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水樹奈々、ファンとともに「融合と共存」を示したアリーナツアー 2日間で35,000人が熱狂

2024.7.26(金)

水樹奈々が7月6日~7日にかけて神奈川・Kアリーナ横浜にて、アリーナツアー「NANA MIZUKI LIVE JUNGLE 2024」を開催した。

同ツアーは6月15日の三重・三重県営サンアリーナを皮切りに、宮城・ゼビオアリーナ仙台、和歌山・和歌山ビッグホエール、そして神奈川・Kアリーナ横浜と全4会場8公演にわたって開催。水樹にとってアリーナ会場のみのツアーを行うのは今回が初めての試みでもあり、アリーナで躍動する彼女の姿を収めようと2日間で35,000人のファンが集まった。本稿では6日の模様をレポートする。

「NANA MIZUKI LIVE JUNGLE 2024」より
「NANA MIZUKI LIVE JUNGLE 2024」より

PHOTO:上飯坂一、さいちょー

今回のツアーのテーマは「融合と共存」。近未来的なセットとジャングルを思わせる装飾が施されたステージに目を奪われる中、開演時間になるとスクリーンにはジャングルの奥地でポッドに眠る水樹が目覚め、進化 した姿で新しい世界を切り開いていく「OPENING MOVIE」が流れ始める。

オープニングを飾ったのは「Turn the World」。「気合い入れていくぜ〜!」という掛け声とともに、白いフードを被った水樹が姿を現し、1曲目から情熱的なステージを届けていく。「囚われのBabel」では観客が拳を振り上げ一体感を生み出していくと、真っ赤なライトに照らされた「禁断のレジスタンス」では左右に伸びたステージを縦横無尽に駆け抜けて、観客とともにジャンプ。序盤からアッパーチューンが続くセットリストに、より熱くなっていく...!

PHOTO:上飯坂一、さいちょー

ライブ定番曲でもある「ETERNAL BLAZE」はアリーナらしい特別なステージに。ウォータースクリーンと炎によるド派手な演出でツアーのテーマである「融合と共存」を表現する。「NEVER SURRENDER」「Link or Chains」を披露したあとはバンドメンバーであるCherry Boysのコーナーへ。ダンサーチーム"Team YO-DA"とのダンスパートでは、ネオンカラーが散りばめられたカラフルな衣装に着替えた水樹が息のあったダンスで魅了し、大きな歓声が上がる。

2024年4月24日にリリースされた最新作「ADRENALIZED」の収録曲「sympathy」ではダンサーを従えながらパフォーマンス。その中心にいる水樹の姿はポップシンガーそのものを見ているようだった。「Hungry Hungry」「Sugar Doughnuts」を勢いよく畳みかけると、「Level Hi!」では水樹の掛け声に合わせて観客がタオルを回し、さながら夏フェスのような雰囲気を作り上げた。

PHOTO:上飯坂一、さいちょー

中盤ブロックではCherry Boysメンバーが楽曲をセレクトする「チェリボのNo.1ナナソン」と題して、チャンプことキーボードの佐藤雄大が水樹の声優デビュー作となった「NOëL ~La neige~」のキャラクターソング「テルミドール」を選曲。まさかの選曲に会場からは驚きの声が聞こえる中、水樹は妖艶な歌声で歌唱してみせた。佐藤が同作をプレイするほど水樹のファンであることも明かされ、佐藤は「こんなことが起こるとは」と感慨深げに語った。

「砂漠の海」に続けて披露された「優しい記憶」ではウォータースクリーンをバックに幻想的な演出の中でいつまでも変わらない強くまっすぐなボーカルを届ける。アップテンポなナンバーからミディアムナンバーまで、振れ幅の大きさでファンを魅了した。

公式キャラクター"ナネットさん"のロボットと卓球をしたり、ジャングルをテーマに即興ラップが披露されたBRIDGE MOVIEを挟み、終盤ブロックはTVアニメ「HIGHSPEED Étoile」オープニングテーマ「ADRENALIZED」から幕を開ける。ヒョウ柄があしらわれた原色で構成された衣装に身を包んだ水樹は9mの高さまで上がるクレーンに乗り、ファン一人ひとりに目線を送り、時には手を振りながら声援に応えていく。

