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青山なぎさ、ソロアーティストとして踏み出した新たな一歩 ファンとともに作り上げた1st LIVE『KAIHOU』

2024.11.13(水)

1st LIVE『KAIHOU』を開催した青山なぎさ
1st LIVE『KAIHOU』を開催した青山なぎさ

声優・アーティストとして活動する青山なぎさが、2024年11月4日に1st LIVE『KAIHOU』を豊洲PITにて開催した。

『ラブライブ!スーパースター!!』の葉月 恋役や『SYNDUALITY Noir』のシエル役、そしてミュージカルでも活躍している青山。今年5月に配信シングル『解放』でソロデビューを果たすと、10月には青山が全10曲作詞を担当した1st Album『解放』をリリースした。今回のライブはタイトルにもあるように、アルバムを引っ提げたものとなっており、セットリストからは青山が楽曲に込めた思いがダイレクトに伝わってきた。

青山なぎさ 1st LIVE『KAIHOU』の様子

青山のアーティストカラーでもある赤色のペンライトに会場が包まれる中、「解放」のMVで着ている衣装とは一転して、シルバーのドレスを纏った青山が登場し「ステップ」を披露した。陽気なメロディに乗せて歌われる青山の歌声に呼応するように、ファンも片手を振って一体感を生み出していく。「みなさん、こんばんは〜! 青山なぎさです」と挨拶した後は、朝日の映像が映し出されたスクリーンをバックに6月に配信リリースされた「キミと」を歌い上げた。

ソロデビューにあたって初めて作詞に挑戦した青山。今回、作詞をするに至った背景には、メディアで思いを伝えるときに本当の気持ちが伝わっているのかわからないという葛藤があったという。青山がうちに秘めた思いは、言霊となってファンに届けられる。

叶わない恋心を歌った「Addicted to you」では青山の妖艶な歌声を響かせると、「シャドウ」では大人な表情を覗かせる。1st Album『解放』のインタビューでは「シャドウ」について、歌声をいつもと変えていることを明かしており、まるでミュージカルの舞台を見ているかのような錯覚に陥ってしまうほど、抑揚のある歌声で魅了した。ミュージカル『ナビレラ』や舞台『かげきしょうじょ!!』といった舞台を経験している青山の真骨頂を垣間見た気がした。

ここまではアップテンポなナンバーが続いていたが、「そよ風」では観客に着席を促して、キーボードをバックにしっとりとした歌声を聴かせる。「Addicted to you」も「シャドウ」も青山の豊かな表情を楽しむことができて素晴らしい体験だったのだが、「そよ風」は青山の繊細でいて力強い歌声との相性も良く、歌唱後にはじんわりと心が温かくなるような感覚を覚えた。1st LIVEにして、ここまで多彩な歌声を披露できるのは青山が歌とまっすぐに向き合ってきたからだろう。

幕間映像では、1st Album『解放』の初回限定盤Bに収録されているロケ映像を青山自身が振り返るという動画が映し出された。用意されたドッキリを一切疑うことなく、無茶振りに挑戦する姿に、会場からは笑いも起こっていた。青山の奮闘ぶりはぜひ初回限定盤Bを購入してチェックしてみてほしい。

真っ赤なドレスに着替えた青山は、アルバムのリード曲「解放」を歌唱。音源を聴いたときから青山の歌声の迫力には驚かされたが、ライブで聴く「解放」は絶品だった。冒頭の高らかに歌い上げるアカペラから、疾走感のあるサビの流れるような歌声に至るまでの声色の変化がとにかく素晴らしい。「wake up」ではロックなパフォーマンスを届け、多彩な歌声を披露する。

バンドメンバーを紹介した後は「Voice」「ホントの気持ち」へ。「Voice」のサビの〈Raise your voice and stand up again〉というパートでは、青山が観客にマイクを向けて、一緒に歌うというライブらしい光景も。1st LIVEからすでにファンとともに作り上げる楽曲となっており、感動的な光景がそこにはあった。

MCでは幕間映像にも登場した俳優の吉田電話が会場に来ているということで、ファンからは吉田コールが起こる。客席に紛れた吉田がスクリーンに映し出されると、会場からは割れんばかりの歓声が起こり、吉田もその声援に応えていた。会場が和やかな雰囲気に包まれる中で、続いて披露されたのはこの日が初披露となる新曲「時が止まればいいのに」。同曲について青山は「冬ソングを作ってみたいと思いました」と語り、2024年12月6日(金)に配信リリースされることも発表した。

「こうしてライブをやらせていただけたのも、みなさんの応援があってこそですので、これからもみなさんの心に寄り添える楽曲を作っていきたいと思っています」「初めてみんなと会ったときは、まだ壁があった。だけど、ライブやイベントに来てくれたり、SNSで反応してくれたりしたことで、心を『解放』できたんじゃないかなって」と心に秘めた思いをまっすぐな言葉で伝えて、本編最後となる「幸せ」を届けた。

アンコールでは、そのまま楽曲に突入するのではなく、今年5月に開催された『BIRTHDAY FAN MEETING 2024』で見たときと同じようにファンとコミュニケーションを取っていたのが印象的だった。ファンを楽しませたいという思いは、たとえライブであっても変わらない。青山の活動のモチベーションになっているのはファンの存在なのかもしれないと改めて思った。

最後の1曲は「ホントの気持ち」「Voice」「wake up」の中からファンの声援の大きさで選ばれた楽曲が披露されることに。その結果選ばれたのは「Voice」。青山はこれまでのライブに思いを馳せるように、多幸感のある笑みを浮かべ、今この瞬間を噛み締めているようだった。「最初アーティスト活動をしますと伝えたときは、まさかこんなに楽しいライブができるとは思ってもいませんでした。でも、こうして私の曲をたくさん聴いてくださって、1st LIVEを楽しみにしてたよという思いを全力でぶつけてくれたみなさんのおかげで、本当に素敵な一日になりました」とファンに感謝を伝えた。

終演後には「時が止まればいいのに」の配信リリースとともに、2024年12月6日(金)にMVの公開、さらには青山なぎさ1st LIVE『KAIHOU』のBlu-rayが発売されることが発表された。このライブに来ることができなかった方は、この機会に円盤を購入して青山の記念すべき1日を味わってほしい。

取材・文=川崎龍也

リリース情報

「時が止まればいいのに」
2024年12月6日(金) 0:00 配信リリース
2024年12月6日(金) 20:00 Music Video公開


Blu-ray 青山なぎさ1st LIVE『KAIHOU』
詳細は近日公開