挑戦した杉野遥亮。今後は弟キャラを脱却していくのか、どんな役柄を演じていくのかが楽しみだ。

文=小田慶子

放送情報【スカパー!】

僕の姉ちゃん 一挙放送
放送日時:2024年1月3日(水)19:05~
チャンネル:ファミリー劇場
※放送スケジュールは変更になる場合がございます