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阿部寛と上戸彩のコメディセンスが光る!古代ローマ人の浴場設計技師が現代日本にタイムスリップする映画「テルマエ・ロマエ」

2024.12.15(日)

圧倒的な存在感と熱い演技で、日本エンタメ界に欠かせない役者の1人として知られる阿部寛。俳優デビュー当初はモデル出身ということもあり、いわゆる"イケメン枠"のポジションにいたものの、年齢を重ねるごとに役の幅は広がり、コメディを演じる才能も開花。2000年のドラマ「TRICK」や映画「発狂する唇」を始めとする作品で演じた、マイペースでクセの強い役柄で強烈なインパクトを残し、以降は、コメディタッチの作品はもちろん、シリアスな社会派や熱い人情ドラマなど、幅広いジャンルの作品の数々で主演を飾っている。

そんな阿部の生来のビジュアルとコメディセンスの両者を最大限に発揮した映画が、同名人気コミックを実写映画化した「テルマエ・ロマエ」(2012年公開)だ。

阿部寛が肉体美も披露しながら古代ローマ人を演じる
阿部寛が肉体美も披露しながら古代ローマ人を演じる

(C)2012「テルマエ・ロマエ」製作委員会

古代ローマ帝国で、浴場設計技師として働くルシウス(阿部)は、生真面目すぎる性格が災いし、職を失ってしまう。落ち込む中、友人に誘われて訪れた公衆浴場で、浴槽内に開いていた大きな穴に吸い込まれてしまうルシウス。気がつくと、"平たい顔族"の人々が集う現代日本の銭湯にタイムスリップしていた彼は、富士山の壁画や黄色い風呂桶、フルーツ牛乳など、日本の風呂文化に衝撃を受ける。古代ローマ帝国に戻ったルシウスがそのアイディアを取り入れたところ、瞬く間に大人気に。その後、再度現代の日本にタイムスリップした彼は、とある漫画家の自宅の浴槽内に着き、プロを目指す漫画家アシスタント・山越真実(上戸彩)に出会う。実は真実は、ルシウスが銭湯に現れた時から、その姿を目撃していた...。

■奇想天外なコメディで阿部寛と上戸彩のコメディセンスが光る!

(C)2012「テルマエ・ロマエ」製作委員会

人気漫画家・ヤマザキマリの出世作を実写映画化した本作で阿部が演じているのは、現代文明に接し、カルチャーショックを受ける古代ローマ人・ルシウス。ローマ帝国と"テルマエ"と呼ばれる公衆浴場をこよなく愛する浴場設計技師のルシウスは、"常にくつろげる空間"としてのテルマエを作るべく自問自答を繰り返している男性だ。そんなルシウスの生真面目さを、阿部は淡々としたモノローグと無表情で表現。よりよいテルマエを生み出すために、現代日本の技術やアイディアに驚くリアクションや、積極的に取り入れようとする姿勢とのギャップによって、絶妙な笑いを作品にもたらしている。そして、テルマエや現代日本の銭湯での入浴シーンで惜しげもなく披露する鍛え上げられた肉体にも、阿部の役作りにかける並々ならぬ情熱が感じられるはずだ。

そして、ルシウスとの出会いによって大きく運命を動かされる漫画家志望の真実を演じているのが、人気・実力ともに日本を代表する役者として成長した上戸だった。真実の行きつけの銭湯で、女湯に現れた全裸のルシウスの姿に、「ケンシロウ...」と思わず呟いてしまうほど、漫画「北斗の拳」を愛している真実。頭に体重計を投げつけられ、その場で気絶したルシウスをスケッチしてしまうほど、漫画を書くことが大好きな女性だ。
ルシウスが倒れた瞬間に瞳を輝かせたかと思いきや、彼に接近し、その肉体美をスケッチブックに描くシーンでの上戸の真剣な眼差しからは、真実がルシウスと同じ、自分の仕事に全力で向き合う人間であることが伝わってくるのだ。そして、意識を失い続けるルシウスが男湯にいた老人たちに連れ去られるシーンで、上戸は「今、スケッチしているのに連れて行かないでよ!」とでも言うような真実の内心を豊かな表情のみで語り、阿部に勝るとも劣らないコメディセンスを披露している。

ヨーロッパ最大級の撮影所・チネチッタのオープンセットで撮影された古代ローマの場面では、阿部以外にも、外国人たちに混じって、日本人俳優たちがローマ人を熱演。皇帝役の市村正親をはじめ、北村一輝、宍戸開、勝矢といった役者陣の濃いビジュアルも見どころのひとつ。

日本人がこよなく愛する公衆浴場をテーマに、笑いと共に歴史も学べる本作。阿部と上戸の軽妙な演技も味わえる、極上のエンターテインメントムービーだ。

文=中村実香

放送情報【スカパー!】

映画「テルマエ・ロマエ」
放送日時:2024年12月30日(月)18:00~

映画「テルマエ・ロマエⅡ」
放送日時:2024年12月30日(月)20:00~
チャンネル:WOWOWシネマ

※放送スケジュールは変更になる場合がございます