堀未央奈、『女優めし』で確かめた現在地「慣れない自分を肯定できるようになった」
2025.3.30(日)

堀未央奈が主演を務めるドラマ『女優めし』は、実在する飲食店を舞台に、日々の食事を通して女優の素顔を描き出す異色作だ。セリフよりも「食べる」ことに重きを置いた本作で、堀が見せるのは飾らないまなざしと、噛みしめるような感情の余白。グループ卒業から約4年、女優として確かな歩みを重ねてきた彼女が「夢が叶った」と語るこのドラマは、食の温もりを通じて、静かに心に染み入る作品となっている。
そんな『女優めし』への思いと、作品を通して感じた女優としての成長を、堀自身の言葉で聞いた。

(C)藤川よつ葉・うえののの/集英社 フジテレビ
──『女優めし』は、実在するお店を舞台に、女優が日常的に"ご飯を食べる"様子を描く、少し変わった作品です。お話を聞いたとき、どんな気持ちでしたか?
「本当にずっと、『食べることがメインになるドラマに出たい』と思っていたので、まさに夢が叶ったなって。もともとグループ時代から『よく食べる子』みたいなイメージを持っていただいていたと思うんですけど、私自身、食べることが癒しでもあり、エネルギー源でもあるので、お芝居と食が組み合わさった企画はとても嬉しかったです」
──ずっと堀さんを見ていた側としてはようやくという気持ちも大きかったです
「そう言っていただけて嬉しいです。本当に、以前から『食べることが好き』というのは公言してきたので、それがこうして作品という形になったのは、すごく感慨深かったです。食事って、誰かと一緒でも一人でも、気持ちがすごく表れるものだと思うんですよね。このドラマでは、ただ食べるだけじゃなくて、そこにある空気感や感情、一人の時間を大切にしているところも魅力だなと思いました」

(C)藤川よつ葉・うえののの/集英社 フジテレビ
──実際の撮影では、料理を食べながら演じるシーンも多かったと思います。演じる上で意識したことはありますか?
「やっぱりおいしさが画面越しに伝わるようにしたかったので、リアクションや表情の作り方にはこだわりました。もちろん実際に全部ちゃんと食べているので、本当においしくて幸せな気持ちにはなってるんですけど、それをどう絵として届けるか。モニターで確認しながら、噛む回数やひと言のリアクションを微調整したりもしました」
──演技の中で食べるというのは実は難しいことでもあると思います。食べながら感情を見せる、というのはどんな感覚ですか?
「そうですね。食べることって、普段の自分ではすごく自然な行為なんですけど、カメラの前で"見られている"という意識が入ると、やっぱりちょっと違うんです。特に一人ご飯のシーンは、孤独さだったり、日常の温度感だったりが表情に出るので、感情のグラデーションをちゃんと演じないといけないなと思っていました。でも、どこかで作りすぎないことも大事にしていました。食べるシーンって、ちょっとした手の動きや間の取り方だけでも生活感が出ますし、その人らしさが見えるんですよね。だからこそ、撫子というキャラクターが、一人の人間としてご飯を食べているように見せたいなと。すごく繊細な作業でしたね」

(C)藤川よつ葉・うえののの/集英社 フジテレビ
──これまで登場したお店の中で、特に印象的だったお店や料理はありますか?
「浅草にある天国さんのホットケーキは、すごく印象に残っています。甘さ控えめで私好みの味だったんですけど、何より驚いたのが、ソーセージと一緒に出てきたこと。最初は『甘いものとソーセージ!?』ってびっくりしたんですけど、食べてみたらすごく相性がよくて。甘い×しょっぱいの組み合わせって、スイーツと食事の境界線をいい意味で壊してくれるというか。ホットケーキだけど、しっかりご飯として完結していて、新しい発見でした。そういう思いがけない出合いがあるのも、この作品の面白さだと思います」
──そもそも堀さん自身、普段から食べ歩きが好きなんですよね?
「はい。食べ歩きは趣味です(笑)。SNSやテレビで見た情報をチェックするのも好きですし、実際に自分の足で歩いて見つけることも多いです。『あ、なんか雰囲気がいいな』と思ったら、ふらっと入ってみて。仕事の合間とか、終わった後とかによく行くんですけど、気分転換にもなるんです」

(C)藤川よつ葉・うえののの/集英社 フジテレビ
──普段はどんな料理を食べるんですか?
「私はけっこうがっつり系が好きで、つけ麺、焼肉、ラーメン、にんにく......全部大歓迎です(笑)。男友達ともよくご飯を食べに行くこともありますし、食の好みでいうと、わりと男性寄りかもしれないですね。でも、女の子の友達にもラーメン好きは多いので、結構そういう話で盛り上がったりもします」
──お店選びの基準はありますか?
「値段と味のバランスですね。高級だから行くとか、安いからお得というよりも、その料理に対して納得できる価格であることが大事です。初めてのお店は、自分の目と舌でちゃんと確かめてから、リピートするかを決めます。レビューサイトも見ますけど、最終的には自分の直感で動くタイプです」

(C)藤川よつ葉・うえののの/集英社 フジテレビ
──グループ卒業から約4年。女優としてのキャリアを積み重ねる中で、ご自身の中で変わってきた部分はありますか?
「いまだに緊張もしますし、プレッシャーも感じます。でも、それがあるからこそ成長できている気がしていて。作品ごとに現場の雰囲気も人も違うし、毎回初めての出合いみたいな感覚なんですよね。だから慣れない自分を肯定できるようになりました。慣れてしまうと、それ以上のものを求めなくなってしまう気がして怖いんです。だからこそ、いつまでも新鮮な気持ちで現場に立ちたいなって。今回の『女優めし』も、セリフの量はそこまで多くないけど、感情の動きがすごく大事だったので、自分自身も改めていろんなことを学ばせてもらいました」
──今後、やってみたいジャンルや役柄はありますか?
「ホラーとアクションはもっとやってみたいですね。グループ時代にゾンビドラマに出演させてもらったことがあったんですが、卒業後はまだそういった作品に出ていないので、またチャレンジしたいです。アクションも、乃木坂46在籍中に一度経験していて、すごく楽しかったんですよ。体を動かすっていうのはエネルギーもいるけど、演技としての快感もあるというか。あとは、コメディです。今、『本日も絶体絶命。』というコント番組にも出させていただいてるんですけど、ちゃんと脚本のある作品の中でお芝居としての笑いをやってみたいです。普段の私って、わりと真面目に見られがちなんですけど、実はけっこう抜けてるところもあるので、そういうギャップも活かせたらいいなって思います(笑)」

(C)藤川よつ葉・うえののの/集英社 フジテレビ
──最後に視聴者のみなさんへメッセージをお願いします
「『女優めし』は、とにかくおいしいが詰まった作品です。どのお店も実在しているので、観たあとに『ここ行ってみたいな』と思えるリアルさがあるし、撫子の食べる姿を通して、自分の日常にも何か新しい視点が生まれるんじゃないかと思っています。お芝居の面でも、食事をするという何気ない行為を通して、感情や疲れ、喜びや孤独......いろんなものが伝わるような演出がされているので、そこにも注目してもらえたら嬉しいです。ご飯って、心のスイッチを切り替えてくれる、魔法みたいなものだと思うんです。仕事でちょっと疲れていても、美味しいものを食べると『また頑張ろう』って思えたり、誰かと食卓を囲むだけで気持ちが軽くなったり。『女優めし』が、そんな食の魅力を思い出すきっかけになってくれたら嬉しいです」
取材・文=川崎龍也
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