日野聡&島袋美由利が語る、『チ。 ―地球の運動について―』の奥深さ「歴史の教科書を覗いているような感覚」
2025.1.9(木)
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2024年10月5日からTVアニメ『チ。 ―地球の運動について―』が放送されている。第26回手塚治虫文化賞のマンガ大賞など数々の賞を席巻した作家・魚豊による本作は、地動説を証明することに自らの信念と命を懸けた者たちの物語だ。
舞台は15世紀のヨーロッパ某国。飛び級で大学への進学を認められた神童・ラファウは、周囲の期待に応え、当時最も重要とされていた神学を専攻すると宣言する。しかし、以前から熱心に打ち込んでいる天文への情熱は捨てられずにいた。ある日、フベルトという謎めいた学者と出会いから、宇宙に関する衝撃的な「ある仮説」と出会うー。
第3章から新たに登場するのが異端解放戦線隊長であるシュミットと移動民族の1人で異端解放戦線組織長・ヨレンタの意志を継ぐ少女ドゥラカだ。今回はシュミット役の日野聡とドゥラカ役の島袋美由利に、出演の感想からお互いの印象まで語ってもらった。
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――本作は地動説という真理の証明に命を懸ける人間たちを描いた物語です。お2人は作品をご覧になってどのように感じましたか?
島袋「地動説という抗いがたいほどの美しさをもつものに出会い、これまでの価値観が大きく覆ってしまうほど強く惹かれていく登場人物やたちの感動や熱が、直に伝わってくるようでした。きっとセリフがない状態でコマだけみても彼らの感動が伝わってくるのだろうと思うほど、瞳の表現や星空などの描写が美しい作品だと思いました」
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――島袋さんは、原作は読まれていたのでしょうか?
島袋「事前に読ませていただきました。すべての収録を終えた後に読み返したのですが、これだけ濃密な内容が全8巻におさめられていることに改めて驚愕しました。登場人物たちが地動説というバトンを繋げていく過程でみせる、人の強さと意思の力に心を揺さぶられましたし、宗教や思想を描いていくなかで暴力の描写もまざまざと描かれているところにリアリティもあり、歴史の教科書を読ませてもらっている感覚になりました」
日野「今でこそ表現の自由や権利は認められてますけど、この作品で描かれている時代では思想を語るだけでも命がけなんですよね。それは実際の歴史の中でも描かれていることで。この作品はそういう人たちの思いが現代につながっているんだなと改めて感じさせてくれましたし、島袋さんもおしゃっていたように、リアルな歴史の教科書を覗いているような気持ちになりました」
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――歴史に目を背けずに人々の思いが細かいところまで描かれていますよね。シュミットとドゥラカについての印象はいかがですか?
島袋「ドゥラカはお金を稼ぐことを信念としていて、その信念の根底には父の死があります。なのでお金を稼ぐことと、命を脅かされないことの2点に重きに置いている子なのかなと感じました。彼女はとても賢いですし、積極的にお金を稼ぐための変化をもたらそうとする子です。しかし彼女の熱意に対し周囲の反応が芳しくなかったりと、自分の能力を存分に発揮できない環境に身を置いていることでフラストレーションを抱えてる子なのかなと思って演じました」
日野「シュミットは自然を崇拝しているところがあるんですよ。神が作り出した自然こそが神という考えの持ち主なので、非常に俗物的なものに関しては、拒否反応というか、認めたくないという思いを抱えています。崇拝する人知を越えた自然の力に魅了されながら、自分の運命というものもすでに決まっているかのように行動していて、どこか達観している部分がありますよね。でもそんな彼がドゥラカとの出会いによって考え方が変化していくんです。そこがすごく魅力的だなと思います」
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――本作に登場するキャラクターの中で好きなキャラクターはいますか?
日野「みんなどこか突出して癖が強い人やこだわりが強い方が多いので難しいんですけど、キャラクターとして個人的に親近感があって好きなのはレヴァンドロフスキですね。妹とのエピソードからにじみ出る人間性とか、人の良さがすごく安心します」
島袋「第3章で言うとフライさんが好きです。常に冷静沈着な彼ですが、胸の内には強い感情を秘めています。多くを語らない存在ではありますが、彼にもぜひ注目して欲しいです」
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――今回共演されてお互いの役に向かう姿勢についてはどのような感覚を持っていますか?
日野「島袋さんが演じているはドゥラカは、自分がどう生きていくかというところで、すごく必死にもがいてもがいて考えて、命の限り向き合って進んでる子なので、そういう意味で言うと、島袋さんのマイク前でのお芝居に向き合う姿というのはすごくリンクするなと思って後ろから見ていました。彼女の発する一言一言にグッとくるものがあり、自然と自分もそれに反論するシュミットの想いを引き出された気がしますね」
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島袋「シュミットは気を張って聞いてないと言葉が流れちゃいそうなくらい、一度に話すセリフ量が多いキャラクターなのですが、日野さんのセリフの組み立て方が素晴らしくて、言葉がスッと耳に入ってくるんです。ドゥラカはシュミットとの会話シーンが多いのですが、一緒にアフレコしていく中で、ドシッとした日野さんの雰囲気に圧倒されました。マイク横で見たり、後ろで見させていただいたりする中で、私が20年後、30年後に日野さんのようようなお芝居ができるようになれるのだろうかと思いました」
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取材・文=川崎龍也 撮影=MISUMI
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