導入されたオンデバイス型の音声生成AIは、旧ヤフー株式会社が保有していた音声認識のiOS/Android上のオンデバイス推論技術と、旧LINE株式会社が有していたCPU上で軽量動作する高品質なニューラル音声合成技術の融合によって生まれた。

音声の抑揚や感情、さらには発音の細かなニュアンスまでも緻密に再現できるようになり、音声の質と音量が大幅に改善。より人間に近い自然な発話による、明瞭で聞き取りやすい音声案内を実現している。

この技術の最大の特徴は、インターネット接続を必要としないことだ。スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイス上で低遅延で動作するため、山間部やトンネル内など電波の届きにくい環境下でも、スムーズにルート案内を受けることができる。ドライバーはどのような場所でも安全な運転をサポートしてもらえるようになる。

さらに、音声合成のコア技術に関する研究成果として、音声・音響信号処理分野で世界最大規模を誇る国際学会「ICASSP 2023」にて高い評価を受けている。

将来的には、複数話者選択、感情制御、プロンプトによる声質制御などの機能追加も予定しており、より柔軟にユーザーのニーズに応えられるシステムを目指しているという。

【関連リンク】

・Yahoo!カーナビ、音声案内に音声生成AIを採用　自然な発話で聞き取りやすさが向上(ITmedia Mobile)
https://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/2407/16/news159.html

TEXT：PreBell編集部
PHOTO：iStock