映画「緑の街」公開から25年...小田和正が制作秘話を語る「ライブのシステムを会場に持ちこんでやろう」
2023.6.5(月)
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オフコースのボーカルとして活躍し、1989年からソロ活動を本格化。1991年に「東京ラブストーリー」の主題歌「ラブ・ストーリーは突然に」がダブルミリオンを記録した後、楽曲はドラマ・CMなどに積極的に採用されるなどトップアーティストとしての地位を確立した小田和正。2023年4月に34枚目の最新シングル「what's your message?」をリリース、5月からは「Kazumasa Oda Tour 2023 こんどこそ、君と!!」ツアーで全国のアリーナでライブを開催するなど、トップ・アーティストとして精力的に活動を続けている。
ホームドラマチャンネルでは、6月・7月に「小田和正 セレクション」として、映画「いつか どこかで」で初監督を務めた小田が、その時の実体験を元に再びメガホンをとった監督作映画の第二弾「緑の街」や映画のメイキング、ライブツアー「Kazumasa Oda Tour 2019 ENCORE!! ENCORE!!」より2019年6月27日に行われたさいたまスーパーアリーナ公演のライブ映像、人気ドキュメンタリー番組「情熱大陸」で女優の井上真央が初ディレクションし、彼女の視点からの小田を映し出した放送回などを放送予定だ。
今回、「小田和正 セレクション」の放送を記念し、小田にインタビューを敢行。映画「緑の街」について当時の制作秘話や見どころなどを語ってもらった。

――『緑の街』は公開から25年が経ってもまったく色褪せていない映画だと思います。25年経った今、小田さんにとってこの映画はどんな存在となっていますか?
「1本目の後、皆んなボクの実際にあった話をおもしろ可笑しく見たいんじゃないかと勝手に考えて一本目の時のドタバタを映画にしました。1本目がイヤと言うくらい叩かれたので必死でした」
――『緑の街』は通常の劇場公開とは異なり、シネマツアーという形で全国を回って上映されました。映画館のない街に住む人々に映画を観てもらう、という目的があったのだと思いますが、当時としては非常に斬新な試みでしたし、今でも機材を運んで全国で上映するという取り組みはなかなかないことだと思います。当時、どんな思いでこの方式を選択されたのか教えていただけますか?
「一作目を映画館でみた時、音に拘った積もりだったのに全く思うように行かなくてガッカリしました。で、次やるならライブのシステムを会場に持ちこんでやろうとあの形になりました。ちょうど映画の上映システムが変わって行こうとする境目でした。なかなかの冒険でした」
――主題歌にもなっている(劇中で主人公が歌う)映画タイトルと同じ「緑の街」は、先に曲ができてから、映画の物語・構想(脚本)が膨らんだのでしょうか?それとも映画の脚本が先で、その脚本をもとに曲を作られたのでしょうか?
「映画の中で曲を歌うシーンが出てくるから撮影の時には準備出来ていなければならなかった。とにかく出来るだけ早く曲に手をつけたいと思っていました。でも脚本を書いている段階で、楽器の前に座っていた記憶がない」

――当時、クセの強い役の多かった渡部さんの起用について「普通の人間の役がなかったからね。数少ないまともなシーンを見て夏目役が出来ると判断したんだ」とパンフレットの中で語られています。渡部さんのほかに中島ひろ子さん、泉谷しげるさん、河相我聞さん、尾藤イサオさん、大友康平さん、大江千里さん、武田鉄矢さん、林泰文さん、そして津川雅彦さんと錚々たる個性的なメンバーがキャスティングされました。キャスティングの経緯で今だから話せるエピソードや裏話はありますか?
「キャスティングは紆余曲折あったけれど、最終的には自分のイメージを優先させてもらいました。クランクインを半年遅らせて、脚本に時間をかけた分それぞれの役のイメージがハッキリしてました。渡部くんに初めて会った時突然『ボクこの役出来ますよ』と言ってくれてビックリしました。良く覚えています。何しろ配給会社を通さない自主上映形態だから、尾藤さんや津川さんなどベテラン始めみんなが 快く出演してくれてホントに嬉しかった」
――メイキング(「LIFE-SIZE 1997」)を見ると製作途中で様々なトラブルがあったようですね。一番印象に残っているトラブルは何ですか?逆に撮影中の楽しかったエピソードや、思い出として残っていることを教えてください
「トラブルはいっぱいあったと思うんだけれど思い出せない。思い出すのは楽しかったことばかり。撮影 が始まってしばらくして林くんが『監督、良い映画になりそうですね』と言ってくれた。みんなが映画 に前のめりになった。嬉しかった。仮タイトルにしていた『緑の街』に反対のスタッフがかなりいたようなので公募してみたら『映画』とか『ヨーイ、スタート!』などが出て来た。ヒット作なら『ヨーイ、スタート!』でもいいけれど、名作として残るなら『緑の街』だな、と押し切らせてもらった」
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――映画製作は資金の面だけでなく、なかなか思うようにいかないことも多いと思います。また映画を撮ってみたいですか?もし撮るなら「こんな映画を撮ってみたい」というものはありますか?
「撮りたいものがハッキリしていればとは思います。今撮ったらどんなことになるのか。あの頃、良く撮ったなと思います」
――最後に『緑の街』をまだ観ていないファンの方々に、映画の見どころとメッセージを一言お願いします。
「初めて『緑の街』を観ると言う経験はもう自分には出来ないのが残念です。どんな説明もなしで観てくれたらいいと思います」
文=HOMINIS編集部
放送情報
映画「緑の街」
放送日時:2023年6月11日(日)19:00~ ほか
映画「緑の街」メイキング『LIFE-SIZE KAZUMASA ODA 1997』
放送日時:2023年6月11日(日)21:15~ ほか
Kazumasa Oda Tour 2019 ENCORE!! ENCORE!! in さいたまスーパーアリーナ
放送日時:2023年6月25日(日)19:15~ ほか
情熱大陸 700回突破記念シリーズ 「井上真央が撮る小田和正」
放送日時:2023年7月2日(日)18:30~ ほか
チャンネル:ホームドラマチャンネル
※放送スケジュールは変更となる場合があります
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