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バランサーとして主演に立つ江口洋介や乗馬シーンを披露する綾瀬はるかに注目の映画「戦国自衛隊1549」

2025.2.18(火)

2005年に角川グループ60周年記念として制作した映画「戦国自衛隊1549」。本作で主人公・鹿島勇祐を演じているのが江口洋介だ。鹿島は自衛官だったが、ある出来事によって退官。居酒屋チェーン店の店長をしていたところ、自衛隊の超トップシークレットである極秘任務のため、オブザーバーとして自衛隊の作戦に参加。戦国時代でとある需要な任務を担うことになるという役だ。

戦国時代での任務に赴く鹿島勇祐(江口洋介)
戦国時代での任務に赴く鹿島勇祐(江口洋介)

(C)2005「戦国自衛隊1549」製作委員会

■現在のポジションに繋がるバランサーとしての主演!

江口と言えば、1987年公開の映画「湘南暴走族」で紫色のリーゼントスタイルで映画初主演を果たすと、その後は「ひとつ屋根の下」(1993年)では兄妹思いの「あんちゃん」役、「救命病棟24時」シリーズ(1999年~)では超一流の腕を持つ天才外科医など主演として大活躍を見せた。

「戦国自衛隊1549」が公開された2005年前後、江口は、ほぼ主演として作品に臨む機会が多かった。物語の中心にドンと立ち、強い個性を発揮するという立ち位置。しかし本作では、主演として作品のメッセージ性をしっかり担う立場でありながら、極秘任務を鹿島に持ち掛けた鈴木京香演じる神崎怜や、生瀬勝久扮する森彰彦ら、一癖も二癖もあるキャラクターたちの間で、目立ちすぎることもなくバランサーとしての役割を担う。

(C)2005「戦国自衛隊1549」製作委員会

さらに、飯沼七兵衛(北村一輝)、斎藤道三(伊武雅刀)ら戦国時代の登場人物のなかでも、それぞれと対峙するシーンでは相手の"決めどころ"をしっかり引き出している。その意味で、登場人物が多く、みな個性的なキャラクターのなか、周囲を立たせるという主演の役割は、江口の新たな一面になったとも言えるだろう。

映画が公開された2005年、江口は37歳。それから20年の歳月が流れた。現在も「誰かがこの町で」(2024年WOWOW)で主人公を演じるなど、主演を務めることも多いが、さまざまな作品で、個性的なキャラクターを演じ、作品に深みを与えるような助演的な役割を担うことも多い。そこでキラリと輝くのは、「戦国自衛隊1549」で見せたような、相手の良さを引き出す主演を演じてきたからこそなのかもしれない。

■信長役の鹿賀丈史、濃姫役の綾瀬はるかにも注目!

(C)2005「戦国自衛隊1549」製作委員会

「戦国自衛隊1549」は、1979年に公開された「戦国自衛隊」のリメイク的な作品であるが、半村良の原作とは設定が違う。最初にタイムスリップした自衛隊が"天導衆"と名乗り、鬱屈とした平成の未来を変えようと破壊を繰り返すなど、1979年版でフィーチャーされたアクションSF的なものよりも、イデオロギーが強く反映された物語になっている。

そんななか、江口演じる鹿島の自衛隊時代の上官であり、戦国の世では織田信長を名乗る鹿賀丈史の存在感は圧倒的だ。鹿賀と言えば、劇団四季で活躍後も、松田優作主演の「野獣死すべし」や「麻雀放浪記」で魅せた退廃した雰囲気から、キレキレの二枚目、さらにはバラエティ番組「料理の鉄人」の司会などマルチに活躍。現在も、永瀬廉主演のラブコメ「御曹司に恋はムズすぎる」で永瀬演じるポンコツ御曹司の祖父役として存在感を示すなど映像界にはなくてはならない存在だ。

また本作では綾瀬はるかが濃姫役で出演しているが、18年後の映画「レジェンド&バタフライ」でも同じ濃姫を演じた。「戦国自衛隊1549」でも乗馬シーンが見られるが、「レジェンド&バタフライ」での、格好いい濃姫と比較するのも面白いかもしれない。

文=磯部正和

放送情報【スカパー!】

戦国自衛隊1549
放送日時:2月28日(金)16:30~
放送チャンネル:WOWOWプラス 映画・ドラマ・スポーツ・音楽
※放送スケジュールは変更になる場合があります