田野優花&かれしちゃんが体当たりで挑んだ新感覚のエロティック・ホラー!田野優花「今の私の最大限の覚悟を全て出し切ることのできた作品」映画『ぼくらのふしだら』
2024.12.27(金)
2025年1月3日(金)よりテアトル新宿ほかで全国順次公開される映画『ぼくのふしだら』。
結城美菜実は、溢れる性欲と引き換えに時間停止能力を手に入れた。時間を止めるたびに、肌に刻まれた"性欲カウンター"の数値は上がっていく。その凄まじい性欲を満たすため、幼なじみの鏑木信一に体を預けるふしだらな日々。時間停止能力により美菜実の生活は彩りを持ち始めるが、逆に心は黒く染まっていく...。
主人公・美菜実を近年映画や舞台の話題作への出演が続く田野優花が演じ、美菜実に時間停止能力を授ける性別を持たない謎の存在・ササヤキを演じるのは、本作が映画初出演の"可愛すぎるフェチ系コスプレイヤー"かれしちゃん。美菜実が唯一心を開いている幼馴染・鏑木信一役をドラマ・バラエティで活躍中の植村颯太が演じる
今回は田野優花とかれしちゃんにインタビューを行い、演技についてや、撮影時のエピソード、公開を迎えた心境について語ってもらった。
――原作(または台本)を読まれた時の胸中を教えてください
田野「オファーをいただいてからまず原作漫画を読んで、描写にびっくりしました。そのあとに台本を読んだら、映画として成立させるために、原作の魅力をそのままに本当に面白い脚本になっていたので、ぜひ受けたいなと思いました。直近に脱ぎのあるシーンの多いドラマ※『愛の掛け算』(配信:BUMP)の撮影直後にいただいたお話だったので、それを活かして頑張れるかな、と思ってすぐ受けたいと思いました」
かれしちゃん「もともと原作を読んでいたんです。原作はストレートにエッチな目で見てました(笑)。台本になったらエロティックではあるんですけど、映画としての上品さがあって少し印象が変わりましたが、原作にもある美菜実ちゃんとササヤキのバチバチな関係をしっかり描いていたりもして、映画としてとてもいい作品になっていると思いました」
――ご自身の役どころについて、どのように受け止めましたか。何を意識して演技されましたか。役とご自身の共通点はありましたか?
田野「意識した点は、どこにでもいる身近な女の子になるように、そんな子が欲に溺れていく人間らしさというところです。落ちぶれていく人の「目が死んでいるところ」の表現はかなり意識して頑張りました。美菜実と自分との共通点が全くなくて、正反対だからこそ演じきれたところもありました」
かれしちゃん「田野ちゃんの美菜実はめっちゃかわいくて、それでいて本当に"いそう"ですよね。美菜実ちゃん、エッチでした(笑)。ササヤキを演じる時に意識したところは、できるだけ人間味を出さないようにしようというところです。仕草もそうですけど、声のトーンをできるだけ抑揚を抑えて、何を考えているのかわからないように頑張りました。美菜実ちゃんのような欲深い、人間らしい女の子とササヤキの正反対さが物語を深めていると思います」
田野「ササヤキは私には出せない雰囲気を見せていました。かれしちゃん、演じるの本当に難しかったと思います。覚悟がないとできない役だと思うので、かれしちゃんに身を任せて物語に飛び込めたところがありました」
──27歳にしての制服姿!眩しかったです!
田野「アイドル時代は制服に対する抵抗感が少なからずありましたが、今では慣れました!実年齢と違う人物を演じるのも役者の魅力の一つだと思いますし、27歳でセーラー服の学生役に抜擢していただけるなんて...ありがとうございます!やはり今の年齢でセーラー服を着られるのは嬉しいし、『自分まだまだいけるぞ!』という自信をいただきました(笑)。」
──かれしちゃんさんは、ダークな扮装は人生初とのことでした
かれしちゃん「ボクは日常的にコスプレをしているので扮装に対する抵抗感はありませんが、男装っぽい恰好はしたことがなかったので、果たしてオールバックは似合うのかと不安がありました。でもダークな衣装とメイクに合わせてみたら、ボクが狙った中性感も出ていたので「意外とあり!?」と思いました(笑)」
──様々な"ふしだら"シーンに体当たりされましたね
田野「小林大介監督と"ふしだら"シーンの見せ方についてディスカッションする中で、美しく見せるという方向性で意見が一致しました。参考作品にしたのはナタリー・ポートマン主演のサイコスリラー『ブラック・スワン』です。腰の上げ具合や女性ならではの曲線美を研究しました。かれしちゃんと植村颯太さんもとても優しく、二人とも思い切りやってくれたので凄くありがたかったです。一人で"ふしだら"なことをする場面では、変に慣れ過ぎた感じを出すのではなく、本能の赴くままにしているぎこちなさと乱暴さを意識しました」
──そんな田野優花さんを性的に攻める"ふしだら"シーンの思い出はありますか?
