20代の岡田将生と蒼井優が対極ながら惹かれ合うキャラを演じた時代劇「雷桜」
2025.12.29(日)
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当時、20代の岡田将生と蒼井優がW主演し、初の時代劇にチャレンジしたのが1月3日(金)に時代劇専門チャンネルで放送される「雷桜」(2010年)だ。原作は当時、女性を中心に支持された宇江佐真理による恋愛時代小説。メガホンをとったのは「余命1ヶ月の花嫁」や「ノイズ」など話題作を次々に送り込んできた廣木隆一で監督自身も時代劇は初の試み。日本版ロミオとジュリエットとも評された。

⒞2010「雷桜」製作委員会
岡田が演じているのは徳川家に生まれながら、その生い立ちもあり、"うつけ"、"心の病"と言われている斉道。蒼井は幼い頃に理右衛門(時任三郎)にさらわれ、人里離れた山奥で自由に生きてきた野性的な雷/遊を演じている。沖縄や九州でロケが行われた本作を撮るに当たって、主演の二人は乗馬や殺陣の訓練に励んだというが、大自然の中を白馬に乗って風を切って颯爽と走る蒼井は恋という言葉も知らないであろうワイルドな少女になりきり、家臣たちに気を使われて生きてきた斉道を演じる岡田は自己中な反面、傷つきやすい殿になりきった。育った環境が違いすぎる2人が出会い、初めての感情を抑えきれず、恋におちる物語だ。岡田と蒼井の瑞々しい演技、物語の象徴となる大木など大自然の映像美もふたりの儚く情熱的な恋を演出している。
■岡田演じる不安定な殿の心を解き放っていく野生のヒロイン
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⒞2010「雷桜」製作委員会
幼い頃の記憶が張りついて悪夢ばかり見ている斉道が心を許しているのは家臣に昇格した瀬田助次郎(小出恵介)のみ。しかし、その瀬田にすら、気に触ることを言われると激昂し、刀を抜くため、家臣のトップである榎戸(柄本明)は瀬田の故郷である村で斉道を静養させることを命じる。瀬田から山奥には天狗がいると聞かされていた斉道は周囲が止めるのも聞かず、ひとりで山に入り、遊(蒼井)と出会う。
「女の天狗に会った」と言われ、それは幼い頃に生き別れた自分の妹に違いないと驚く瀬田。やがて斉道と遊は惹かれあい、斉道は馬に乗って山に行きこれまでに見せたことがない無邪気な笑顔を見せる。自分がうつけだとか病だと言われていることを気にしている斉道に「オマエはオマエだ」と返す遊。夕立の中、両手を広げ全身に雨を浴び、「里なんか大嫌いだ!」と絶叫するシーンも自然児そのもの。叫ぶように促され、恥ずかしそうに鬱憤を爆発させる斉道。キスというより"くちづけ"という表現がしっくりくるシーンも無自覚な純愛だからこそ切ない。
■身分の違いゆえ、引き裂かれていく二人の運命
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⒞2010「雷桜」製作委員会
再会を誓い、斉道は江戸に帰っていき、遊は家族と暮らすようになったものの、綺麗な着物にも馴染めず山に入りびたり。娘の様子を案ずる母(宮崎美子)に「身分の違いとはなんだ」と食ってかかる。江戸で一途に遊のことを思いながらも、徳川家で自分が置かれている立場を理解している斉道と、世の中の常識とは無縁の場所で生きてきたため本能的で自分の気持ちに嘘がつけない遊。愛し合うことで周囲に起こる悲劇に声も出ないほどの悲しさを表現し、それでも斉道への愛を伝え続ける蒼井の憑依型の演技は後半にいくにつれ、迫力を増し、遊の生き方に憧れに近い感情も抱いていたであろう岡田の演技は対照的にやるせなさを増していく。雷で真っ二つに割れたにも関わらず、春には桜が咲き、秋には銀杏が色づく木の下でドラマを重ねた恋愛。若き日の岡田と蒼井だからこその一途な芝居と眩しさがスクリーンに刻まれている。
文=山本弘子
放送情報【スカパー!】
雷桜 主演:岡田将生 /蒼井優
放送日時:1月3日(金)9:00~
放送チャンネル:時代劇専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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