舘ひろしは学ラン姿もイケる! 正義の不良を演じた映画初主演作「男組 少年刑務所」
2025.1.16(木)
醸し出す危険な香りとダンディズムが魅力の名優・舘ひろし。2024年は代表作"あぶ刑事"シリーズの8年ぶりとなる最新映画『帰ってきた あぶない刑事』が公開され、年月を経て円熟味を増したダンディーな姿を披露した。舘にとって刑事役はハマリ役の1つであり、鷹山敏樹の他にも「西部警察」シリーズの巽総太郎&鳩村英次、「刑事貴族」シリーズの牧俊介など、数々の魅力的な刑事役を演じてきた。
そのため、刑事役のイメージも強いが、若い頃は正反対の不良役を演じる機会も多かった。そもそも舘には芸能活動を開始する前にはバイクチーム"クールス"を結成するなど、不良としてのバックボーンがある。その意味でいえば、不良役はある意味でより自然に演じられた役柄といえるかもしれない。
そんな舘が出演する不良作品の中でもオススメの1本が、映画「男組 少年刑務所」(東映/1976年)だ。本作は同名人気劇画の映画化第2作で、舘の映画初主演作でもある。
舞台は、神竜剛次率いる悪の一派に牛耳られ、恐怖によって支配された私立青雲学園。元の平和な学園に戻すことを願う校長の白井は、神竜追放の切り札として少年刑務所から"父親殺し"の罪状を持つ流全次郎を特待生として迎え入れるも、流は神竜との決闘で重傷を負ってしまう。治療のため少年刑務所に戻った流は、そこで彼を慕う"五家宝連"の仲間たちとともに再び打倒神竜に立ち上がるというのが物語のプロローグだ。
■館が学ラン姿で獅子奮迅の大活躍
今作で舘が演じている流全次郎は男気に熱く、弱きを助け強きをくじく正義の不良といった立ち位置で、いわゆる番長のイメージに近い役柄だ。高校生役とあって学ランを着ているシーンも多いが、そこはスーツやタキシードをダンディーに着こなす舘。学ラン姿もビシッと決まっている。とはいえ、さすがに今後は舘が学ランを着る役柄を演じるのはちょっと想像できない。その点でも、本作は舘の貴重な姿を収めた作品といえるだろう。
また、学ラン姿と並んで見どころとなっているのが、とても高校生同士の抗争とは思えないド派手なアクションシーンだ。例えば、最大のライバルである神竜は日本刀を振り回すし、神竜組四天王の1人・太田原源造との対決中には屋上から丸太が投げ込まれたりする。思わずありえないと感じてしまうが、今の時代で見ることがまずない過激な設定や演出は非常に新鮮に映るに違いない。
なんでもありの無茶苦茶な敵に対して、中国拳法を武器に立ち向かう流。舘の魅力にもなっている危険な香りの正体の一端が、本作から感じ取れるはずだ。
文=安藤康之
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