かれしちゃん「冒頭のシーンはボクの経験不足で6回くらいリテイクしています。ササヤキは攻める側ですが、ボクは攻めるのが得意ではないので塩梅がわかりませんでした。ダークな扮装でクールに演じていますが、心の中では「田野ちゃん何度もゴメンなさい!」と謝っています(笑)。6回目のリテイクで「もうどうにでもなれ!」と頭の中が大爆発したことで、本能のままに演じることが出来ました」
――「青鬼」も手掛けている小林監督の撮影現場でしたが、監督やスタッフさんのこだわりや現場の雰囲気、裏話などありますか?
田野「監督はすごくフランクな方ですけど、こだわりがすごかったです!特にクライマックスの屋上のシーンは大変でした。3テイクくらいで終わるかな、と思いきや、10テイクくらい撮りましたね。寒かったし大変でした。涙を流さなければいけないシーンだったので、『私ってこんなに何回も涙流せるんだ!』と自分にびっくりしました。信一役の植村くんもテンションを落とさずに食らいついてくれていて、こだわりの詰まったいいシーンになっていると思います」
かれしちゃん「僕は映ってないところでストーブにあたりながら大変そうな二人を観ていました(笑)」
かれしちゃん「僕が印象的だったシーンは冒頭のみなみちゃんとのベッドシーンですね。最初本当に緊張していて、田野ちゃんにも支えてもらって、監督から『硬すぎるからもっと柔らかく!』と声が飛んできたりもして、『やばい!がんばらなきゃ!』と必死でした。撮影が始まってすぐに絡みのシーンだったので、頑張って気持ちをもっていきました」
田野「私はササヤキに流される立場だったので気持ちをもっていきやすかったですけど、かれしちゃんは女の子をリードする役回りなので大変だったと思います」
──今回の撮影を振り返って思うことは?
かれしちゃん「すべての出来事が思い出深くて、全部が濃い経験になりました。忘れられないのは、クライマックスの夜の屋上シーンです。とにかく夜風がビュービューと寒くて...。みんな一生懸命頑張っているのに弱音なんて吐いてはいられない。でもボクは寒いのが苦手。撮影が終わるまで『頑張れ、ボク!』と心の中で自分を励ましていました。演技経験の浅いボクですが、今回の撮影ではササヤキという謎めいたキャラクターを通して自分の持てる力の全てを出し切ってぶつけた感覚があります。観客の皆さんには映画を観て浸って、ふしだらな世界に飲み込まれていただきたいです」
――本作は「性欲と引き換えに時間停止能力を手に入れた女子高生」の物語ですが、もし自分に大きな代償があったとしても"手に入れたいもの"はありますか?
田野「どんなに食べてもおなかいっぱいにならない胃がほしいです。食べ物が大好きで、いろんなものを食べたいのに胃のキャパが小さくて...。いっぱい食べると次の日は本当に動けなくなっちゃって。無限に広がる胃袋がほしいです!」
かれしちゃん「どんなゲームでもトップレベルまで上手くなる力がほしいです!オフの時間はずっとゲームしているので、どんなゲームも極められるようになりたいです」
──公開を迎えた今の心境を教えてください
田野「『ぼくらのふしだら』は、今の私の最大限の覚悟を全て出し切ることのできた作品です。パブリックイメージや継続している仕事の関係もある中で、この作品の出演をOKしてくれた事務所の方々、そして私を主演に選んでくださった映画製作側の方々に感謝しています。AKB48時代からのファンの方の中には、複雑な反応をされる方もいるかもしれませんが、俳優・田野優花としての全力をスクリーンで観ていただき、新しい形で評価してもらえたら嬉しいです」
――最後にこの記事を読む方にメッセージをお願いします
田野「『こんなことやっちゃう!?』という物語を存分に楽しんでほしいです。腹をくくってお芝居をして、皆で一つの作品を作り上げたので、ぜひこのエロホラーを見届けてほしいです!」
かれしちゃん「エロティックホラーという分野ですが、みなみちゃんと信一くんの二人がどんな結末を迎えるのかに注目してほしい。それを邪魔しているのか手伝っているのか、ちょっかいを出してくるササヤキの振る舞いも楽しんでもらえると嬉しいです!」
映画情報
映画『ぼくらのふしだら』
2025年1月3日(金)よりテアトル新宿ほか全国順次公開
監督・脚本:小林大介
原作:大見武士「ぼくらのふしだら」(少年画報社「月刊ヤングキングアワーズGH」刊)
出演:田野優花、かれしちゃん、植村颯太、木村葉月、石川翔鈴、岩永ひひお、中村公隆、もりゆうり
制作プロダクション:NeedyGreedy
製作:映画『ぼくらのふしだら』製作委員会
配給:フルモテルモ
2024年/日本/74分/カラー/2:1/PG12
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