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浜辺美波の演技の振れ幅と高杉真宙のヘタレっぷりに惹き込まれる!「映画 賭ケグルイ」

2024.10.31(木)

同名の人気コミックを原作として、2018年に実写ドラマ化された「賭ケグルイ」。ギャンブルの強さによって生徒の階級が決まる私立百花王学園を舞台に、主人公の蛇喰夢子が学園を牛耳る生徒会のメンバーをギャンブルで打ち負かしていくという物語だ。

ギャンブルのスリルはもちろん、勝つことへの執念や敗北への恐怖といった極限の感情を、若手俳優が熱のある演技で体現した見応え抜群のドラマに仕上がっていて、season1の翌年にはseason2と劇場版が制作された。さらに2021年には、ネットドラマと劇場版第2作が制作されたほどのヒット作となった。

主役の夢子を演じたのは、浜辺美波。また、物語の重要な人物・鈴井涼太を高杉真宙が演じる。ここでは劇場版第1作「映画 賭ケグルイ」における、浜辺と高杉の演技について見ていきたい。

■浜辺美波の強烈な演技の振れ幅に注目!

浜辺美波と高杉真宙が共演した「映画 賭ケグルイ」
浜辺美波と高杉真宙が共演した「映画 賭ケグルイ」

(C)2019 河本ほむら・尚村透/SQUARE ENIX・「映画 賭ケグルイ」製作委員会

劇場版第1作はドラマのseason2と繋がっていて、生徒会役員を夢子が負かした後から始まる。夢子が最初に登場するのは、同級生の早乙女芽亜里(森川葵)との対戦シーン。言葉で煽る芽亜里に対し、夢子はワクワクを隠せないようで、まさに"相好を崩す"レベルの笑顔を見せる。
そして勝負が始まる。種目はなんとトントン相撲で、ギャラリーの声援の中、夢子に軍配が上がる。その時の相手を見つめる冷徹な眼差しは、勝負前とは別人のようだ。

物語を通して夢子は、深遠な眼差しの表情や、幸福に緩んだような笑顔など、さまざまな表情が矢継ぎ早に入れ替わる。その振れ幅は凄まじいほどで、例えば生徒会に反抗する組織ヴィレッジのリーダー・村雨天音(宮沢氷魚)との会話では、可愛い雰囲気でスイーツの話をした後に、「生徒会長とギャンブルがしたい」と切ない悩みを打ち明けるような表情で語り、去る時には妖艶ささえ感じる微笑みを残していく。

そういった表情と空気の変化が、本作の夢子の強烈な個性となっている。個性的な人物が数多く登場する本作にあって、夢子が強い存在感を放ち続けているのは、浜辺の絶妙な演技があってこそだろう。最後の勝負で「賭ケグルイましょー!」と絶叫する時の狂気に満ちた表情などは、「見なければ損!」というレベルの豹変ぶりだ。

■ヘタレっぷりが痛々しい鈴井を高杉が好演!

もう1人の重要な登場人物・鈴井は、優しいけれど小心者、ギャンブルに向かない性格で、校内では最下層の"ポチ"として虐げられている。しかし、転校してきた夢子の案内係となったことから、いつも夢子の側にいるようになる。

高杉の演技も秀逸で、徹頭徹尾ヘタレている。生徒会が仕掛けたギャンブル「生徒代表指名選挙」のルールが発表された時に、目を見開いてどもったりする様子にはヘタレな雰囲気がよく出ているし、夢子がパートナーに鈴井を選んだ時は、人の良さそうな驚きぶりを見せる。

鈴井からは素直で優しい雰囲気を感じるし、また、そんな鈴井が側にいるからこそ、腹の底が読めない夢子というキャラクターが引き立つ。「生徒代表指名選挙」の予選「票争奪ジャンケン」の制限時間が10分と知らされた時の鈴井のうろたえっぷりはかなりのものだし、だからこそ、その横で楽しげに微笑む夢子の存在が映える。

「映画 賭ケグルイ」から6年が経った今、浜辺も高杉もさらなる飛躍を遂げ大活躍中だ。浜辺は今年、11月公開予定の「六人の嘘つきな大学生」など3本の映画に出演、うち2本は主演と大活躍。さらに2026年放送予定の大河ドラマ「豊臣兄弟!」で寧々役での出演が決まっている。

高杉も2023年放送のNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」でブレイクし、現在放送中の大河ドラマ「光る君へ」での好演も話題となっている。11月公開予定の映画「オアシス」でも主演を務めており、今後の活動からますます目が離せない。

浜辺美波と高杉真宙、これからの日本の映画、ドラマになくてならない2人の俳優の演技をじっくり味わいながら、本作にどっぷりとハマってみてはいかがだろうか。

文=堀慎二郎

放送情報【スカパー!】

映画 賭ケグルイ
放送日時:2024年11月9日(土)11:30~
チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合がございます