遠藤憲一、映画「スオミの話をしよう」共演の長澤まさみとは「最初はうまく会話できず...」
2024.9.6(金)
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三谷幸喜が脚本・監督、長澤まさみが主演を務める映画「スオミの話をしよう」が9月13日(金)に公開される。
ある日、寒川しずお(坂東彌十郎)の妻・スオミ(長澤まさみ)が消えた。やがて寒川の屋敷に使用人・魚山大吉(遠藤憲一)、YouTuber・十勝左衛門(松坂桃李)、刑事・宇賀神守(小林隆)、警察官・草野圭吾(西島秀俊)の元夫が集結し、誰がスオミを愛し、スオミに愛されていたのか?熱く語り始める。しかし、5人の思い出にいる彼女はまったくの別人だった―。スオミは一体どこへ?そして何者なのか?三谷ワールドの幕が上がる!
今回、スオミの最初の夫・魚山を演じる遠藤にインタビューを実施。三谷監督と作り上げた本作について、長澤の印象、さらには俳優活動を続けるなかでの想いを聞いた。
――これまで映画「ギャラクシー街道」(監督・脚本/2015年)、大河ドラマ「真田丸」(脚本/2016年)、NHK「風雲児たち~蘭学革命篇」(脚本/2018年)、フジテレビドラマ「黒井戸殺し」(脚本/2018年)と、三谷作品に出演されてきた遠藤さん。監督としての三谷さんの印象やエピソードを教えてください。
「脚本の完成度が高くて、読んだときからゲラゲラ笑っちゃいました。『どういう発想からこんなものが作れるんだろう?』と思っていたら、撮影前にやった稽古(リハーサル)でどんどん変えて壊していったんですよ。みんなそうだったと思うんですけど、その指示についていくのでいっぱいいっぱいでしたね。『彼女を待っているような目で!』とか、シーンとは関係ないことを言われるので、周りのみんなは笑うんだけど、指示を受けた当の本人はパニック。必死でついていきました」
――台本が変わるということは、その稽古は大切な時間だったんですね。
「今回すごく大事にしていましたね。『映像と演劇を混ぜたらどうなるのか』ということをやってみたかったらしくて、前回出させてもらった『ギャラクシー街道』とはまた違った雰囲気でした」
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――撮影中、三谷監督とはどんなお話をされたんですか?
「1回目の稽古のとき、三谷さんから夫役の5人に『自分が一番スオミを愛している。そういう思いでやってください』と指示があったんですけど、そこで力が入りすぎちゃって、3回ほどの稽古で声がガラガラになったんですよ。そしたら『魚山の役を書いているとき、高倉健さんをイメージしていたから、声が枯れるような芝居じゃないんだよね』と言われて...。つぎの撮影で健さんをイメージして演じたら『もう健さんのことは忘れて』って(笑)。さぐりさぐりで大変でしたね」
――魚山というキャラクターにどんな印象を持ちましたか?
「食べることや付き合い方にもこだわりがあって、とにかく思い込みの強い男。まっすぐ過ぎちゃうところがおかしなキャラクターだなと思いました。脚本を読んだときは笑ったんですけど、実際に撮影に入ると、どれが正解なのか分からず『これで大丈夫なのかな?』と思いながら進んでいましたね。あれが正解かどうかは、お客さんや監督に委ねるしかないなと思っています」
――そんな魚山に共感できるポイントはありましたか?
「いろいろとこだわりが強いところや愛し方ですね。本人的には悪意がないんだろうけど、(魚山のように)相手に対して『ウザい』と思われるほど愛を持って接する人はいるだろうなと思います。自分にもそういうところが多少あるのかもしれない、と思いましたね」
――物事にハマると愛を持って熱中するタイプなんですか?
「自分の一番大事にしていることとかね。そのことを考え始めると周りが見えなくなっちゃうかもしれないです」
――主演の長澤さんとは過去に同じ作品に出演しているものの、本格的な共演は初めてです。一緒に撮影してみていかがでしたか?
