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世界で活躍する真田広之が演じる初々しい中学生!大竹しのぶとのコンビにも注目の映画「麻雀放浪記」

2024.9.21(土)

阿佐田哲也の伝説的麻雀小説を真田広之主演で実写映画化した「麻雀放浪記」(1984年)が10月20日(日)に日本映画専門チャンネルで放送される。戦後の混乱期に、玄人(バイニン)たちのあまりにも泥臭い生き様がモノクロームによって生々しく描かれている。主人公は中学生にも見えなくもない少年・坊や哲。世の中のことを何も知らない哲が、海千山千のバイニンたちの洗礼を受けながらも、成長していく姿はなんとも清々しい。

コンビを組む哲(真田広之)とまゆみ(大竹しのぶ)
コンビを組む哲(真田広之)とまゆみ(大竹しのぶ)

■鹿賀丈史のアウトロー演技に注目!

主人公・坊や哲を演じているのは、映画公開時24歳だった真田。学生服に身を包んだ姿は、劇中「中学生ではない」と主張するように、そのぐらいの年齢に見える瑞々しさを醸し出している。

そんな純粋無垢な少年が、戦後の混乱期のなか、あらゆる手段を使って金をかすめ取るバイニンたちとの出会いによって"人生"を学んでいく。まず哲に声を掛けてきたのが、名古屋章演じる上州虎。"カモ"と思って近づいてきた上州虎から、バイニン業への入口を提示されると、刺激的な世界に目を輝かせる哲。

そこからも哲にとっては魅力的なアウトローたちが次々と登場する。何と言っても哲にとっていい意味でも悪い意味でも大きな影響を与えたのが、鹿賀丈史演じるドサ健だ。外国人のような二枚目で、叱咤しながら博打のイロハを哲に教える。このときドサ健を憧れでもあり、酷い大人でもある......と認識し揺れ動く哲の、鋭くもありキョドキョドした目線はなんともリアルであり、真田の特徴的である目の芝居が堪能できる。

■加賀まりこ、大竹しのぶなど名優たちの演技も必見!

そんな哲の前に現れるオックスクラブのママ・八代ゆき。演じるのは加賀まりこだ。「和製ブリジット・バルドー」などと呼ばれていた加賀の匂い立つような色気は、10代の少年にとっては抗いようもない。哲はどんどんと惹かれてゆき、大人の世界へと足を踏み出す。闇の世界も知りはじめ、大人ぶっている哲も、ゆきの前ではただの子供。そんな二人の生々しさがモノクロの映像に映える。

ほかにも、加藤健一演じる女衒の達、哲とコンビを組み荒稼ぎする出目徳役の高品格、ドサ健の女・まゆみ役の大竹しのぶなど、名優たちが作品を彩る。特に高品演じる出目徳の顛末は、戦後の混乱期を象徴するような衝撃的な映像だった。

現在は世界で活躍している真田。自身が主演とプロデューサーを務めたディズニープラスSTARオリジナルシリーズ「SHOGUN 将軍」は、「第76回エミー賞」にて最多22部門にノミネートされ、作品賞、真田の主演男優賞をはじめ18冠を獲得と世界的にも高い評価を受けた。そんな真田の若かりし頃の瑞々しい演技は必見だ。

文=磯部正和

放送情報【スカパー!】

麻雀放浪記
放送日時:10月20日(日)21:00~ほか
放送チャンネル:日本映画専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります