佐野勇斗、『六人の嘘つきな大学生』の共演メンバーが仲が深まったきっかけは赤楚衛二
2024.11.20(水)
浅倉秋成の大ヒットミステリー小説を実写映画化した『六人の嘘つきな大学生』が11月22日(金)に公開される。
就職活動を舞台に6人の登場人物の裏の顔が巧みに暴かれていく"密室サスペンス"要素と、暴かれた嘘と罪の真相を検証しながら自らの人生と向き合っていく"青春ミステリ"要素を掛け合わせた本作。
今回は、九賀蒼太を演じた佐野勇斗にインタビュー。本作の魅力や、就職活動にちなんで考えたことなどをたっぷりと語ってもらった。
――本作の魅力を教えてください
「この作品は、前半と後半で全然毛色が違うところが魅力かと思います。前半では手を取り合って協力している感じを見て"自分も頑張ろう"と思えると思うんです。でも、後半は全員が嘘をついているし、緩急もある。お芝居場も半分ぐらい同じ場所だし、6人だけでのお芝居も多いので、全てがごまかしきかないというか。演じている上でも10年役者をやっている僕としては"ちょっと試されてんな、勝負だな"って引き締まる思いになりました」
――舞台を見てるような感覚にもなりました
「本当に僕もよく言ってるんですけど、普通の映像作品と違って、芝居の作り方もかなり細かく、ここではここに立つとか、舞台を作ってる感覚で。セットの中でリハーサルもしたんですけど、立ち位置を決めたりして、舞台をしている感覚でした」
――そうやって挑んだ完成作を見たときの感想を教えてください
「原作と脚本が違うので、結構悩みながらやったんです。脚本で描かれていないこともたくさんあったので、そこをどう色付けしていかなきゃいけないかとか、自分で作っていかなきゃいけない部分も多くて。監督と話してどう繋がって見えるのかなとか違和感をもたないかなと思ってたんですけど、完成を観たときに安心しました」
――佐野さんが演じた九賀蒼太はどんな役ですか?
「洞察力もありますし、周りを見る力もあります。先のことを考えてそれを実行に移す力もある。ただ考えが、ちょっと幼稚なところもある気がしていて、それが良い意味で人間っぽいのかなと思いました」
――クランクアップ時のコメントで、九賀に共感できるところとして「自分に厳しいところとか信念を曲げられないところ」と答えてらっしゃいました。具体的なエピソードを教えてください
「細かいとこまで、自分に対して厳しいんですよね。全てのことに対してちょっとでも"まあいっか"って思っちゃうと、家帰った後にめっちゃ後悔します」
――ご自身に厳しい、ということは、ご自身のグループに対してもストイックに向き合われているのではないでしょうか
「月に1回ぐらい自分たちに喝を入れる日があるんです。やっぱり気持ちを保っていかないと、だれていくので。定期的に言うようにしています」
――作品のSNSを見ていても、6人の仲が良い印象があります。ぐっと仲が深まった瞬間はいつですか?
「それ、みんなで話してるんですけど、ピンと来ないんですよね。ただクランクアップ後、この取材が始まりだしたくらいのタイミングで、グループトークに"今暇だから電話しちゃう?"とかって、赤楚さんから連絡が来て。その辺からちょっと心を開き始めました。オンライン飲み会のようなこともしましたね」
――電話って少しハードル高くないですか?
「ね。僕、心を開くのに時間がかかるタイプなんですけど、そのハードルを感じさせないのが赤楚さんの魅力なんだろうなと思いました。しょっちゅう、よくわかんないメッセージを送ってくるんですけど、赤楚さんがいなきゃ、ここまで仲良くなっていないかもなと思います」
――赤楚さんのお話が出たので、他の皆さんの印象も教えてください
「浜辺さんは物静かな印象だったんですけど、すごくよくしゃべる、赤楚さんと2人でムードメーカーだったなと思います。めちゃくちゃ人の話を聞いてくれるし、周りを回す力があります。山下さんは、めちゃくちゃトークがうまくて、自分をさらけ出すことをしてくれる人。みんなが1つ深ぼった話をできるようになったきっかけが、山下さんだと思います。倉さんは、弟キャラですね。僕は、あまり自分の話をしないタイプなんですけど、すごく何気ないことを話してくるタイプで。すごくかわいいなと思います。西垣さんは、めちゃくちゃ気遣いです。タメ口ではあるものの、赤楚さんとか僕のことはきちんと先輩扱いをしてくれる。すごい誰にでも好かれそうだなと思います」
――ちなみに、SNSでは6人でM!LKポーズもしていましたね。ちょっとしたブームとなっていますが、あれはどなたが言い出したのでしょうか?
「もちろん、僕が言うわけはなくて(笑)。あれは浜辺さんが言い出しました。みんなで"六嘘ポーズ"というのも決めたのに、なぜか"M!LKポーズやろうよ!"って愛のあるいじりをしてくれて。本人たちには言わないですけど、めちゃくちゃ嬉しかったですね」
――就職活動において、ほどよく仲を詰めるシーンはあるように思えます。佐野さん自身、いろんな現場でたくさんの方と共演されていると思います。そのときに、仲を詰めるための秘策を教えてください
「僕、人の話を聞くことが好きなので、たくさん話を聞いちゃいますね。好きな色とか。聞いたところで、なにかわかるわけではないんですけど(笑)。あとは、ちょっと重いんですけど、聞ける人には"何のために、この仕事を頑張っていますか?"って聞いちゃいます。結構皆さん答えてくれますよ。特に何も考えてないよとかって人、あまりいない気がしますね。あとは、最近楽しかったことも聞いています」
――ちなみに佐野さんご自身が、"何のために、この仕事を頑張っていますか?"と聞かれたら?
「M!LKのドームツアーです。それ以外ないです」
――最後に今作を通して、就活について考えたことはありますか?
「難しいなと思いました。取り繕ってしまうのは当たり前だし、何が正解かなんてないだろうなと思いました。本当に運とか巡り合わせの中での出会いだと思うので、とにかくうまくいかなくても、気にしないでいてほしいですね、自分を良く見せる方法で十分に伝えられたらいいと思うんですけど、自分の後悔しないことができればいいんじゃないかなと思いました。うまくいかなくても"私を落とすなんて"バカだなくらいに考えて」
取材・撮影=於ありさ
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