「俺、雑談が下手なんで、最初はうまく会話できずに『絡みづらい』って言われちゃいました(笑)。でもそれから少しずつ話していたら、緊張しやすい性格で人見知りだって教えてくれて。そういうところは自分と似ているなと思いましたね。俺からグイグイ話したら、付き合ってくれていっぱい話してくれたし、(キャストのなかでも)まさみちゃんと一番話したと思います。めちゃめちゃ話しやすいです」
――本作はミュージカルシーンもありました。
「小林さんは舞台やミュージカルに出ていらっしゃるけど、他のみんなはあまり踊りが得意ではなかったんですよ。でも、おじさんたちが覚えやすいように定期的に練習をする時間をとってもらい、少しずつ進めてくれたので、ありがたかったです。本番では、あんなキラキラしたステージで踊ることなんて滅多にないんで、楽しかったですね」
――本編では、5人がスオミをどれだけ愛していたか語り合うシーンがあります。遠藤さんが愛を持って語れるものがあれば教えてください。
「スイカですね。毎日食べているんですよ」
――美味しいですよね〜。
「種類というよりも、どういう状態が美味しいかってところですよね。一番は丸ごと買って冷やしたのが美味しいんでしょうけど、スイカって切らずに冷蔵庫に入れることは難しいじゃないですか。最近は、半分の半分ぐらいで売ってるやつを買って、それを冷やして食べていますね。あと、季節が終わると、スイカもぼけてくるでしょ。そういうのを見ると『夏が終わっちゃうな』とちょっと寂しくなるんですよね。去年もそうだったし、今年も必ずその日が来るのがね...」
――(笑)。魚山にとってのスオミのように、遠藤さんが俳優人生で「大切な出会いだ」と感じた瞬間はどんなときですか?
「三谷さんとの出会いも大切な出会いのひとつですね。今回は監督もやっていらっしゃるけど、みんなが憧れる脚本家なんで『いつか呼ばれるのかな。呼ばれないのかな』と思っていたら、大河ドラマの『真田丸』で声をかけてもらいました。上杉謙信の義理の息子・上杉景勝役だったので、自分でどう演じていこうかと、いろいろと歴史を調べたり、『風体はこうだろうな』とか『一見、弱そうに見えるけど、渋い登場の仕方をするんだろうな』とか考えていたんですよ。そしたら、映画『ギャラクシー街道』で呼ばれたんです。大河に入る前に映画の衣装合わせがあったんですけど、『ギャラクシー街道』の役衣装がバニーガールの格好で(笑)。渋い景勝のイメージで三谷組に入るつもりが、バニーが先になっちゃったので、自分的にはちょっとビックリしました。また今回呼ばれたので、ありがたいし、嬉しい出会いですね」
――今回、世代を超えてさまざまなキャストが出演されますが、若い俳優さんから学ぶこと、感じること、発見も多いものなのですか?
「もう今はそれしかないですよ。『とにかく現場に来たい』、『仕事が欲しい』、『現場が楽しい』という思いとか、一生懸命さとか、そういったエネルギーをもらっています。(若手の俳優は)一か八かでやってくるから、初めて見る演技ばかりじゃないですか。俺なんか60歳過ぎちゃっているし、色々(作品に)出ちゃっているから、年齢と共に新しいものを出すのが難しい。なるべく過去にやらなかった表現をしようと思っても、なかなか出てこないんですよね。だから若者と会って、吸収することはたくさんありますね」
――まさにエンタメが詰まった三谷作品。最後に「スオミの話をしよう」では、特にどんなところに面白さや魅力を感じたのか教えてください。
「とにかく設定が面白いです。まさみちゃんも5種類の女性を演じているので、七変化のように変わる姿も魅力だし、スオミが消えて右往左往する元旦那たち、刑事の小磯杜夫(瀬戸康史)、寒川の秘書・乙骨直虎(戸塚純貴)がバタバタしている様子、薊(宮澤エマ)たちのやりとりも面白い。とにかく達者な人たちがいっぱい出るなかに、三谷さんの脚本が乗っかって、どう面白くなるのか...そこが見どころだと思います」
撮影・文=浜瀬将樹
映画情報
映画「スオミの話をしよう」
2024年9月13日(金) 全国ロードショー
監督・脚本:三谷幸喜
出演:長澤まさみ、遠藤憲一、松坂桃李、小林隆、西島秀俊、坂東彌十郎ほか
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