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沢口靖子の低く鋭い声がポイント! 「科捜研の女」の榊マリコとは異なる冷静沈着でクールなキャラを演じた「警視庁機動捜査隊216」シリーズ

2024.7.23(火)

「警視庁機動捜査隊216 長い夜」(TBSチャンネル1)
「警視庁機動捜査隊216 長い夜」(TBSチャンネル1)

凛とした雰囲気と唯一無二の存在感で、日本エンタメ界で活躍中の沢口靖子。彼女の代表作のひとつ「科捜研の女」は、2024年7月からシーズン24が放送されるなど、刑事ミステリーやさまざまな事件の裏側にある人間ドラマで、圧倒的な輝きを放つ存在としても知られている。そんな彼女が、冷静沈着でクールな機動捜査隊員・沢村舞子を演じる人気シリーズの第一作が、2010年放送の「警視庁機動捜査隊216 長い夜」だ。

沢村舞子(沢口靖子)は警視庁第二機動捜査隊に所属する警部補。巡査部長の金子(赤井英和)と富田(松尾諭)、巡査長の佐藤(斉藤祥太)と班を組んで、日々過酷な任務に当たっている。ある日、警視庁から事件を知らせる連絡が入り、舞子たちは110番通報があった繁華街のラブホテルへ急行。そこで女性の絞殺死体を目にする。被害者は、夫がデザイン事務所を経営し、自身も証券会社に勤務するエリート社員・竹内貴美子(濱田万葉)と判明。また、不審者として取り押さえられた遠藤真一(大高洋夫)は、地方の教育委員だった。そんな折、舞子は新聞記者の土居(西村雅彦)から、貴美子には以前から売春の噂があった上、勤め先の証券会社のインサイダー取引疑惑に関する情報も握っていたらしいとの情報を得る。

沢口が演じる舞子が所属する機動捜査隊は、都道府県の警察本部刑事部に所属する執行隊で、通常は担当管轄内のパトロールに従事。強盗、傷害、殺人などの重要事件発生の際は犯罪現場に急行し、事件の初動捜査に当たる存在だ。犯人との接触率が高く、警察官の中でも危険な任務を淡々とこなすヒロイン・舞子役で、沢口は感情を徹底的に抑えた演技を披露する。

「警視庁機動捜査隊216III 命の値段」(TBSチャンネル1)
「警視庁機動捜査隊216III 命の値段」(TBSチャンネル1)

舞子の冷静沈着で強靱な精神を表現するのに沢口が意識していると思われるポイントが、いつも以上に低めで鋭い声だ。その透明感ゆえに硬質な印象を与える彼女の声だが、どこか温かさや茶目っ気といった、沢口自身のパーソナリティーがさりげなくにじむのが大きな魅力だった。しかし、本作ではその魅力を封印し、ダイアモンドのように透明で硬く強い声で、過酷な仕事でつねに張りつめている舞子の心の動きを表現しているのだ。また、モノトーンやかっちりとしたスーツなどのファッションも、沢口の美貌をよりクールなものへと印象づけることに大きな役割を担っている。

また、警察無線のマイクを口元に引き寄せる時や、覆面パトカーの屋根に赤色灯を置いたり、特殊警棒や拳銃を構えたりといった、機動隊ならではの身のこなしの際に、沢口が披露する機敏な動きも見逃せない。ここでの無駄のない安定感の動きこそが、視聴者に機動捜査隊員・沢村舞子という存在にリアリティを感じさせるためには欠かせない要素だと、超ベテラン俳優の彼女は身をもって知っていたに違いないと思わせてくれる。

「警視庁機動捜査隊216 episode9 硝子の絆」(TBSチャンネル1)
「警視庁機動捜査隊216 episode9 硝子の絆」(TBSチャンネル1)

舞子役の沢口を支えるのが、赤井英和、松尾諭、斉藤祥太といった、同じ班のメンバー。彼らの安定した演技に加え、臨場感あふれるカメラワークで撮影された映像が、圧倒的なリアリティをかもし出す、骨太な刑事ドラマ・シリーズ。いつもとは違う沢口の演技をその目で確認して欲しい。

文=中村実香

放送情報【スカパー!】

警視庁機動捜査隊216 長い夜
放送日時: 8月2日(金)15:00~
警視庁機動捜査隊216III 命の値段
放送日時: 8月6日(火)15:00~
警視庁機動捜査隊216 episode9 硝子の絆
放送日時: 8月14日(水)15:00~
チャンネル: TBSチャンネル1 最新ドラマ・音楽・映画
※シリーズ9作を2(金)から14(水)まで毎週(月)~(金)15:00に、「episode10 引鉄」を8月26日(月)1:00に放送
※放送スケジュールは変更になる場合があります