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佐藤健が作り出す自然な空気と熱いシーンが物語を盛り上げる!映画「ROOKIES-卒業-」

2024.5.31(金)

2005年、原宿でスカウトされたのをきっかけに芸能界入りし、俳優としての道を歩み始めた佐藤健。2007~2008年放送の「仮面ライダー電王」で連続ドラマ初主演を果たし、その後も2010年放送のNHK大河ドラマ「龍馬伝」で岡田以蔵役を務めたり、2012年に第1作目が公開された劇場版「るろうに剣心」シリーズで主演したりと、活動当初から目覚ましい活躍を続けている。

イケメンなのはもちろん、俳優としての力量も誰もが認めるところで、2018年には「8年越しの花嫁 奇跡の実話」で、2022年には「護られなかった者たちへ」で日本アカデミー賞の優秀主演男優賞を受賞。今年3月公開の主演映画「4月になれば彼女は」は国内ヒットしただけでなく、香港やタイ、中国でも公開され、今後もますます活動範囲と共に人気も拡大していきそうだ。

躍進を続ける佐藤だが、出演作の中でも注目したいのが、物語を引き締め、盛り上げるレギュラーキャストとして活躍した「ROOKIES」(2008年放送)だ。本作は人気の野球漫画を連続ドラマ化したもので、主演の佐藤隆太が演じる熱血教師・川藤幸一が、不良のたまり場となっていた二子玉川学園高校の野球部を立て直し、甲子園を目指すという物語だ。

映画「ROOKIES-卒業-」より
映画「ROOKIES-卒業-」より

(C)STUDIO HITMAN/映画「ROOKIES」製作委員会

市原隼人、城田優、中尾明慶、桐谷健太といった、現在第一線で活躍中の俳優も多数出演。その渾身の演技と熱いストーリーが見事に融合してドラマは大ヒットし、2009年には今回放送の映画「ROOKIES-卒業-」も公開された。ここでは、劇場版における佐藤健の演技に注目してみたい。

佐藤が演じるのは、ドラマ版と同じくレフトを守る岡田優也。ドレッドヘアでヒップホップ命、ケンカよりもナンパが得意という、ケンカっ早いほかのメンバーとは一線を画したキャラクター。物語はドラマ版からの続きとなり、岡田は仲間たちとともに3年生に進級し最後の甲子園を目指す。

ドラマ版の設定に「一番冷静に仲間たちのことを見ている男」とあるように、岡田は問題を起こすこともなく、派手な立ち回りもしない。しかし、佐藤の演技力によって状況や空気を捉えたシーンを作り出し、要所で存在感を発揮している。

(C)STUDIO HITMAN/映画「ROOKIES」製作委員会

新学期を迎え、新入部員が入ったと聞いた時は皆と一緒に喜び、後輩に嘘をついていた平塚平(桐谷)がそれを挽回するべく勝負に挑む時は、いきいきとした表情で平塚を応援する。そういったシーンでは部員たちとの一体感や、青春している雰囲気が感じられ、それがごく自然に入ってくるのも、佐藤健が演じる岡田がしっかり空気を作っているからだろう。
さらに要所で刺さる熱演を見せるからこそ、物語の起伏までもがより際立って感じられる。岡田は物語を盛り上げ、作品としての完成度を高めるためになくてはならないキャラクターであり、その役を十二分にこなしている佐藤はさすがと言えるだろう。

圧巻なのは、やはりグラウンドでのシーン。練習でフェンスに激突しても気迫の表情で返球する姿や、予選大会準決勝で勝ち越しのホームに滑り込み、「よっしゃー!」と吠える姿からは、「皆で甲子園に行く!」という想いが強く感じられる。準決勝を延長で制した時、仲間に飛びつき喜ぶ姿なども、夢に向かって進む若者たちの熱が伝わってくる。


強豪・笹崎高校との予選大会決勝での戦い、そしてサブタイトルにある通り、"卒業"を迎えた時の川藤とのやり取りまで。佐藤健をはじめ佐藤隆太、市原隼人、城田優、中尾明慶、桐谷健太らの熱演に、時に笑い、時にじんわりしながら、この熱い青春の物語にどっぷりと浸ってほしい。

文=堀慎二郎

放送情報【スカパー!】

ROOKIES-卒業-
放送日時:2024年6月1日(土)21:00~、2024年6月13日(木)21:00~ほか
チャンネル:WOWOWプラス
※放送スケジュールは変更になる場合がございます