竹達彩奈が語る、大切な居場所とファンへの感謝「みんなが楽しんでくれるなら頑張れる」
2025.3.18(火)

「けいおん!」の中野梓や「五等分の花嫁」中野二乃、「ソードアート・オンライン」リーファ/桐ヶ谷直葉など、数々の人気キャラクターを演じている声優の竹達彩奈。2月24日にラドンナ原宿で開催された「あやな公国TeaParty2025」はトークショーやミニライブなど、竹達のファンへの思いが伝わるイベントとなった。
HOMINISではFC限定イベントを終えたばかりの竹達にインタビューを行い、イベントのこだわりやファンとの関係性、今後イベントを通してやってみたいことなどを語ってもらった。
――FC限定イベントはいかがでしたか?
「トークパートもすごく楽しくて、皆さんがたくさん笑ってくれたのが嬉しかったです。ライブパートも普段とは違う形でお届けできて、個人的にすごく素敵な仕上がりになったかなと思っています。トークとライブの温度差がすごくて、切り替えがちょっと難しかった(笑)。でも、どちらもすごく濃くて、それぞれの良さがしっかり詰まっていたなと感じます。まるで"カレーとすき焼き、どっちも一気に食べちゃった"みたいな、贅沢で大満足なイベントでした」
――今回のイベントも竹達さんのアイデアが盛り込まれているんですよね
「そうですね。セットリストも考えましたし、皆さんが食事中に飽きずに楽しんでもらえるように、流す映像にもこだわりました。1月末に仕事でハワイに行かせていただいたので、『その写真を使ったらどうだろう?』というアイデアを出して、それを元に映像を作ってもらいました」

――FC限定イベントは竹達さんにとってどのようなイベントですか?
「なんかすごく安心して入っていける場所というか、自分の居場所のような感覚がありますね。何をしても温かく受け止めてくれるような雰囲気があって、すごく温かさを感じることが多いです。特にこういうFCイベントは、お客さんとの距離が近くて、より身近に感じられるのが醍醐味なので、今後も続けていきたいです」
――下手したらもう15年以上も応援してくれている方もいるんでしょうね
「そうなのかな?でも、15年とかそれくらいは応援してくださってる方もいらっしゃるかもしれないですね」
――こういうイベントでは顔馴染みの方もたくさんいらっしゃいますか?
「はい、わかります!いつも来てくださってる方いるな〜って思いますね。あの人も来てくれてる!とか(笑)」
――声優として活動していく中で、ファンの方はどのような存在ですか?
「やっぱりみんなが楽しんでくれることが、自分にとってすごく大きなエネルギーになっています。『どうしたらもっと楽しんでもらえるかな?』って常に考えていて、そのためにできる努力は、あまり苦にならないんですよね。正直、自分自身苦手なことや得意じゃないことはたくさんあるんですけど、でも"みんなが楽しんでくれるなら頑張れる"という気持ちが、自分の中で大きなパワーになっています。それが一本の軸というか、幹のようになっていて、『なりたい自分になること』が一番大切なのかなと感じています」

――ファンの方との距離感で意識されていることはありますか?
「私のことを応援してくださる方々って、すごく礼儀正しくて、どちらかというと大人しい方が多いんです。本当に優しい方ばかりなので、逆に私が『わーっ!』と勢いよく行くと、『えっ、いいんですか?』みたいな感じで驚かせちゃうことがあって(笑)。だから、そっと寄り添うような雰囲気で、びっくりさせないようなテンションで、自然にコミュニケーションを取れたらいいなと思っています」
――デビューしたばかりの頃からおとなしめな方が多かったですか?
「そういう方が多かったと思います。もちろん、中にはすごく元気な方や、結構激しめな方もいらっしゃったと思うんですけど、そういう方々は、たぶん『私じゃないな』と思ったんじゃないかなって(笑)。きっと激しいノリに乗ってくれるタイプの人を推したいと思っているのかなと。私はどちらかというと大人しいタイプなので、そういう方にとっては、ちょっと物足りなかったり、フラストレーションが溜まっちゃったのかもしれません。その結果、どんどん真面目で大人しくて、ふわっとした雰囲気の方が残っていって、会場全体も自然と柔らかく温かい空気になったのかなと思います」
――素敵な関係性ですね
「そうですね。それが居心地がいいと思ってもらえる人たちが残ってくれているし、会いたいなと思ってくれているので、すごくありがたいですね」

――昨年は「女神のカフェテラス」「クレヨンしんちゃん」「結婚するって、本当ですか」などに出演しましたが、どんな1年でしたか?
「昨年は本当にあっという間に1年が過ぎたなという感覚です。仕事に関しては、無理をしなくなりました。もちろん、やらせていただけるお仕事はなるべく引き受けたいと思っていますし、そういったご縁や出会いを大切にしたいという気持ちは軸に持ちながらも、昔のように休む暇もなく動き続けていた頃とは違って、自分を大事にしながら、仕事も楽しめているという感覚がありますね」
――デビューしたばかりの頃や20代の頃は少し気を張っていた部分があった?
「やっぱり20代の頃、特に初期の頃は本当に忙しくて、3ヶ月くらい休みがないこともありました。朝から晩まで仕事をしていたし、実家から通っていたので、埼玉から東京までの移動時間も長くて、それだけでも大変で...。今振り返ると、『あの時どうやって過ごしてたんだろう?』と思うくらいです。仕事していた自分の記憶はあるんですけど、リラックスしていた時間の記憶がほとんどないんですよね(笑)。本当はゲームが大好きなのに、プレイする時間がなくて、買うだけ買って積みゲー状態になっていたり、漫画もどんどん溜まっていったり......そんなことがよくありました。でも今は、自分の時間をちゃんと見つけて、隙間時間にゲームをしたり、本を読んだりできるようになりました。忙しさの中でも、自分の時間を大事にしながら過ごせているかなと思います」

――今後イベントでやってみたいことはありますか?
「やっぱり海外イベントとかやってみたいですよね。ファンミーティングみたいな形でもいいですし、ちょっと遠い場所まで行って、ファンの皆さんと一緒に旅行できたら楽しそう!」
――やっぱりハワイですか?
「もう第1希望はハワイです!ハワイが大好きなんですよ。プライベートでも仕事でも何度か行かせていただいているんですけど、いつ行っても温かくて心地よい場所で、すごく穏やかな気持ちになれるんです。だから、私のことを好きだと言ってくれる方々も、きっとハワイの雰囲気を好きになってくれるんじゃないかなと思います」
取材・文=川崎龍也
写真=内田大介