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Amazonが「AIショッピングガイド」を導入

2024.10.20(日)

Amazonは消費者向けの新機能「AIショッピングガイド」を米国で発表した。この機能は、AWSの生成AIフレームワーク「Amazon Bedrock」を活用し、ユーザーのニーズに基づいて関連性の高い商品を自動的に表示する。現在、テレビやヘッドホン、ランニングシューズ、スキンケアなど100種類以上の製品カテゴリーで利用可能。

AIショッピングガイドの特徴は、大規模言語モデル(LLM)を用いて製品の情報、スペック、レビュー、トレンドを分析し、ユーザーに最適な製品を推奨することにある。さらに、生成AIによる製品説明やおすすめポイントが文章で表示されるため、ユーザーは製品の特徴を素早く把握できる。

また、Amazonのショッピング向けAIチャットボット「Rufus」との連携により、買い物中の疑問にリアルタイムで回答することも可能となった。AIショッピングガイドは、ユーザーの購買行動を学習し、より精度の高い製品推薦を行うことができる。

Amazonの生成AI戦略、3つのレイヤーで展開

この新機能の導入は、Amazonの包括的な生成AI戦略の一環として位置付けられる。2023年末のAWS re:Invent開発者会議で示されたように、Amazonは生成AIに3つのレイヤーで対応している。

最上層は「アプリケーション」レイヤーで、AIショッピングガイドやRufusがこれに該当する。中間層は「モデル」レイヤーで、AWSは顧客が様々な基盤モデルから選択できる環境を提供している。最下層は「インフラ」レイヤーで、AWSは自社開発の「Gravitonシリーズ」や「Inferentia」などの高性能半導体を用意し、生成AIの学習や推論を支える演算能力を提供している。

AWSのアダム・セリプスキーCEOは「顧客にとっては選べることが重要だ」と強調し、特定のモデルに縛られないオープンな姿勢を示している。この戦略は、マイクロソフトやグーグルとの差別化を図るものでもある。

一方で、アマゾンのCTOであるワーナー・ヴォゲルス氏は「AIは予測をするが、判断をするのはプロの仕事である」と述べ、AIの活用における人間の役割の重要性を強調している。

AIショッピングガイドの導入は、Amazonが掲げる「あらゆる場所に生成AI」という vision の実現に向けた重要な一歩といえる。今後、対応カテゴリーの拡大や機能の進化が予想され、オンラインショッピングの形態を大きく変える可能性がある。消費者の購買体験がより直感的で効率的になる一方で、AIと人間の適切な役割分担が課題となるだろう。

【関連リンク】

・Amazon、AIショッピングガイドを米国のモバイルアプリで提供開始(ITmedia NEWS)
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2410/10/news109.html

TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock

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