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乃木坂46・清宮レイがヒロイン役で物語に深みを与える!映画「死神遣いの事件帖‐月花奇譚‐」

2024.6.18(火)

今年7月に乃木坂46を卒業する清宮レイ。清宮といえば、2018年に4期生としてグループに加入後、26thシングル「僕は僕を好きになる」で初選抜入りを果たし、その後、5作連続で選抜メンバーとして活動した人気メンバー。

5歳から小学4年生までアメリカ・カリフォルニアで過ごした帰国子女で英語力が高く、性格は明るく快活で、いるだけで場を明るくするオーラがある。また、負けず嫌いな一面もあり、乃木坂46の冠バラエティーのゲーム企画では、いつも本気を取り組み、負けてしまうと涙を流してしまうほど。グループの愛されキャラだ。

パフォーマンスにおいても、持ち前の運動能力の高さからキレキレのダンスに躍動感のある動きに加え、明るい曲で輝くようなアイドルスマイルを見せたかと思えば、クールな曲ではシリアスな表情にくるりと変化するなど、表現者としての能力も高い。ライブやバラエティだけでなく、ラジオやCM、舞台、ドラマ、映画にと多方面で活躍している逸材だ。そんな清宮の表現者としてのポテンシャルの高さが感じられる作品が、映画「死神遣いの事件帖‐月花奇譚‐」(2022年)だろう。

「死神遣いの事件帖‐月花奇譚‐」
「死神遣いの事件帖‐月花奇譚‐」

(C)2022 toei-movie-st

同作品は、鈴木拡樹が主演を務める東映ムビステシリーズの第4弾で、「死神遣い事件帖」シリーズの4作目。自身の寿命を捧げる代わりに死神の能力を使う「死神遣い」久坂幻士郎(鈴木)の活躍を描く時代劇ファンタジー。

徳川家光の治世の時代、墓場から蘇った"腐乱人"と呼ばれる亡者たちが生者の肉を求めて町民を襲うという事件が発生。噛まれた者は"腐乱人"に変貌し次々と増殖する事態に、町は混迷を極めていた。そんな中、"何でも屋"の幻士郎と死神・十蘭(安井謙太郎)は記憶を失った少女(清宮)と出会い、少女から「私が誰なのか探してもらえないだろうか」と依頼される、というストーリー。

(C)2022 toei-movie-st

清宮は同作が初映画出演となるが、堂々とヒロインという重要なポジションを務めており、作品に深みを与えている。というのも、清宮演じる少女・ハナの依頼により幻士郎と十蘭の調査が始まり、それが"腐乱人"事件の謎へとつながっていくという展開なのだが、清宮がハナを可憐でつい手を差し伸べたくなる少女として演じることで、心配してつい協力してしまう幻士郎と十蘭への感情移入を促進させている。また、ボロボロの着物からきれいな着物に着替えるという「メガネっ娘がメガネを外したらかわいい」的な男心をくすぐる場面では、明るい表情でしっかりとギャップを作り出して演出に応えている。一方で、時折見せる過去の記憶や記憶を失う前の人物像が表れる瞬間では、どこか冷たく恐ろしさを感じさせる演技を見せ、物語の展開をより深める働きも。

そんな"かわいく可憐なハナ"と"記憶を失う前の人物"との振り幅もすごいのだが、何よりその切り替えの速さに驚かされる。アイドルのライブで、明るい曲の後にすぐにクールな曲を完璧にパフォーマンスする姿がオーバーラップするくらいの切り替えに、「ハナは二重人格なのか?」と思わされるほど。アイドル活動の中で、一瞬で陽から陰のように真逆の表現をする場面が多いことに鍛えられているのももちろんあるだろう。だが、それだけではない役者としての大いなるポテンシャルを感じられるのだ。さらに、アクションにも挑戦しており、器用さも披露するおまけつき。

"腐乱人"発生の真相とその裏にうごめく禍根というストーリーはもちろん、鈴木が披露する剣技、鈴木と安井の息の合った掛け合いなども楽しみつつ、表現者として高いポテンシャルを感じさせてくれる清宮の雄姿にも注目していただきたい。

文=原田健

放送情報【スカパー!】

死神遣いの事件帖‐月花奇譚‐
放送日時:2024年7月17日(水)22:30~
チャンネル:東映チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます