まさに眼福!早乙女太一の"カッコよさ"てんこ盛りのドラマ「封刃師」
2023.10.18(水)

さまざまな作品で比類なき存在感を示し、役者としても脂が乗っている早乙女太一。早乙女といえば大衆演劇の劇団員の両親のもとに生まれ、4歳の時に初舞台に立った"演劇界のサラブレット"で、北野武監督の作品をはじめ、数々の話題作に出演。その才能を遺憾なく発揮している。
早乙女の魅力といえば、やはり殺陣。そしてクールで涼やかな目元と奥に宿る意志の強さを表す眼光、どこか儚げに映る体にまとった陰のある雰囲気etc....と枚挙にいとまがない。だが、そんな早乙女の魅力がマルっと楽しめる"眼福"作が11月4日(土)より時代劇専門チャンネルで放送されるドラマ「封刃師」(2022年)だ。
同ドラマは、人の心に溜まった闇が作り出す"穢刃(けがれやいば)"を唯一封印できる"封刃師"の青年の宿命を描いたミステリアスなオリジナルアクション活劇。早乙女は、過去に心の傷を負いながら"封刃師"として育てられ、人知れず世の中を"穢刃"から守る御沙神駆を演じている。

"封刃師"は、手にした者が魂を刃に吸い取られてしまいむやみに殺戮を繰り返す"穢刃"に対し、穢刃を封印できる鞘を持って戦い、刀を収めることで封印する。そのため、毎回繰り広げられる超絶な殺陣が作品の大きな見どころで、早乙女の代名詞といえる殺陣が存分に楽しめる。早乙女の殺陣は、動きの速さや大きさだけでなく、姿勢の美しさ、動きと動きのつなぎの流麗さ、そして何より動き終わりの"止め"でのカッコよさが段違いで、「"魅せる殺陣"というのはこれか!」とまばたきするのも忘れて見入ってしまうほど。鞘の扱い一つ取っても、握り直したり、一度振って構えたりと、ふとした何気ない仕草も全てがエンターテインメントに彩られている。1話30分という短い時間の中でも、アクション部分はしっかりと描かれているため、視聴者の痒いところにも手が届くような演出もにくい。
また、言葉が少なく寡黙な駆が早乙女の雰囲気にフィットしていて、SFものでありながら説得力を持たせている。深川麻衣演じるなぜか"穢刃"が見えてしまう週刊誌記者・美緒を煩わしく思いながらも気に掛ける様子や目を合わさずぶっきらぼうな言い回しで優しさあふれる言葉をかけるところなど、クールで不器用なところが早乙女のイメージとの親和性が高く心をわし掴みにされる。
そして何より、物語が進むことで明かされる駆の抱く心の傷や"穢刃"を封印するたびに身に穢れを溜め込み、いつかは相棒に斬り殺される宿命を抱えながら穢刃の封印に勤しむ姿を切なさと儚さを纏わせて演じており、役者としての繊細さも感じさせてくれる。
力強さと美しさを兼ね備えた迫力満点の殺陣、陰のあるキャラクターとのフィット感、抱えた闇を押し込みながら戦い続ける切なさと葛藤を表現した繊細な芝居。「見れば早乙女太一を好きになること間違いなし」と太鼓判を押せる必見の作品だ。
圧倒的な存在感と美しさ、危なさ、禍々しさ、怖さなどまさに"研ぎ澄まされた刃"のような早乙女太一の魅力を堪能してほしい。
文=原田健
放送情報【スカパー!】
封刃師
放送日時:11月4日(土)スタート毎週(土)23:00~(※2話連続放送)
放送チャンネル:時代劇専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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