「哲仁王后」以来となるキム・ジョンヒョンの復帰作！「愛の不時着」とはまた違った現代ロマンス「コクドゥの季節」で見せた1人2役

2023.3.31(金)

名実共に代表作となった大ヒット時代劇「哲仁王后(チョルインワンフ)～俺がクイーン！？～」(2020年)から約2年。韓国で3月24日に最終回を迎えたばかりの新作「コクドゥの季節(原題)」で待望のドラマ復帰を飾ったキム・ジョンヒョン。朝鮮時代の第25代王・哲宗を演じた「哲仁王后」とはガラリと印象を変え、"死神"と"医師"の1人2役を巧みに演じ分けている。

相手役ソ・ダヘとの"クダンカップル(ク・スンジュン＆ソ・ダン)"が大きな支持を集めた「愛の不時着」(2019年)に「哲仁王后」とヒット作への出演が続いたジョンヒョン。日本でもブームになった「愛の不時着」は言わずもがなだが、王妃役シン・ヘソンとのチャーミングなケミも好評だった「哲仁王后」も最高視聴率17.4％と、韓国では「愛の不時着」と並ぶ反響を叩き出した。

それだけに、ファンにとっても待望のカムバックとなった「コクドゥの季節(原題)」は放送前から話題性も十分。今年1月に韓国で行われた制作発表会(4月6日(木)にKNTVにて日本初放送)では、「今回の作品を撮影する中で、一緒に作品を作り上げている方々の努力が今までよりももっと見えてきた。いつも感謝しながら現場に向かっている」と、ジョンヒョン自身も熱くコメント。久しぶりのドラマ撮影に並々ならぬ意気込みを見せていた。

韓国放送から間を空けず、日本でも4月15日(土)よりKNTVで日本初放送される「コクドゥの季節(原題)」は、愛した女性を捜し続ける死神・コクドゥと女医・ケジョルの時空を超えた恋を描くファンタジー。コクドゥと、彼に憑依される医師・ジヌの2役をジョンヒョンが、相手役の明るくたくましい女医ケジョルをイム・スヒャンが演じている。

死神・コクドゥの正体は、遠い昔、"ソリ"という美しい女性と密かに想い合っていた武官のオ・ヒョン。政略結婚が決まった彼女を連れて逃げようとしていた矢先に殺され、"あの世"でソリを待ち続けるも神の怒りに触れ、死神コクドゥにされてしまった。しかもその呪いで、99年に一度この世で人間に天罰を下す宿命を負わされていた。ある日、外科医ジヌに憑依したコクドゥは、運命の指輪を持つ女性・ケジョルと出会う。

クールなジヌと傍若無人なコクドゥは、人柄も立ち振る舞いも正反対。さらにコクドゥ自身も複雑なキャラクターで、死神として犯罪者の命を奪う場面では冷酷で容赦ないが、ケジョルの言葉にはなぜか言われるがまま絶対服従、心は拒否していても体が言うことをきかない...そんなちぐはぐさがチャーミングで、コミカルな笑いを生む。

さらに2人の前世、オ・ヒョン(ジョンヒョン)とソリ(スヒャン)の悲恋も随所に登場。美しくシリアスな時代劇として描かれており、現代劇との対比もまた面白い。

これだけ場面ごとに異なるキャラクターが入り乱れると混乱しそうなものだが、ジョンヒョンは表情や声色、身体の動きまで巧みに使い分け、複雑な背景を持つコクドゥとジヌの2役を全くの別人として見事に表現。さらに歌唱力も抜群で、「哲仁王后」に続いて今作でも挿入歌「僕はね」でOSTにも参加し、優しい歌声を披露している。

宿命に翻弄されながらも思いを通わせ合うコクドゥとケジョルのもどかしい関係性はもちろんだが、「哲仁王后」のチェ尚宮役のチャ・チョンファとマンボク役のキム・イングォンがコクドゥに使える2人の半神オクシン＆カクシン役で登場し、コミカルな掛け合いを繰り広げているのも「哲仁王后」ファンには堪らないポイントだ。

2年ぶりのドラマ復帰でありながら、コミカルからシリアスまで、俳優としての幅の広さを存分に発揮し、改めてその実力を見せつけたキム・ジョンヒョン。4月5日の誕生日で33歳を迎えようとしている今、再起を遂げた彼の魅力をじっくりと堪能したい。

文＝酒寄美智子

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