岡田准一と宮崎あおいが夫婦役で2度目の共演!日本独自の暦作りに尽力した安井算哲の半生を描く「天地明察」
2025.12.30(月)
日本で初めて独自の暦を作り上げた安井算哲の半生を描いた、冲方丁によるベストセラー小説「天地明察」。将軍に囲碁を教える役職であると同時に、天文と算術に目がない算哲が、長く使われていた暦のズレの理由を解明、修正し、正しい日本の暦を作るという壮大な物語だ。
2012年に映画化された際は、豪華なキャストが話題を呼んだ。主演は岡田准一で算哲役を務め、妻となる女性・えんを宮崎あおい(※「崎」は正しくは「立さき」)が演じた。2人が夫婦役で共演したのは、2008年公開の映画「陰日向に咲く」に続いて2度目となった。また、岡田と宮崎が2017年に結婚したのは周知の通りで、それだけに2人の演技に注目したい作品と言えるだろう。
■算哲の純粋さと熱い心が伝わってくる岡田准一の演技
物語は、岡田が演じる算哲が屋根の上で星を眺めているシーンから始まる。満点の星空を見上げて声を出して微笑んだり、楽しげに夜空を見回したりする姿は、子どものように無邪気だ。また、神社に面白い設問(和算の問題が書かれた絵馬)が掲げられたと聞けば、駆けつけて一心不乱に問題を解こうとする。
そんな姿からは、算哲が天文と算術に心を奪われているのがよく伝わってくる。また、将軍に囲碁を教える際にあらかじめ決められた手を打つことを嫌い、腹を決めた表情で石を置いて、本因坊道策(横山裕)との真剣勝負を求めるといった熱のある一面も見せる。
天文と算術を愛し、熱い想いを持つ算哲を、岡田が説得力を持って演じているからこそ、その後命じられる北極出地(日本各地で北極星の観測を行う)で奮闘する姿、最初に選定した暦が間違っていた時の苦悩、それでも正しい暦を追い求める算哲の姿が、自然と心に入ってくる。
その一方で、えんの愛らしい笑顔が直視できずに顔をそらしてしまう純朴さや、置き忘れた刀を大声をあげて取りに戻るコミカルなシーンなども、岡田はとても純で、人間臭く演じている。物語が始まって間もないうちに、多彩なシーンとそれに合った岡田の演技によって、算哲という人物の幅がより広がり、より魅力的なキャラクターとなっているのだ。
■表情豊かで気が強いえんを魅力的に演じた宮崎あおい
宮崎が演じたえんは、算哲が設問を解きに訪れた神社で出会う。縁談を断り続けていたため、神社に行儀見習いに出されていたというえんは、実に表情豊かだ。設問に夢中になり、掃き掃除の邪魔になっている算哲を困ったように見つめ、また、登城のために慌てて去る姿を不思議そうに見送り、忘れ物をして慌てて戻った算哲に愛らしい笑顔を向ける。
えんの兄が塾を開いていたことがきっかけで、その後2人は再会し、緩やかに気持ちが近づいていく。北極出地で遠征している算哲からの手紙を読む時の笑顔や、兄に算哲との結婚を問われた時に見せる気が有りそうだが迷っている様子、すぐさま「ご自分の嫁子に心配をなさってください」と言い返す時の強い眼差しなど、えんは常に芯があり、明るい空気に満ちている。
算哲がえんに惹かれることも納得できるし、そういった女性をしっかり演じられるのも、宮崎の演技力と、宮崎自身が持つ愛らしさがあってこそだろう。
暦の修正、作成は一筋縄ではいかない大事業で、正確さが求められるのはもちろんのこと、古来より暦を司ってきた朝廷の妨害もある。物語は山あり谷あり、算哲の師匠の死や、結ばれた2人の仲睦まじいシーンもあれば、算哲が命を賭けて新しい暦を世に広めんとする場面もある。
そしてどのシーンでも、岡田、宮崎ともに、自然で、魅力的な演技で物語に惹き込んでくれる。特に、結婚を決めた2人が縁側で語り合うシーンは、胸に強く残る名場面と言えるだろう。岡田と宮崎、2人の心のこもった演技を、ぜひ本作で堪能してほしい。
文=堀慎二郎
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