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今見ても引き込まれる織田裕二と矢田亜希子の好演を堪能!色褪せぬ名作ドラマ「ラストクリスマス」

2024.11.28(木)

1980年代後半から1990年代前半にかけて、一大ムーブメントを巻き起こした"トレンディドラマ"。その中にあって名作と呼ばれた「東京ラブストーリー」(1991年放送)の流れを受け継いだ作品が、2004年に放送された「ラストクリスマス」だ。
主演は「東京ラブストーリー」で大ブレイクを果たした織田裕二で、同作の制作に関わっていたメインスタッフも集結。さらにヒロイン役として矢田亜希子が出演している。当時を振り返りながら、「ラストクリスマス」での織田と矢田の好演について見ていきたい。

■親近感抜群の織田裕二の演技はいつまでも見ていたくなる魅力に満ちている

2000年前後の織田は、1997年からスタートした「踊る大捜査線」シリーズの主役・青島俊作役として大活躍中だった。2003年公開の劇場版第2作「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」は実写邦画史上トップの興行収入を記録し、今も破られていない。「ラストクリスマス」全話の平均視聴率が20%を超えたのも、そんな織田の活躍が背景にあったと言えそうだ。

織田裕二と矢田亜希子が共演した「ラストクリスマス」
織田裕二と矢田亜希子が共演した「ラストクリスマス」

本作で織田が演じるのは、スポーツ用品を扱う「ハートスポーツ」の事業部に務める春木健次。海外出張時に、取締役の新谷吾郎(伊原剛志)の秘書・青井由季(矢田)と出会う。そして偶然にも、健次が暮らす部屋の隣に由季が引っ越してくる。しかもお互いの部屋は、元々1つの部屋だったものを改装して2部屋に分けた物件で、木のドア1枚で繋がっていた。

そんなユニークな設定を舞台に、織田は織田らしい、爽やかで熱のある演技を見せてくれる。部下と一緒にスキーを楽しむシーンでは、とても気さくで親しみやすい印象を受ける。また、1話で偶然由季の過去を知ってしまった時の心苦しそうな様子や、その後、ベランダで由季とお酒を飲む時の落ち着いた声や雰囲気などには、周りの人がつい心を許してしまう、そんな健次の人柄が表れている。

画面に映し出される健次の表情、声、その存在がスッと心に入ってくるのは、織田自身の魅力と演技力はもちろん、裏表のない"春木健次"という人物像と織田がピッタリとマッチしているからだろう。健次の姿を見ているとなぜかホッとするし、いつまでも見ていたくなる魅力がある。

■過去に重い経験を持つ由季を魅力的に演じた矢田亜希子

一方の矢田亜希子も、2000年代初頭にドラマで大いに活躍。2002年放送のドラマ「マイリトルシェフ」で連ドラ初主演を果たし、2003年には医療ドラマの金字塔「白い巨塔」に出演したことでさらに名を高めた。愛らしいルックスは好感度も高く、多くのCMに出演し、写真集も出版していた。

そんな矢田が演じる由季は、会社では清楚に振る舞っているが、実はレディースだった過去を持つ。初めて健次と顔を合わせた時は、確かに美人でおとなしいイメージだが、引っ越しの時にシャキシャキと指示している様子や、健次の部屋に繋がるドアを勢いよく叩く様子などにはヤンキーっぽさがあるし、矢田はその由季の変わりっぷりを実にユニークに演じている。

また、雪山でリフトに乗っている時、おそらくは健次が用意したであろう誕生日のメッセージを見て心が温まっているような笑顔になったり、はたまた酔っ払って健次の部屋に押しかけた時の酩酊ぶりなど、自然で豊かな演技でシーンを彩ってくれる。

とある過去が原因となって、由季は真の恋愛から距離を置くようになっていたが、実直な健次と出会ったことで少しずつ変わってゆく。その変化の様子もまた、本作における矢田の演技の注目ポイントと言えるだろう。

本作は20年も前の作品だが、秀逸なストーリーはもちろん、それぞれの俳優の個性や輝きもしっかり画面に映し出され、視聴者を引き込む魅力に満ちている。今も色褪せない名作が持つ感動を、この冬にじっくり堪能してみてはいかがだろうか。

文=堀慎二郎

放送情報【スカパー!】

ラストクリスマス
放送日時:2024年12月24日(火)14:00~
チャンネル:フジテレビTWO
※放送スケジュールは変更になる場合がございます