「DAYBREAKERS」や「FINAL COMMANDER」では観客とのコール&レスポンスが巻き起こり、水樹が抱える思い、そしてファンの声援がぶつかり合い、まさにライブを体現するようなステージだった。MCでは観客からムチャブリコールが巻き起こり、水樹が映像と同じ即興ラップを披露することに。少し恥ずかしそうにムチャブリに答えた水樹にファンからは温かい拍手が送られた。BRIDGE MOVIEの映像について、地球がより良くなるためにエネルギーを研究していたNANA研究員が、キーになるワード=奈々語を解読することでとてつもないパワーが解放され、エネルギーに満ちた新しい世界に突入するというストーリーであることを解説。いにしえのアドイバザーであるヒロシとのエピソードには会場からは笑いも起こった。

PHOTO:上飯坂一、さいちょー

「ここからはパワーマシマシでいきたいと思います」と語った水樹は、疾走感溢れるナンバー「SUPER GENERATION」を軽快に歌唱。「全力DREAMER」「時空サファイア」とラストに向けてアッパーチューンを続ける。水樹は「幸せすぎて次の言葉は言いたくありません」と次が最後の楽曲であることを示唆すると、会場からは「えー」と惜しむ声が。「水樹の曲は、みんなの声とエネルギーによって完成するんです。なので、みんなと一緒に歌える楽曲を取り揃えた結果、とんでもない熱量のセットリストが出来上がってしまいました」と怒涛のセットリストへの思いを明かした。そして水樹は「ニューワールドをこれからみんなのパワーで一緒に切り開いていきたいと思っています」と語り、本編の最後に披露されたのは「suddenly ~巡り合えて~」。最後にふさわしいファンとの巡り合わせを歌った楽曲を紙吹雪で鮮やかに彩られながらパフォーマンスし、ステージをあとにした。

鳴り止まない「ナナ」コールを受けて登場した水樹はダンスチューン「chronicle of sky」、新しいフェーズへと進むことを歌った「Phase 21」を披露。水樹はアンコール恒例の「シャッス!」をファンとともに叫び、10年ぶりに横浜の地でステージに立てることの喜びを噛み締めた。

PHOTO:上飯坂一、さいちょー

ロック調の「Trickster」ではエネルギッシュな歌声で観客を鼓舞、「Synchrogazer-Aufwachen Form-」では「みんなでひとつになろうぜ」という水樹の煽りに応えるかのように、ファンはこの日で最も大きなコールで応戦した。ステージにはウォータースクリーンの水が降り注ぐ中、曲のラストには銀テープが発射されクライマックスを迎える。

バンドメンバーの紹介をしたのち、水樹は「素敵な空気を体に刻むだけじゃなくて、映像にも刻ませてもらっていいですか?」と語ると、「ありがとう〜!」と叫びながら広大なステージを走り回り動画を撮影。水樹はステージの隅々まで足を運び、最後の最後までファンとの交流を欠かさなかった。最後には水樹の「これからも水樹奈々に〜?」という掛け声に合わせて、観客が「かかってこ〜い!」とレスポンスし、再びステージをあとにした。

PHOTO:上飯坂一、さいちょー

ここで終わりかと思われたが、Wアンコールに応えて再度ステージに登場した。「今日明日でツアーが終わりだなんてもう名残惜しくて」と話した水樹は七夕の前日にふさわしい「76th star」をパフォーマンス。約3時間半という時間が一瞬に感じられるような、笑顔溢れるステージ、そしてツアーのテーマである「融合と共存」をファンと共に実現した水樹の集大成とも言えるステージとなった。

PHOTO:上飯坂一、さいちょー

取材・文=川崎龍也

公演情報

「NANA MIZUKI LIVE JUNGLE 2024」
会場:Kアリーナ横浜