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岡田将生が織りなすコミカルとシリアスのバランスが絶妙!新垣結衣主演「掟上今日子の備忘録」

2025.1.30(木)

「掟上今日子の備忘録」(ファミリー劇場)
「掟上今日子の備忘録」(ファミリー劇場)

2015年に放送された新垣結衣主演のドラマ「掟上今日子の備忘録」は、人気作家・西尾維新の「忘却探偵シリーズ」を原作にしており、西尾の作品の実写化はこのドラマが初となった。

眼鏡に白髪で原作を忠実に再現しながら探偵を演じた新垣結衣
眼鏡に白髪で原作を忠実に再現しながら探偵を演じた新垣結衣

新垣が演じた主人公・掟上今日子(おきてがみきょうこ)は、寝てしまうと記憶が1日ごとにリセットされてしまう"忘却探偵"。守秘義務は絶対厳守で、記憶がリセットされてしまうため、どんな事件も1日でスピード解決してしまう、まさに天才的な探偵と言える。新垣は眼鏡と白髪という原作の今日子を忠実に再現。「パパとムスメの7日間」(2007年)や「コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」シリーズ(2008年~2018年)、「リーガル・ハイ」シリーズ(2012年〜2014年)などでさまざまな役を演じてきていた新垣だが、掟上今日子はルックスも含め、視聴者に新鮮さと衝撃を与えた。

■岡田将生の演技の強みが"バランス力"!物語に欠かせないキャラクターを好演

そして、このドラマに欠かせないキャラクターとして、隠館厄介(かくしだてやくすけ)がいる。厄介を演じたのは岡田将生で、「宇宙兄弟」(2012年)、「潔く柔く」(2013年)、「映画 ST 赤と白の捜査ファイル」(2014年)など、映画でも大活躍していた時期の出演となった。新垣とは「リーガル・ハイ」第2期でも共演し、堺雅人・新垣と対立する弁護士として存在感を示した。そしてこの作品では、主人公の今日子と同等の"重要"キャラを演じることに。

隠館厄介。"厄介(やっかい)"と読める名前からして、損するキャラになるべくして育った青年だ。第1話の冒頭から、厄介がメインといっていいくらいの展開が待っている。ストーリーテラー的役割もありつつ、初回では自身がどれだけ"不幸"で"不遇"だったかを解説。働き始めた職場で大切なSDカードがなくなった。新入りの厄介が疑われ、本当に盗んでいないのに、これまで何度も濡れ衣を着せられてきたので、疑われたというだけで滝のような汗が流れ、挙動不審に。それがますます怪しさを醸し出していく。
犯人にされそうだと思った瞬間、「探偵を、呼ばせてください」と、いつもトラブルになると頼っているアパルトマン兼探偵斡旋所「サンドグラス」の絆井法郎(及川光博)に連絡をした。いつもお願いしている探偵は引退していて、絆井が目をつけたのが掟上今日子だった。

「はじめまして。掟上探偵事務所の掟上今日子と申します」
今日子と出会ったのは、厄介にとって幸か不幸か...。毎回「はじめまして」と挨拶されて、名刺を受け取りながら、厄介は今日子に思いを寄せていく。記憶がリセットされてしまうので、実らぬ恋だとわかりながらも気持ちに嘘はつけない。
記憶がリセットされることは変わらないが、中盤以降、第6話の自殺を図った女子高校生に対する厄介の対応や、今日子と厄介のシーンが大半を占める第7話などでは、今日子の厄介への気持ちに変化が...。もしかすると、奥深くにある潜在意識の中に厄介の存在がリセットされずに残っているのでは?と思わせる展開も。

コミカルさとシリアスさ。岡田将生は作品によってどちらにも振り切れる俳優だが、このドラマでの岡田の演技はそのバランスが絶妙で、数多くの出演作がある中でも、本作を代表作の1つにぜひ挙げておきたい。

文=田中隆信

放送情報【スカパー!】

掟上今日子の備忘録
放送日時:2025年2月22日(土)9:40~
チャンネル:ファミリー劇場
※放送スケジュールは変更になる場合がございます