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共感呼びまくりの会話シーンと、人生をやり直す主人公を演じ分ける安藤サクラがスゴイ!ドラマ「ブラッシュアップライフ」

2024.8.29(木)

2023年初頭に放送され、第115回ザテレビジョンドラマアカデミー賞の最優秀作品賞をはじめ、第39回ATP賞テレビグランプリの優秀賞や総務大臣賞など、数多くの賞を受賞したドラマ「ブラッシュアップライフ」。今年1月にはAsian Television Awards 2023で最優秀脚本賞を受賞するなど、海外でも高い評価を得ている作品だ。

ごく普通の独身女性・近藤麻美が、ある日突然迎えた死をきっかけに、何度も自分の人生をやり直すという地元系タイムリープ・ヒューマン・コメディで、脚本はお笑い芸人としても活躍しているバカリズムが手掛けた。

タイムリープする女性を演じた安藤サクラ
タイムリープする女性を演じた安藤サクラ

⒞NTV

キャストも豪華で、映画「万引き家族」(2018年公開)などで高い評価を得ている実力派女優・安藤サクラが主演。安藤は本作が民放の連ドラ初主演となる。親友役に木南晴夏や夏帆、妹役として志田未来などが出演。人生をやり直した回数によっては、彼氏役で松坂桃李、また仲村トオルや浅野忠信、江口のりこといった著名な俳優が次々に登場する。

ここでは主に、安藤の演技について見ていきたい。安藤が演じる麻美は地元市役所で働いていて、窓口での挨拶の仕方に疑問に感じたり、そういった些細なことで昼食時に同僚と盛り上がったりするごく普通の女性。小・中学生の時の同級生・門倉夏希(夏帆)や、米川美穂(木南晴夏)らとの食事会でも、仲良し3人組らしい平和な会話が交わされる。

それぞれの会話は、バカリズムならではの独特のテンポとセリフ回しで展開し、思わずクスッとしてしまうユニークさに溢れている。そして、それを当たり前の日常として自然に見せてしまうところに、安藤の演技の妙味がある。ネットなどでは、安藤らの会話がいわゆる「あるある」であり、共感を覚えたという感想が数多く見られた。

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しかし麻美は、交通事故によって突然、死を迎える。そこから、麻美の新たなチャレンジが始まる。死後案内所の受付係(バカリズム)から、来世はグアテマラ南東部のオオアリクイと告げられショックを受けるが、話しているうちにもう一度人生をやり直せることを知る。やり直して"徳"を積めば、また違った来世になるらしい。麻美は人間に生まれ変わるべく、2周目の人生に挑戦する。

2周目も1周目の記憶は残ったままなので、麻美は徳を積むために、友人をトラブルから守るなどさまざまな行ないをする。その時の麻美もごく自然、かつ表情豊かだ。

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例えば1周目でミュージシャンを目指すも夢叶わず、あげく離婚してしまう友人・福田俊介(染谷将太)がいる。彼の未来を知っている麻美は、2周目でミュージシャンを諦めさせようか悩む。そのきっかけとなった成人式の後のカラオケ会で、モノローグとともに心配そうな顔になったり、呆れ顔になったり、最後は涙目になったり、ほんのりとした顔芸を見せたりもする。

さらに、人生をやり直すたびに、麻美は違った職業に就く。2周目の薬剤師の時はクールな雰囲気が感じられ、3周目のテレビ局のスタッフの時は、テキパキしていて行動力に溢れている印象を受ける。職業に合わせて麻美の雰囲気が変わるのは、やはり安藤の演技力によるものであり、本作の見所のひとつと言えるだろう。


安藤は本作で第115回ザテレビジョンドラマアカデミー賞の最優秀主演女優賞を受賞。またバカリズムも同賞で、脚本賞を受賞している。秀逸な演技と脚本が絶妙に融合した近年稀な名作を、安藤サクラら名優たちの演技とともにぜひ楽しんでほしい。

文=堀慎二郎

放送情報【スカパー!】

ブラッシュアップライフ 一挙放送
放送日時:9月7日(土)11:00~
放送チャンネル:日テレプラス ドラマ・アニメ・音楽ライブ
※放送スケジュールは変更になる場合があります