二階堂ふみ＆チェ・ジョンヒョプのスイートな"ケミ"にときめく！Omoinotake「幾億光年」が映えるファンタジックな恋愛ドラマ「Eye Love You」

2024.12.28(土)

テレパシー能力があるから、相手の心の声が聞こえて、その本音が分かってしまう...。昭和の昔から少女漫画や恋愛ドラマで何度も使われてきたこの設定で新機軸を打ち出したのが、2024年1月クールに放送された「Eye Love You」だ。恋愛ドラマ枠として人気のTBS火曜ドラマで、主演・二階堂ふみの相手役に韓国人俳優チェ・ジョンヒョプを迎えるという新しい試みをしたことでも、話題になった。

「Dolce & Chocolat.」の若き社長・本宮侑里(二階堂)は、過去に海で事故に遭い、その時に父の誠(立川志らく)の体が不自由になり話すことができなくなった。そんな過去を抱えながら、環境に配慮したおしゃれなチョコレートやコーヒーを販売拡大するというビジネスに邁進している。会社には、大学時代の同級生である専務取締役の花岡彰人(中川大志)、腕利きのショコラティエの池本真尋(山下美月)を始め、信頼できるスタッフたちが揃い、仕事面は充実していた。

しかし、侑里は事故をきっかけに、目を合わせた人の心が読めてしまう"テレパス"の能力を持つようになっていた。恋愛をしても、相手の心の声が聞こえて傷ついてしまうので、恋することを諦めて生きてきたのだ。

夜は自分のマンションでひとり過ごし、おいしい料理のデリバリーを頼むのが楽しみ。韓国料理を何度も頼むうちに配達員のユン・テオ(チェ・ジョンヒョプ)と知り合う。テオは日本の大学で野生動物保全学を学ぶ留学生であり、さらに日本での就職を考えて、侑里の会社でインターンをすることになった。

お互いを恋愛対象として意識する侑里とテオ。侑里はテオの顔を見つめて心の声が聞こえてきても、それが韓国語ゆえに意味がわからないことに安心して、彼と付き合うことにするが...。

■恋する女性のときめきを体現した二階堂ふみ、 "年下の彼"がぴったりハマるチェ・ジョンヒョプ

この「心の声が外国語だから、聞こえても理解できない」というのが、これまでの作品にはなかったポイント。地上波で第1話が放送されたときは、少女漫画家を始めとするクリエイターたちが「その手があったか！」と驚いていた。相手の思いが分からないから安心できるけれど、なまじ声は聞こえるので気になってしまうという、この作品独自の展開が面白い。

そんな設定も含め、絵本やさまざまな言い伝えも関係してくるファンタジックなラブストーリーで、東京やソウルでロケを行った映像も明るめのトーン。キラキラの画面の中、二階堂が恋愛ドラマのヒロインとして美しく輝いている。侑里は、カカオの廃棄される部分を有効利用するなど、環境に優しいビジネスをしたいという目標を持ち、交渉力も実行力もあるが、「おなかが減ると、とたんに怒りっぽくなる」という弱点があり、料理上手でおいしいお店も知っているテオは、まず侑里の胃袋を掴むことに。二階堂は恋する女性のときめきを大きな目で伝えつつ、コミカルな部分も嫌味なしに演じ、女性の共感を呼ぶ。

女性が社長、男性が部下という、ひと昔前とは男女の立場が逆転したシチュエーションも韓国ドラマによくある設定で、楽しい。チェ・ジョンヒョプは子犬のような笑顔と人なつっこさが魅力で、「年下の彼」という役柄にぴったり。かと言って、テオという男性は頼りがいがないわけではなく、186cmの長身で、侑里が抱きついてもビクともしないし、夜道を歩く時はしっかりガードしてくれる。まさに恋愛ドラマの理想的な彼氏を、こちらも嫌味なく演じている。身長差のある二階堂とチェ・ジョンヒョプのカップリングも、ギャップがあってキュートだ。

毎回、ドラマのラストを盛り上げる主題歌は、3ピースバンド・Omoinotakeの「幾億光年」。星空をモチーフにした物語にぴったりのドラマソングで、12月31日のNHK紅白歌合戦に初出場し、この曲を披露する。

「幾億光年」がぴったりとハマるファンタジックな恋愛ドラマの行く末を、二階堂とチェ・ジョンヒョプの演技に注目しながら楽しんでほしい。

文＝小田慶子

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