キム・ジョンヒョン、ユ・ヨンソクらの誠実さが滲むスピーチも...航空旅客機事故の追悼ムードが漂う2024年のMBC・SBS・KBS演技大賞【受賞結果まとめ】

2025.1.17(金)

韓国地上波3局(MBC・SBS・KBS)がそれぞれ1年間に放送したドラマを総括する年末恒例イベント「演技大賞」。「2024 SBS演技大賞」は予定通り12月21日に生放送されたが、その後は、12月29日に発生した済州(チェジュ)航空旅客機事故の影響で生放送は休止され、「2024 MBC演技大賞」が1月5日、「2024 KBS演技大賞」が1月11日に録画放送された。

90歳のイ・スンジェ、60歳のハン・ソッキュらベテラン勢の活躍が評価された一方、着実にキャリアを重ねてきた30・40代の実力派たちの功績が認められた年でもあった。今回は、そんな彼らのしみじみと感慨のこもったスピーチを振り返ってみたい。(※主な受賞結果の一覧は最下段を参照)

■2024 KBS演技大賞／「タリミファミリー」が9冠達成！主演キム・ジョンヒョンの謝罪スピーチが話題に

最大の話題は"最高齢の大賞受賞者"となった「犬の声(原題)」に主演した90歳のイ・スンジェ。後輩俳優に支えられて受賞の舞台に上がり、声を震わせながら感謝を表明。客席はその言葉を起立して聞き、涙をぬぐう俳優たちも多かった。

一方、最多9冠に輝いたのは、視聴率も好調だった週末ドラマ「タリミファミリー」。キム・ジョンヒョン＆パク・ジヨンが最優秀賞を男女W受賞したほか、2人は互いの相手役と共にそれぞれベストカップル賞も受賞するなど、華々しいスポットライトを浴びた。

さらに大きな反響を集めたのが、ジョンヒョンの謝罪スピーチだ。彼には、かつて"あるスキャンダル"により、少女時代・ソヒョンとの共演ドラマを途中降板した苦い過去がある。そのソヒョンがMCとして袖で見守る中、やや緊張の面持ちで最優秀賞のスピーチに立つと、「本当の感謝は過去の反省なしには得られないと考えています。この場を借りて、心よりお詫びします」と深々と頭を下げる一幕も...。誠意ある姿に、客席からも温かい拍手が送られた。

■2024 MBC演技大賞／大賞受賞の大先輩ハン・ソッキュへの感謝も語ったユ・ヨンソクの味わい深いスピーチ

「こんなに親密な裏切り者(原題)」で約30年ぶりにMBCドラマに主演したハン・ソッキュが大賞を受賞したMBC。壇上で涙ぐみながら事故被害者への哀悼の言葉を紡ぐ姿に感動の声が集まる中、同時に注目されたのが、最優秀演技賞とベストカップル賞を獲得した「その電話が鳴るとき」のユ・ヨンソクだ。

「撮影の後半、このままで大丈夫かと悩んでいた時、ハン・ソッキュ先輩が『君はよくやっている』『君はいい俳優だ』と褒めて下さって、最後まで頑張って撮影することができました」と感謝の気持ちを伝えたヨンソク。かつて「浪漫ドクター キム・サブ」で共演した頃のことにも言及し、2人の変わらぬ絆を滲ませると、客席でその言葉に穏やかに頷くソッキュの表情も映し出された。

ベストカップル賞では、授賞式の司会を務めたチェ・スビンと一緒に登壇。「このベストカップル賞はどうしても獲得したい賞でした。何よりスビンさんとだったから受賞できた賞だと思います」と相手役のスビンに感謝を伝え、スピーチの終わりにはガッツポーズで互いを称え合う場面も。40歳を迎えたヨンソクの誠実さに満ちたスピーチには温かな拍手が沸き起こった。

■2024 SBS演技大賞／チャン・ナラ、パク・シネら女性陣が躍動！愛嬌たっぷりのアン・ボヒョンの初々しいスピーチも

「グッド・パートナー～離婚のお悩み解決します」のチャン・ナラが大賞、「悪魔なカノジョは裁判官」のパク・シネがディレクターズ・アワーズを獲得し、それぞれ壇上では互いのパートナーへの感謝を伝える心のこもったスピーチも感動を呼んだ今回のSBS。

