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織田裕二には実直で熱い男がハマる!銀行の監査役、頭取として奮闘する「野崎修平」シリーズの魅力

2025.12.31(火)

一世を風靡したドラマ「踊る大捜査線」の最新作となる「踊る大捜査線 N.E.W.」が2026年に公開予定で、「あの青島俊作がスクリーンに帰ってくる!」と話題になっている俳優・織田裕二。スター俳優として脚光を浴びながら、演技力を磨いてきた織田が銀行の頭取役を演じたのが、2020年に放送された「連続ドラマW 頭取 野崎修平」だ。

銀行の再生に奮闘する熱い頭取を演じた織田裕二
銀行の再生に奮闘する熱い頭取を演じた織田裕二

(C)2019WOWOW INC.

本作は2018年放送の「連続ドラマW 監査役 野崎修平」の続編で、原作は著・周良貨、作画・能田茂の人気漫画。織田は大手都市銀行・おおぞら銀行の監査役で、バブルが崩壊して経営が悪化した銀行を持ち前の正義感で再生させようと奮闘する主人公・野崎修平を熱く演じた。

監査役として銀行の闇を暴き、頭取の京極雅彦(古谷一行)を辞任に追い込んでいくストーリーが描かれた前作から月日は流れ、舞台は2004年に。国有化に伴い、銀行を辞めて産業再生機構で活躍していた野崎が、頭取としておおぞら銀行に呼び戻されるところから物語は展開していく。
ポジティブな気持ちに切り替えて古巣に戻った野崎だったが、待っていたのは頭取として立ち向かわなければならない新たな危機。前作からの続投で、野崎がいない期間に銀行を支え、支店長から女性初の役員に昇格した野心家・立川祥子(松嶋菜々子)とのバトルや、父の執念を引き継ぐ京極雅彦の息子・春樹(小澤征悦)との攻防戦の中、織田が新たな顔を見せる。

■情に厚く真っ直ぐなヒーロー・野崎修平、頭取としての新たな闘い!

(C)2019WOWOW INC.

経済産業機構で"再生のプロ"として評価されていた野崎は、「君のような強いリーダー、劇薬が必要」とおおぞら銀行に呼び戻され、頭取に就任することになる。しかし、その風当たりは強く、金融庁や日銀絡みの人材は半数を占める役員たちは、野崎が戻ってきたことを疎ましく思う人間が多数の状況だった。
そんな状況下でも、野崎は就任の挨拶で「独善的な銀行になるなら、迷わず潰す」と発言。国有化されてから派閥によって人間関係がギスギスし、行員の覇気がないこと知った野崎は、さっそく自ら職場を見回り、周囲をフリーズさせる。問題山積の状況に「やりがいがありますね」と余裕の表情の野崎。

そんな野崎のやり方に真っ向から反抗するのが、風間俊介が演じる融資部・石原俊之。上司の顔色を伺う行員が増えたと聞いていた野崎は、そんな中でも自分の意見を臆せずにぶつけてくる石原と真正面から向き合う。

頭取になっても取引先に電車に乗って出向く野崎。そんな野崎を演じた織田は、銀行の淀んだ空気を晴らすような爽やかな笑顔と、闘ってきた男の厳しい顔を使い分ける演技が魅力的。背中や仕草でその心情までもが雄弁に語られる。

■常務の立川祥子や京極の息子・春樹も立ちはだかる壁に

本作には野崎が妻に「監視役の時はこんなこと考えもしなかったけどな」と思わず漏らすシーンが登場するのだが、野崎が頭取として銀行を背負い、真っ直ぐな熱さだけでは突っ走れないことを痛感する局面も。そして、それでも信念を曲げずに人間として成長するさまを表現しているのも見どころのひとつとなっている。

(C)2019WOWOW INC.

おおぞら銀行を世界的なメガバンクにしたいという野心を持っている立川との対立や、父親の無念を背負い、おおぞら銀行の取締役に就任した春樹の画策など、困難が次々と襲いかかる。監査役から頭取になった主人公・野崎の変遷は、シリーズを通して見ると面白さ倍増。織田にしか醸し出せない存在感、軽やかさと重みを兼ね備えた演技に注目したい。

文=山本弘子

放送情報【スカパー!】

連続ドラマW 監査役 野崎修平(全8話)
放送日時:2025年1月5日(日)8:00~

連続ドラマW 頭取 野崎修平(全5話)
放送日時:2025年1月5日(日)16:00~

チャンネル:WOWOWプラス
※放送スケジュールは変更になる場合がございます