ジャン・リンホー(張凌赫)の大人の色気が倍増...「蒼蘭訣」や「寧安如夢」とは一風変わったロマンス史劇「度華年」で見せる成熟した演技

2025.2.13(木)

大学在学中にスカウトされ、2020年のデビュー作「探偵麗女～恋に落ちたシャーロック姫～」でいきなり主演に抜擢、一躍スターダムへと駆け上がったジャン・リンホー(張凌赫)。

"美男ライジングスター"とも称される彼の快進撃には目を見張るばかりで、2024年はGUCCI(グッチ)のブランドアンバサダーにも就任。「蒼蘭訣～エターナル・ラブ～」(2022年)のユー・シューシンと再共演した「雲之羽 ～揺らめく愛、刹那の二人～」(2023年)や、バイ・ルーの相手役を務めた「寧安如夢(ねいあんにょむ)～宮廷にふたたび舞い降りる愛～」など、名だたるトップ女優とのロマンス時代劇でも人気を集めている。

そんなリンホーも昨年12月には27歳に。デビューから約5年、様々な経験を積む中で身につけた大人の魅力を爆発させているのが、「ロマンスの降る街」(2024年)のチャオ・ジンマイと共演した最新ロマンス時代劇「度華年 The Princess Royal」(2024年)だ。

3月11日(火)より衛星劇場にて日本初放送される「度華年 The Princess Royal」(2月14日(金)に第1話先行放送あり)は、憎しみ合って命を落とした夫婦が記憶を保ったまま20年若返り、過去の過ちを正して"2度目"の結婚生活に挑むタイムスリップ時代劇。大夏王朝の王女・李蓉をチャオ・ジンマイが、彼女と政略結婚する聡明な宰相・斐文宣をジャン・リンホーがそれぞれ演じている。

"1回目"の結婚は敵意と疑念に満ちていて、修復不可能なほどに対立してしまった李蓉と斐文宣。宮廷の陰謀にも巻き込まれ、李蓉は38歳で、斐文宣は40歳で命を落とす。ところが、2人は互いに結婚する20年前にタイムスリップしてしまう。それぞれ前世の記憶を残したまま18歳、20歳の自分として目覚め、李蓉の婿選びから"やり直し"をすることになった2人は、過去の過ちを正し、自分たちを破滅させた陰謀を阻止しようと奔走する。

主人公がタイムスリップする...というファンタジックなロマンス時代劇は決して珍しくはないが、今作がユニークなのは、夫婦が記憶を保ったまま同時に"若返る"という点だ。憎しみだけだった2人の関係性も共通の敵に挑む中で変化が訪れ、次第に新たな感情が芽生えていく。

"生まれ変わり"前後の2人のビジュアルの変化も鮮烈だ。病に冒され血色も悪かった38歳の李蓉は、弾けるような美貌も眩しい18歳へと若返ることに。目覚めて鏡に映った自分に驚き、体の軽さに飛び跳ねるほどハツラツとした姿を見せる。

一方の斐文宣も、策略と陰謀まみれの40歳から爽やかな20歳の青年へとガラリと変貌を遂げる。190cmに届こうかという長身のリンホーの若々しく凛々しい立ち姿は、惚れ惚れするほどの美しさだ。

そんな2人が、死に別れたかつての伴侶も"2度目"の人生を生きていることを知り、共通の敵に立ち向かうべく手を結ぶ。

「好きな人と結婚しろ。このお姫様病め！」
「私は公主(王女)よ。お姫様病で悪い？」

「生活費は私が負担しただろう」
「その給金はどこからきたの？公主の夫だからでしょ？」

――遠慮のない2人の罵り合いもコミカルに描かれ、どこか微笑ましい痴話喧嘩のような様相を見せる。

そんな2人の空気を変貌させる要因となるのが、斐文宣から滲み出る大人の包容力だ。自分に対して敵意剥き出しの李蓉のことが気になってしかたない斐文宣は、彼女が襲われそうになると駆けつけ、野宿する場面では寒さの中で衣を貸してやり、彼女のために火を焚いて魚を焼いて...とあれこれ世話を焼く。40年生きた斐文宣の全身に漂う余裕と自信、そして演じるジャン・リンホーの優しげな眼差しが、20歳の体に転生しても隠し切れない大人の魅力を醸し出している。

事前の期待度は高くなかった作品にも関わらず、放送翌日から着実に評価を獲得し、最終的には中国で2024年人気ドラマの１本に仲間入りを果たしたという本作。独創性のあるストーリーに加え、若々しいビジュアルと落ち着いた内面を両方備えた、ジャン・リンホーの"現在進行形"の魅力がじっくり堪能できる快作だ。

文＝酒寄美智子

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