内野聖陽の人間力があふれ出す!型破りな検視官を硬軟使い分けた演技で魅せたドラマ「臨場」
2025.3.29(土)

4月期のドラマ「PJ ~航空救難団~」で主演を務めている内野聖陽。そんな内野が2009年に主演を務めた「臨場」は、映画化もされるなど人気シリーズとなった。
原作は「半落ち」、「クライマーズ・ハイ」などで知られる横山秀夫の小説で、内野が変死体の状況捜査を行う型破りな検視官、倉石義男を演じている。死体から事件の真相をひも解く1話完結型の飽きさせないストーリーもさることながら、「俺の仕事は死体の声を根こそぎ拾ってやることだ」というブレない信念を持ち、そのためなら捜査一課に歯向かうことも辞さない我が道を行く人間くさい生き方が強烈だ。そんな倉石のバックボーンにも触れられるのが本作の第1章であり、内野の硬軟を使い分けた芝居がさすがである。

(C)2009 横山秀夫/光文社・東映
■決め台詞は「俺のとは違うな」。内野演じる倉石はギャップも魅力

(C)2009 横山秀夫/光文社・東映
警視庁の検死官である倉石班の部下は検視補助官の小坂留美(松下由樹)と検視官心得の一ノ瀬和之(渡辺大)。要請が入ると事件現場に駆けつけるが、単独行動が多い倉石は遅刻常習犯。制服の上着をはだけ、キュウリをかじりながら現場入りする姿は見るからにアウトサイダーだ。が、現場で遺体に手を合わせ、スイッチが入ると、気にかかったことはどんな些細なことであっても追求していき、部下が中途半端な見立てをすると「どんなクソ人生でもコイツらにとっちゃ、たった1度の人生だったんだ。手抜くな!」と容赦なく怒鳴りつける。
第1話では地下室で倒れていた郷土史研究家の死をめぐって捜査一課管理官、立原真澄(高嶋政伸)と倉石の見解が異なり、「俺のとは違うな」とバチバチに。第3話では自転車置き場で発見された遺体の傷が右半身に集中していたことから、犯人は左利きだと判断し、ベテラン刑事が周辺で発見した不審者に持っていたトマトをいきなり投げる行動に出る。そんな野性味あふれる倉石だが、ベランダで野菜を育て、部屋の中の花々に「おはよ」と甘い声で話しかけ、セクシー作戦で情報を聞き出そうとする新聞記者の愛(金子さやか)にはデレデレ。そのギャップを内野が多彩な演技で魅せる。
■最終話は抑えていたものがあふれ出す内野の演技に感涙

(C)2009 横山秀夫/光文社・東映
花が咲き乱れる植物たちに囲まれるように立てかけられた女性の写真。倉石の過去にどんな出来事が起こったのか。17年前に起きた殺人事件の全貌が明らかにされるのが最終話だ。当初、検視官を出世の腰掛け的に捉えていた一ノ瀬は倉石が貫いてきた死者の想いを根こそぎ拾うという信念を深く理解することに。遺族に「あんたならわかるだろ?」と悔しさと悲しみをぶつけられ、倉石が涙を流さないように上を向き、正直に語りかける場面が胸を打つ。今から16年前のドラマだが、渋くて色気のある俳優、内野聖陽の人間力があふれ出している。

(C)2009 横山秀夫/光文社・東映
文=山本弘子
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