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大泉洋がヒューマニティあふれる演技で町の再興に挑む、連続ドラマW「プラチナタウン」

2024.7.15(月)

大泉洋がエリート商社マンから故郷の町長に転身する主人公を演じ社会派ドラマの初主演となったのが、本作WOWOW連続ドラマ「プラチナタウン」だ。原作は楡周平の同名小説で、監督は「下町ロケット」「推定有罪」の鈴木浩介が手がけた。

⒞2012 WOWOW INC.

少子高齢化、地方の過疎化を背景に描かれた本作は大泉の地元でもある北海道が舞台で、夕張市の財政破綻もあったことから、テーマにリアリティを感じたという。物語は東京の商社でバリバリ実績をあげていた山崎鉄郎(大泉)が故郷の緑原町に帰省したことで展開していく。同窓会で町役場の係長で学生時代の親友の熊沢健二(平山浩行)と同級生から「バブル期に公共事業にお金を注ぎ込んだせいで町の負債が150億に膨らんだ。そして、町民の半数が60才以上...。」と聞かされ、故郷の実情に驚くが、咳き込むほどに衝撃を受けたのは「町長を引き受けてくれないか?オマエだけが希望だ。」という健二らの突然の頼みだった。断り続けるものの、酔った勢いで「俺が緑原、救ってやるよ」と安請け合いしてしまう。プランもないのにいきなり町長になり、議会や役場の職員の冷ややかな視線の中、奮闘する。そんな巻き込まれ型の主人公を大泉が表情豊かな演技で魅せる。

■町長になる決意をさせたのは小学生の頃の自分だった?

⒞2012 WOWOW INC.

同窓会の居酒屋で町長宣言をしたことを全く覚えていない鉄郎(大泉)は翌朝、同級生にさっそく「後援会を作った」と言われて、外に逃げ出し、東京に帰るものの学生時代にカンボジアでボランティアをしていた思い出が頭をよぎる。そんな中、酒蔵を営んでいる父親が倒れ、再び緑原町に戻ることになった鉄郎は、町がすっかり廃れたことを実感。母校の小学校を訪ね、遊んでいた子供たちから「もうすぐ学校がなくなる」と聞かされる。そして、恩師とも言葉を交わし、実家に帰って探し出したのは小学生の頃に"将来の夢は総理大臣"と書いた作文。しばらく佇み、涙を堪えるように上を向き、健二に電話をするシーンは細やかな心理描写の演技が印象的だ。こうして、元エリート商社マンではあるものの、町の知識は頭の中だけの町長が誕生。しかし、所信表明で議会が大荒れの事態となってしまう。

■大泉演じる町長と仲間たちが逆転の発想で町の再生計画に挑む

⒞2012 WOWOW INC.

鉄郎は小学生たちに「町長〜」となつかれ山の中や渓流釣りのスポットを案内される。また、いい土が採取できることを活かした陶芸教室を見学したりと、徐々に自分が生まれ育った町の自然あふれる魅力を発見していく。そして、健二に案内されたのは空き地のままになっている広大な土地。町会議員の古参・鎌田武造(柄本明)との立ちはだかる壁と、若い世代を呼び込むプランに行き詰まっていた鉄郎だったが、母親が町から離れた都市の老人ホームに入居しようと考えていることを知り、「これだ!逆転の発想だよ!」と高齢化を逆手に取り、3万坪の土地に巨大な老人ホームを建設し活性化させる、という計画を思いつく。鉄郎のアイディアに目を輝かせる健二、やがて元同僚の頑張りに四井商事の牛島(田中直樹)も力を貸してくれ、偶然にもシルバー向けプロジェクトを提案していた元カノの恵里香(檀れい)も興味を示し、四井商事のライバル会社、東光物産の部長・児島(渡部篤郎)も鉄郎が北海道でやろうとしている試みを知ることになる。が、現実はなかなか思うようには進まず...。

へこたれそうになって悔し涙を流し、周りの人たちの温かさに嬉し涙を流し、ひとりでは何もできないことを知る若き町長の成長を大泉がヒューマニティあふれる演技で表現している。

文=山本弘子

放送情報【スカパー!】

連続ドラマW プラチナタウン #1~5(全5話)
放送日時:8月4日(日)15:00~
放送チャンネル:WOWOWプラス 映画・ドラマ・スポーツ・音楽
※放送スケジュールは変更になる場合があります