遂に八冠への挑戦が始まった藤井聡太の8月の対局を振り返る！

2023.9.6(水)

王座戦挑戦者決定戦の大熱戦を制し、ついに八冠を目指す戦いが始まった。竜王戦は同学年の伊藤匠七段が挑戦者となり、ライバル出現で白熱しそうだ。
※対局予定棋士の名前の後の()内は藤井から見た過去の対戦成績。
　
8月4日に第71期王座戦挑戦者決定戦で豊島将之九段と対戦。後手の豊島の趣向で力戦調の相居飛車持久戦に。藤井が鋭く攻めてペースを握り、押し切るかに見えたが混戦になる。それでも一度ははっきり抜け出し、勝ちに近付いたが珍しく終盤で明らかなミスが出て形勢混沌。あわや大逆転負けの可能性もあったが、最後はギリギリの手順で詰めろ逃れの詰めろが掛かり、二転三転の大熱戦を制した。これで王座は初挑戦。

8月15、16日に伊藤園お～いお茶杯第64期王位戦七番勝負第4局で佐々木大地七段と対戦。相掛かりとなり、互いに序盤から長考で遅い進行となる。中盤、藤井の飛車が負担になる展開で佐々木がリード。終盤は微妙に形勢が揺れ動いたが、最後は佐々木にきっちりと押し切られた。これで七番勝負は3勝1敗に。

8月22、23日に王位戦第5局で佐々木七段と対戦。横歩取りからじっくりとした展開になるが、互いに自陣角を打ち合って戦いが始まる。際どい寄せ合いとなった終盤戦で、藤井は玉の安全度を正確に計り、一手勝ちを収めた。これで七番勝負を4勝1敗とし、王位戦では4連覇を果たした。タイトルは通算17期目に。
　
8月31日に第71期王座戦五番勝負第１局で永瀬拓矢王座と対戦。角換わりから後手の永瀬の早繰り銀をカウンターで迎え撃つ展開に。藤井が自陣角からペースをつかむが、永瀬の粘り強い指し回しにいつしか混戦に。リードされてからの終盤も諦めずに攻め続けるが、巧みな受けの前に届かず。先手番を落とすスタートとなった。第2局は9月12日(火)に行われる。

第36期竜王戦七番勝負の挑戦者は伊藤匠七段に決定。同学年対決で、タイトル戦としては史上最年少の顔合わせとなる。第1局は10月6日(金)に開幕する。
　
第31期銀河戦本戦ブロックで前回優勝の藤井はHブロック最終戦に登場。その前には羽生善治九段らが控えており、勝ち上がってきた棋士との対戦となる。こちらは11月2日(月)の予定。
　
9月3日の第73回NHK杯将棋トーナメントで藤井は2回戦で出口若武六段(7勝1敗)と対戦し、これに勝利。

第44回将棋日本シリーズJTプロ公式戦、シードの藤井は2回戦で菅井竜也八段(8勝4敗)と対戦する。対局は9月9日(土)の予定。

ABEMAトーナメント2023はリーダーとして澤田真吾七段、齊藤裕也四段とともに予選Eリーグを1位で通過。本戦の二回戦ではチーム斎藤(斎藤慎太郎八段、黒田尭之五段、冨田誠也四段)と対戦する。
　
SUNTORY将棋オールスター東西対抗戦2023の開催が決定。西側唯一のタイトルホルダーである藤井は出場が決まっている。

文＝渡部壮大

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