「グッド・パートナー」からはナム・ジヒョンが最優秀演技賞、劇中の法律事務所"テジョン"がベストチームワーク賞を受賞。ベストカップル賞は、甘いキスシーンが話題を呼んだ「悪魔なカノジョは裁判官」のパク・シネ＆キム・ジェヨンに贈られた。

そんな中、初々しいスピーチで愛嬌を振りまいたのが最優秀演技賞を受賞した「財閥×刑事」のアン・ボヒョン。現在36歳ながら今回が地上波ドラマ初の大きな賞とあって、客席からの祝福の声に照れながら深々とお辞儀。関係者への感謝に続き、「"ポシレギ(ファンネーム)"の皆に一度もこういう場で感謝を伝えられていなかったのでこの場を借りて感謝を伝えたいのと、家族にも...僕に演技なんかできるのかって言ってたけど...賞、獲りました！」と笑顔で喜びを表現した。

特にKBSとMBCは事故直後の収録とあって、追悼ムードに包まれながら粛々と執り行われた今回の授賞式。華美な演出こそなかったものの、それだけにしみじみと味わい深いスピーチが続出。字幕版の日本初放送を機に、確かな実力とキャリアに裏打ちされたベテラン勢の喜びの声にも改めて耳を傾けたい。

文＝酒寄美智子

【各局の受賞結果(抜粋)】

■2024 KBS演技大賞(字幕付き)
【大賞】
「犬の声(原題)」イ・スンジェ
【最優秀賞】
男優「タリミファミリー」キム・ジョンヒョン、「美女と純情男」チ・ヒョヌ
女優「タリミファミリー」パク・ジヨン、「美女と純情男」イム・スヒャン
【人気賞】
男優「むやみに接してくれ」キム・ミョンス(INFINITE エル)
女優「タリミファミリー」クム・セロク
【ベストカップル賞】
「美女と純情男」チ・ヒョヌ＆イム・スヒャン
「タリミファミリー」キム・ジョンヒョン＆クム・セロク
「タリミファミリー」シン・ヒョンジュン＆パク・ジヨン＆キム・ヘウン
「スジと出逢ったウリ」ペク・ソンヒョン＆ウンジョン(T-ARA)
「犬の声(原題)」イ・スンジェ＆アリ＆ヨンウ

■2024 MBC演技大賞＜字幕版＞
【大賞】「こんなに親密な裏切り者(原題)」ハン・ソッキュ
【今年のドラマ賞】「捜査班長 1958」
【最優秀演技賞】
＜ミニシリーズ部門＞
男優「その電話が鳴るとき」ユ・ヨンソク、「捜査班長 1958」イ・ジェフン
女優「夜に咲く花」イ・ハニ
＜イルイルドラマ部門＞
男優「勇敢無双ヨン・スジョン」ソ・ジュニョン
女優「勇敢無双ヨン・スジョン」オム・ヒョンギョン、「三番目の結婚」オ・スンア
【ベストアクター賞】
「白雪姫には死を-Black Out」ピョン・ヨハン、「ワンダフルワールド」キム・ナムジュ
【ベストカップル賞】
「その電話が鳴るとき」ユ・ヨンソク＆チェ・スビン

■2024 SBS演技大賞＜字幕版＞
【大賞】「グッド・パートナー～離婚のお悩み解決します」チャン・ナラ
【今年のドラマ賞】「コネクション」
【ディレクターズ・アワーズ】「悪魔なカノジョは裁判官」パク・シネ
【最優秀演技賞】
＜シーズンドラマ＞
男優「熱血司祭2」キム・ナムギル
女優「熱血司祭2」イ・ハニ
＜ミニシリーズ：ヒューマン・ファンタジー部門＞
男優「悪魔なカノジョは裁判官」キム・ジェヨン
女優「グッド・パートナー～離婚のお悩み解決します」ナム・ジヒョン
＜ミニシリーズ：ジャンル・アクション部門＞
男優「財閥 X 刑事」アン・ボヒョン
女優「コネクション」チョン・ミド
【ベストカップル賞】「悪魔なカノジョは裁判官」キム・ジェヨン＆パク・シネ
【ベストパフォーマンス賞】「悪魔なカノジョは裁判官」イ・ギュハン、「グッド・パートナー～離婚のお悩み解決します」ハン・ジェイ
【ベストチームワーク賞】「グッド・パートナー～離婚のお悩み解決します」(テジョン法律事務所チーム)

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