広瀬すずと櫻井翔の探偵コンビが再来!? カーチェイスやアクションも楽しめる「映画 ネメシス 黄金螺旋の謎」

2024.8.11(日)

広瀬すずと櫻井翔がＷ主演、江口洋介と共演し、2021年に放映された大ヒットドラマ「ネメシス」の劇場版が「映画 ネメシス 黄金螺旋の謎」だ。監督はドラマの総監督でもあり、映画「２２年目の告白-私が殺人犯です-」や「AI崩壊」などを手がけた入江悠。脚本に「アンフェア」シリーズの原作者である秦建日子が起用された。

広瀬すずが演じているのは探偵事務所「ネメシス」の天才すぎる探偵助手の美神アンナ。櫻井翔が演じるのはポンコツだが自称天才探偵の風真尚希。そして江口洋介がアンナの父親的存在で、「ネメシス」の社長・栗田を演じている。ドラマでは後半にアンナが父・美神始(仲村トオル)によって生み出された「世界初のゲノム編集ベイビー」であることが明かされ、頭脳明晰な親友、四葉朋美(橋本環奈)が実はアンナの父の研究にまつわる黒幕的存在だった展開も視聴者に衝撃を与えた。

ドラマも伏線が多かったが、広瀬も櫻井も台本を読んだ時点では映像化が想像できなかったという本作に描かれているのは、最終回から2年後。アンナの前に敵として"窓"と名乗る奇妙な男(佐藤浩市)が新たに登場する。超ミステリーエンタテインメントで、映像トリックも映画ならではの伏線が張り巡らされた濃厚な展開だ。カーチェイスやアクションも楽しめる本作で広瀬と櫻井が呼吸の合った演技を見せる。

■苦悩するヒロイン・広瀬と橋本の緊迫感あふれる共演も見どころ

ひとり暮らしを始めたアンナは毎晩、仲間たちが次々に悲惨な死を遂げる悪夢を見るようになる。時を同じくして、怪しげな行動を取り始める風真...。そしてある日、アンナは誰かに後を付けられていると感じ、振り向くとそこには"窓"という奇妙な男が。現実と夢が交錯する世界観の中、アンナは数式のようなものが描かれた名刺を渡され「私たちが握手をしなければ、夢は一つずつ現実になっていく」と告げられる。勝地涼と中村蒼演じる刑事コンビや天才AI開発者の奥平大兼など、ドラマでおなじみの「チームネメシス」の生命が次々と狙われる中、アンナが朋美に会いに行き、会話を交わす場面での広瀬と橋本の糸が張り詰めたような演技はかなりの見どころだ。"窓"からもらった名刺を見せてヒントをもらうが、朋美の一挙一動を鋭い視線で見つめる広瀬と心の内が読めない橋本の共演が刺激的である。

■櫻井のポンコツ探偵ぶりは健在

本作以外でも映画で共演しているだけあって、櫻井も広瀬も役柄を伸び伸びと演じているのも印象的だ。栗田が運転する車で暴走トラックを追いかけ、狙われるカーチェイスのシーンでは、生命の危機とは思えないジェスチャーで慌てる演技を見せるなど、アンナが苦悩する設定だけに癒しのポジションを引き受けている感すらある。

そしてもちろん、ドラマからの決め台詞も健在。アンナがポーズを決め、「私、ちょっと入っていいですか？」と特殊能力を発揮する場面やインドの武術カラリパヤットを駆使したアクションも。ドラマと地続きである劇場版を広瀬と櫻井のコンビの演技の妙とともに楽しんでほしい。

文＝山本弘子

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