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五十嵐亮太がプロ野球セ・パ2025年の順位予想!「選手層の厚い巨人と福岡ソフトバンクの2連覇が軸になりそうなシーズンに」

2025.3.1(土)

プロ野球解説者・五十嵐亮太が順位予想
プロ野球解説者・五十嵐亮太が順位予想

3/28(金)に開幕するプロ野球の2025年シーズン。スカパー!プロ野球セットのチャンネルをはじめスカパー!番組配信では、各球団の試合中継や情報を今シーズンも放送、配信する。開幕を前に、「プロ野球ニュース2025」(フジテレビONE)などに出演されているプロ野球解説者・五十嵐亮太に、セ・リーグ&パ・リーグの今シーズンの順位を予想してもらった。(※2月中旬取材)

【セ・リーグ予想順位】
1位 巨人
2位 横浜DeNA
3位 広島
4位 阪神
5位 東京ヤクルト
6位 中日

■セ・リーグは大型補強を行なった巨人が優勝候補

積極的な補強に動いた巨人が頭一つ抜けていると思います。ライデル・マルティネス選手の加入で、大勢選手からマルティネス選手という投手リレーで8、9回が安定したことは間違いありません。高梨雄平選手やバルドナード選手などをはじめ、中継ぎ投手陣の層は厚いので、先発が5、6回まで投げてくれれば逃げ切れる体制を作れますし、先発陣への負担が少なくなるのも大きいです。打線も一時期は岡本和真選手に頼る部分はありましたが、安定した成績の出せる若手も増えてきているので誰かが離脱しても、ほかの選手でカバーできる厚みがあります。また、甲斐拓也選手が福岡ソフトバンクからFA移籍しましたが、ポジティブな見方をすれば捕手を固定できるようになるのは心強い。捕手としての経験値はもちろんですが、福岡ソフトバンクでも勝ちに貢献できるキャッチャーでしたので巨人での活躍も期待していますね。彼の敵はプレッシャーだけです。

バウアー選手が電撃復帰した、横浜DeNAを2位にしました。東克樹選手とバウアー選手の2枚看板と攻撃陣は強力です。打てるチームは中盤から後半にかけていい流れを持ってくることができるので、ブルペン陣が頑張ることができれば勝てる試合が増えてきます。そのため、後ろを投げるであろう山﨑康晃選手、森原康平選手が本来の力を発揮して、勝利の方程式として固定できるかが優勝への鍵になってくると思いますね。

3位は広島です。勝てる試合はしっかり勝ち切れるっていうチームなので、昨年のような大型連敗さえなければ上位進出も可能です。粘り強い野球ができて、中継ぎと抑えの安定感が魅力。投手陣では、九里亜蓮選手は移籍してしまいましたが、個人的には2023年のドラフト1位の常廣羽也斗選手に注目しています。楽天の岸孝之投手のような体の使い方で、今シーズンが楽しみですね。

阪神は4位と予想しました。昨シーズンの序盤は苦しみましたが、最終的には2位でシーズンを終えました。これは昨年まで指揮をとっていた前監督の岡田彰布が選手を理解して、チームをうまく立て直したことが大きかったと思います。戦力としては投手陣もいいし野手陣も個性豊かなのですが、今年からコーチ経験のない藤川球児監督に代わって、チームが苦しい時の対処とかが少し難しくなってくるのかなって。いきなりAクラスや優勝とかになってくると、藤川監督が本当にすごいと思います。

ヤクルトは5位予想ですが、外野に塩見泰隆選手が戻ってきて、今の戦力が力を発揮すればAクラスも可能です。ピッチャーでいうと吉村貢司郎選手がエースとしてしっかりとシーズンを過ごせ、中継ぎの清水昇選手や田口麗斗選手、そして新外国人がハマればすごくいいチームができあがると思います。ただ、若い選手も育ってはいるのですが、層の厚さでいったら上位チームとの差が大きい点は課題といえます。あと、メジャー移籍を公言している村上宗隆選手は今年がラストシーズン。彼の性格を考えると、チームのためにしっかりと結果を残していきたいという気持ちは強いと思いますし、チームとしても村上選手のためにと戦おうと一致団結するはずです。

6位は中日。とはいえ投手陣は非常によく、ブルペン陣もライデル・マルティネス選手がいなくなりましたがシーズンを戦っていける戦力はそろっています。キャンプで見ましたが高橋宏斗選手(※「高」は正しくは「はしご高」)は投手としての能力は2つ3つ抜けている存在で、彼に次ぐ先発の2、3番手が固定できると戦い方も安定してくるでしょう。投手陣では、小笠原慎之介選手がメジャーへ移籍してしまったので、上位進出には大野雄大選手や柳裕也選手の復活が大事になってくると思います。あとは毎年課題になっていますが、攻撃陣がどれくらい援護できるかですね。

■福岡ソフトバンクの連覇を阻止できるのは、北海道日本ハムか!?

牧秀悟(横浜DeNA)、近藤健介(福岡ソフトバンク)ら好打者に
牧秀悟(横浜DeNA)、近藤健介(福岡ソフトバンク)ら好打者に"投高打低"の打破を期待!

