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大杉漣の演技に笑って泣いてほのぼのする!6人の名優が集ったドラマ「バイプレイヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~」

2023.10.10(火)

「バイプレイヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~」(ファミリー劇場)
「バイプレイヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~」(ファミリー劇場)

「バイプレイヤーズ」とは、映画やドラマ、舞台などにおける「脇役」のこと。その言葉をタイトルに冠し、まさに名脇役と呼ばれる俳優を集めて制作されたドラマが「バイプレイヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~」だ。

本作が放送されたのは2017年。大杉漣、田口トモロヲ、遠藤憲一、光石研、松重豊、寺島進と、6人の著名な俳優が出演。役者としての心構えや苦悩が語られたり、芸能界ネタも満載で、役所広司、竹中直人、椎名桔平ら豪華ゲストの出演もあったりと、映画やドラマ好きにはたまらない作品となった。

「バイプレイヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~」に出演する大杉漣
「バイプレイヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~」に出演する大杉漣

(C)「バイプレイヤーズ」製作委員会

ユニークなのは、皆がドラマ内における"自分"を役として演じていることで、演技ではなく素の御本人なのでは?と思えてしまうことも。それぞれの演技に味があって素晴らしいのだが、ここでは中心的な役割を持つ大杉漣について見ていこう。

物語は、中国の動画配信サイトからのオファーがきっかけで始まる。大杉ら6人の俳優に「七人の侍」のリメイクを作りたいと打診があったのだ。破格のギャラと、7人目の役者が役所広司と知り、彼と共演できることを理由に、6人は出演依頼を引き受けることにする。しかし、出演のためには"ある条件"を満たさなければならなかった。それは「役作りで絆を深めるために、シェアハウスで3か月間共同生活を送る」というものなのだが、実はこの6人は10年前に「バイプレイヤーズ」という映画で共演したことがあり、その時にさまざまな確執が生まれていた。仕事のためとはいえ、奇妙な共同生活がスタートする...。

(C)「バイプレイヤーズ」製作委員会

大杉は最年長であることや、館山の別荘をシェアハウスとして提供したこと、動画配信サイトの担当者・茉莉ことジャスミン(北香那)と仲が良いことなどから、皆のまとめ役的存在となる。役作りのために裸で寺島の部屋に入った田口を注意したり、同時に、怒り狂う寺島を「(田口は)一応先輩だぞ」と諌めたりする姿には、年長者らしい風格がある。

一方で、松重からメッセージアプリの使い方を教わって大喜びしたり、キーボードを一本指で打ったり、暴力団の幹部役を務めたこともある強面の大杉が、つい可愛く思えてしまうほのぼのシーンもある。また、食事中に騒ぐ皆に激高してテーブルを叩いたり、緊張して脇汗をかいた時には遠藤、寺島と息のあったギャグを飛ばし合ったり、5人の名優たちと暮らす中で、大杉はさまざまな表情を見せる。

そんな大杉だが、実は他の5人に隠していることがある。家のあちこちに監視カメラを仕掛け、皆の行動を見張っているのだ。その目的は物語が進むと明らかになるが、第1話のラストでモニターを見ながら「この中に、裏切り者がいる...」とつぶやく姿は、サスペンスっぽくてついニヤリとしてしまう。

大杉が言う"裏切り者"とは何を意味するのか?大杉に関するストーリーももちろんだが、キャラが被っていることから共演NGとされる遠藤と松重のもやもやした思い、共演した女性にすぐ惚れてしまう光石のスキャンダル、役の作り込みに余念がない田口とパッションが信条の寺島のぶつかり合いなど、それぞれの個性が強く実感できる各話の物語も必見だ。

大杉漣は残念ながら、本シリーズ第2弾の制作中にこの世を去った。しかし、俳優たちの等身大の演技が見られる本シリーズは多くのファンに愛され、ドラマは2018年放送の第2弾、2021年放送の第3弾まで、また2021年には映画も制作されている。その人気の原点となった本作で、大杉をはじめとする名優たちの演技を時に笑い、時に涙しながら楽しんでほしい。

文=堀慎二郎

放送情報

バイプレイヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~ #1
放送日時:2023年10月26日(木)23:50~
チャンネル:ファミリー劇場
※放送スケジュールは変更になる場合がございます