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国会議員役の沢口靖子が「この国に笑顔の花を咲かせるため」大奮闘!新人議員の活躍と苦悩が見どころのドラマ「お花のセンセイ」

2023.7.11(火)

「ドラマスペシャル お花のセンセイ1」(テレ朝チャンネル1)
「ドラマスペシャル お花のセンセイ1」(テレ朝チャンネル1)

清廉な風貌と透き通った美しさ。優れた容姿はもちろん、卓越した演技力で揺るぎない存在感を見せつける女優・沢口靖子。

1984年に開催されたオーディション、第1回「東宝シンデレラ」でグランプリに輝き、同年公開の映画「刑事物語3 潮騒の詩」で女優デビューを果たした沢口。以降、映画やドラマはもちろん舞台やCMなどでも大活躍。「鉄道捜査官」シリーズや「警視庁機動捜査隊216」 シリーズなど代表作も多く、中でも1999年に放送が始まった主演ドラマ「科捜研の女」シリーズは20年以上続く長寿ドラマとなり、2021年にシリーズ初の劇場版が公開されたことは記憶に新しい。

国民的大女優とまで呼ばれる沢口だが、2020年には国会議員として国政に携わる女性を演じた。

凛とした姿で代議士を演じる沢口靖子
凛とした姿で代議士を演じる沢口靖子

(C)東映

2020年放送の社会派コメディミステリー「お花のセンセイ」で、沢口は代議士役に初挑戦。主人公の衆議院議員・鳳丸子役を演じる。丸子は日本全国に7万名もの門下生を抱える華道・鳳流の家元で、冒頭の政見放送では華道の先生らしくこう語る。「誰もが笑顔の花を咲かせられる国づくり。これが、私の公約です」。

容姿端麗で凛とした空気を放つ沢口だけに、国会議員という役柄も実にぴったりハマる。しかし丸子は、正義感に溢れるものの、生真面目で頑固な性格で、八嶋智人演じる政策秘書の幸田光喜らを振り回すこととなる。

(C)東映

物語の最初、幸田に新人議員の懇親会に誘われた時には、「血税で飲む必要あります?」とあっさり拒否。国民のために働く立場、という信念が伺える。また、移動中に突然、「新人の議員は、駅前に立ってご挨拶しますよね」と車を止めさせる。顔を広めるための"駅頭"だが、丸子は幸田らの制止も聞かず、ウキウキした様子で駅前に立つ。道行く人々に挨拶するだけでも、その姿と笑顔が輝いて見えるのはさすが沢口だ。

そしてこの駅頭がきっかけで、丸子は日本が抱える問題に足を踏み入れていくことになる。丸子の前に、ランドセルを背負った小学生・ダオが寂しげな様子で現れる。事情を聞くと、父のトランが会社でトラブルを起こして捕まってしまったらしい。しかしダオは、トランが無実だと信じているという。

「声を出せない人々の悩みをすくい取るのが政治家の役割」という思いを持つ丸子は、真相究明のために動き出す。トランの会社を訪ねたり、トランと面会したりと積極的に動く。しかし、これが裏目に出てしまい、新聞に悪しざまに書かれた上、何者かの罠で政治資金規正法違反の濡れ衣まで着せられそうになってしまうのだ。

苦境に陥った丸子は伏し目がちで、心に重い何かがのしかかっているのがよくわかる。幸田に「ここは、あなた1人の思いや理想だけで突っ走る場所ではありません!」ときつい言葉を投げかけられた時には、現実を思い知ったような、知らない場所で迷子になってしまったような、不安気で寂しそうな表情を向ける。

人々の前に凛として立つ姿、現実に打ちひしがれる姿。政治の世界に飛び込んだ丸子の思いと苦悩が、その演技によってひしひしと伝わってくる。同時に人々に尽くす丸子の姿を見て、「こんな政治家が本当にいてくれたら...」と思ってしまうのは、やはり沢口自身が持つ魅力と演技の力なのだろう。

子供の頃に父親を亡くした丸子を見守ってきた叔父・加持勘三(伊東四朗)の励ましや、幸田自ら明らかにした自身の過去、またそんな幸田とともに再び真相究明に乗り出すなど、物語は心に残るシーンと共に、終盤に向けて盛り上がっていく。

丸子は事件の真相を暴くことができるのか。日本の闇に光を当て、笑顔の花を咲かせることができるのか。国民的大女優が国民の代表である代議士となって活躍する姿を、ぜひ堪能してほしい。

文=堀慎二郎

放送情報

ドラマスペシャル お花のセンセイ1
放送日時:2023年7月24日(月)10:45~
チャンネル:テレ朝チャンネル1
※放送スケジュールは変更になる場合がございます