【パ・リーグ予想順位】
1位 福岡ソフトバンク
2位 北海道日本ハム
3位 楽天
4位 千葉ロッテ
5位 オリックス
6位 埼玉西武

パ・リーグの1位予想は福岡ソフトバンク。強いて不安材料をあげるとすると、キャッチャーの甲斐拓也選手の移籍ですが、投手陣の能力は先発と中継ぎ共に高いので、ここはカバーできると思っています。打線も中軸は変えないでしょうし、計算できるので安心。下位打線は1、2番の状態に合わせて入れ替えてくると思うので、1番、2番をどうするかに注目しています。ただ、若い選手がしっかり育っているので、打線の組み方は選手の状態を見て、戦い方に合わせて臨機応変に対応できるでしょう。攻撃陣はそろっていて、打線のバリエーションも幅は広くレベルも高いといえます。

2位は北海道日本ハム。福岡ソフトバンクと優勝を争えるのは北海道日本ハムぐらいかなって見ています。新庄剛志監督体制の3年間でチームとしての形が作れていて、選手が新庄監督のやりたい野球を完全に理解しているのが強みですよね。ちょっと前ですと若い選手が多く好不調の波が大きかったですが、今では万波中正選手や清宮幸太郎選手が安定した成績を残せるようになってきています。なかでも清宮選手は今年が勝負の年。昨シーズン後半の勢いのまま今年のスタートをきれると打線に厚みが増しますので、清宮選手と今季の4番候補・野村佑希選手の2人が優勝争いにキーマンになってくるのかなと思っています。

3位は投手陣が若手にガラッと変わって結果を残している楽天です。若手は元気があるし、昨シーズン結果を残したことで今年も期待しています。カギは攻撃陣ですが、今年から昨年まで二軍監督だった三木肇さんが再び監督になるということで、チームのいい部分を引き継いでくれれば、面白い存在になると思います。

投手陣に石川柊太選手がFAでソフトバンクから新たに加入しましたが、佐々木朗希選手やメルセデス選手が抜けた先発陣の穴を埋めるのは大変かなと思い、千葉ロッテを4位にしました。昨シーズンは若いブルペン陣が頑張っていたので、ストッパーを務めるベテランの益田直也選手が踏ん張れるかが上位争いのカギになってきます。昨年は3位でしたが、埼玉西武に21勝4敗と勝ち越せた部分が大きく、さすがに今年は同じようにいかないと思いますので順位を下げました。

オリックスは5位ですが、昨シーズンは森友哉選手をはじめケガで離脱する主力選手も多かったので、選手たちが自分の持っているポテンシャルをしっかりと発揮してくれればAクラスに行ける力は十分にあると思います。頓宮裕真選手や山下舜平大選手、西川龍馬選手といった力のある選手がそろっていますし、今年は広島から九里亜蓮選手もFA加入して投手陣の厚みも増しました。3連覇したときの勢いを取り戻して欲しいですね。

埼玉西武はピッチャー陣がいいので、タイラー・ネビン選手やレアンドロ・セデーニョ選手といった新外国人や、新人の渡部聖弥選手が打撃陣にフィットすれば6位からの巻き返しも狙えると思います。ただ、今シーズンは来年以降を見据えて、使いながら育てていく割り切った野球を進めたり、組織作りが大事になってくるかなと。西口文也新監督の考え方やチームの方向性を明確にして、シーズンを戦っていくことが大事になってくると思います。

■五十嵐亮太による2025年シーズンの注目ポイント

今年も楽しみなルーキーは多いですが、中でも楽天の宗山塁選手に注目しています。期待の選手が活躍するとファンは集まってくるので、チームだけでなく本拠地である仙台も自然と盛り上がってくるはずです。そういったいい雰囲気の中で試合をすると選手ものってきますし、いろいろな相乗効果も生まれます。宗山選手の加入は、そういった意味でも大きい。レギュラーとして数字を残せればチームと地元に勢いが出てくると思うので、シーズンが始まってから、プロのピッチャーにどこまで対応できるかがポイントですね。

ベテランでは巨人に移籍した田中将大選手の復活に期待しています。彼は変化球のコントロールがいいピッチャーなので、感覚的にパ・リーグよりもセ・リーグの方が合いそうだなって。バッテリーを組む甲斐選手も昨年まで敵チームだからこそ見えていた部分もあると思うので、田中選手のいいところを引き出して欲しいですね。

最後になりますが、セ・リーグは選手層が厚く、チームとして計算できる巨人は盤石とみています。相手は横浜DeNAが筆頭で、残りの4球団は怪我などなくシーズンをしっかりと戦えるかが上位進出のポイントではないでしょうか。

パ・リーグはやはり福岡ソフトバンクが抜けていますが、勢いに乗って一番怖いのは北海道日本ハム。福岡ソフトバンクもシーズンを戦っていく中で、一番嫌なのは北海道日本ハムだと思います。

私はピッチャー出身ですが、最近は3割バッターが減ってきているので、もっと3割バッターが出てきて欲しい。ピッチャーと比較した場合、昨今はバッターの成績が見劣りしてしまうので、今年は昨年とは違う打線を各チームに期待したいですね。

取材・文=宮澤祐介

放送情報【スカパー!】

巨人×東京ヤクルト
放送日時: 3月28日(金)17:30~
チャンネル: 日テレジータス

横浜DeNA×中日
放送日時: 3月28日(金)18:00~
チャンネル: TBSチャンネル2

広島×阪神
放送日時: 3月28日(金)17:55~
チャンネル: J SPORTS 1

福岡ソフトバンク×千葉ロッテ
放送日時: 3月28日(金)18:00~
チャンネル: スポーツライブ+

埼玉西武×北海道日本ハム
放送日時: 3月28日(金)17:30~
チャンネル: フジテレビTWO

オリックス×楽天
放送日時: 3月28日(金)18:00~
チャンネル: J SPORTS 3

※放送スケジュールは変更になる場合があります